誰のための代表チーム?世界最強!米国女子代表を応援していたのは誰か?
FIFA女子ワールドカップ 2019フランス大会は、優勝候補筆頭の米国女子代表が、圧倒的な力の差を見せつけて優勝しました。決勝戦の会場はリヨン。6万人近くの観客を集め満員となりました。チケットは発売直後にあっという間に売り切れ。FIFA女子ワールドカップ 2011ドイツ大会では、決勝戦のチケットは準決勝戦の開催途中まで購入できたので、この8年間で女子ワールドカップ が、いかに注目を集める大会になったかがわかります。
スタンドを埋めたファン・サポーターの多くは米国女子代表を応援するためにやってきた米国サポーター
では、米国女子代表のサポーターとは、どの様な人たちだったのでしょう。テレビでは伝わりにくかったと思います。現地で観戦した印象をご紹介します。
長い列ができた女性用セキュリティチェック
まず、スタンドの男女比ですが6:4かそれ以上に女性が多かったように見えました。実際、スタジアムへ入るためのセキュリティチェックでは男性用のゲートはガラガラ。女性用のゲートが混雑していたことに驚きました。
米国女子代表のサポーターを大きく4つのグループに分類
スタジアム内のみならず、宿泊したホテル、リヨン市内の繁華街等でも、多くの米国女子代表のサポーターと遭遇しました。大きく4つのグループに分類できます。ご紹介していきましょう。
1 サッカーマニア
男性のみのグループか男女のグループ。今や米国ではサッカーは人気スポーツ。男子のMLSはJリーグより1試合あたりの観客数が多い。米国の女子リーグは世界中の国内リーグで最も人気が高くポートランド・ソーンズは1試合平均1万5000人の観客を集めています。
2 ファミリー
女性を含むお子さんと両親。更には祖父も一緒という組み合わせが目立ちます。母娘でサッカーをしている家族も多いようです。決勝戦の翌朝のホテルのラウンジではゆっくりと遅めの時間に朝食を楽しむ家族たちと遭遇しました。
米国にはサッカーマムという単語があります。娘をサッカーチームに所属させ教育熱心なアッパーミドル階級の母親のことです。サッカー母娘の社会的ステータスは高いです。
3 女性グループ
若い女性のグループが多いですが、中年から高齢の女性グループも。チームメイトか一緒に応援する仲間と思われます。早朝のリヨンの街をジョギングしている女性グループに何度も遭遇しました。
4 少女たちのサッカーチーム
サッカーチームの選手たちと指導者が観戦しています。少女時代から大西洋を渡って世界一を決める試合を観戦できる貴重な経験は、次の世代の米国女子代表選手の誕生につながるでしょう。マンハッタンサッカークラブは多くの少女選手がグループとなって観戦していました。
スタジアムにはスポンサーブースやエンターテイメントを提供する「ファンゾーン」が設けられていました。そこでサンバの演奏に合わせてリフティングアトラクションが行われていました。飛び入りでファンが参加するのですが、小さな女の子から大人まで、米国女子代表のサポーターはリフティングが上手で驚かされました。
日本国内で開催されるなでしこリーグの試合の客層は高齢男性の比率が高い。
なでしこジャパンの試合は男子のA代表と同様に、男性中心のコアサポーターが応援の核になっています。しかし、世界最強の米国女子代表のサポーターは、それとは全く異なります。声援をスタジアム全体に響き渡らせていたのは、自らがサッカーをピッチで楽しんでいる、サッカープレーヤーを中心とした女性でした。ここまで声のトーンの高いコールやブーイング、黄色い声援を聞いた試合は初めてで、しかも、もの凄い大音量。日本では体験したことがない雰囲気でした。でも、もし2020年に予定通りに東京五輪が開催されていたら、新国立競技場には、同じような黄色い声援が響いていたかもしれません。
米国女子代表は「米国女性を代表するチーム」でした。
現地の様子、音を動画でご覧ください。