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池尻茉由選手(マイナビ仙台)の私生活は「直感型」なでしこジャパンで活躍が期待されるストライカー #女子サカ旅

池尻茉由(いけじり まゆ)選手は、なでしこジャパンに選出され、強いインパクトを残しました。20191211日、EAFF 女子E-1サッカー選手権2019台湾女子代表戦の後半から投入された池尻茉由選手はPKで代表初得点、試合終了間際に2得点目。ボールを持てば前に仕掛ける積極性とスピードも注目を集めました。当時の所属クラブは水原WFC(韓国)。今シーズンからはマイナビベガルタ仙台レディースでプレーしています。

 池尻茉由選手がどのようなキャリアを歩んできたのか、何が彼女のプレースタイルを形成してきたのかについて、お話をうかがいました。そして、池尻茉由選手さんが、海外でのプレーに初めて挑んだ際の旅の思い出は美しい海でした。その写真もインタビューの後半でご紹介します。

スタンドから見てもよく目立つ、左利きで独特のボールの持ち方をする選手

かねてより、筆者は、池尻茉由選手のプレーから「以前にどこかで見た日本女子代表選手」の姿をなんとなく思い浮かべることがあったのですが、それが誰の姿だったのか・・・今回のインタビューを終えて、その選手が誰であるかが判りました。日テレ・ベレーザ、岡山湯郷Belle等で活躍されている木龍七瀬選手(昌寧WFC)です。スピードあふれる突破と左足のシュートに際立った特徴を持った選手です。もしかすると、池尻茉由選手は木龍七瀬選手から、何かを習得されていたのかもしれません。池尻茉由選手と木龍七瀬選手の接点については、インタビューの中で池尻茉由選手ご本人からお話があります。

 

—2020年シーズンからマイナビベガルタ仙台レディースでプレーすることを選んだ理由を教えてください。

池尻–昨シーズンは韓国(水原WFC)でプレーして、ありがたいことに日本女子代表(なでしこジャパン)にも呼んでいただけるようになりましたが、更に上を目指すとしたら日本でプレーした方が良いと思いました。マイナビベガルタ仙台レディースにプロ契約のオファーをしていただき、プレーすることになりました。このチームでは(対戦相手の)DFラインの背後のスペースに走り込み、自分の特徴のスピードを活かせるプレーを出来ると思いました。

先日のセレッソ大阪堺レディース戦(2020823日)のゴールは特徴を出せたのでは?

池尻–浜田遥さんと良い距離感ができて(私の)ゴールが生まれました。(後ろからきたパスを受けた)ファーストタッチをしてGKを見て「ちょっと出ているな」と思って・・・(ドリブルで)運んでも良かったのですけれど、ボールをコントロールして(もう一度見たら)GKの戻りも遅かったので上を行ける(打ち抜ける)と思って狙って打ちました。ちょっと遠かったのですが打てる距離でした。

流れの中でのGKの動きを見ていたのですね。

池尻–既にDFを置き去りに出来ていたので、あのときは余裕があったのかな(笑)。

ご自身のプレーの特徴をどのように考えですか?強さを強調して書かれるメディアもありますが、私は上手さを感じます。

池尻–スピードとシュートが自分の武器です。(ボールの)持ち方とかシュートを打つタイミングは、よく「独特」と言われます。ちょっとズレているんですよ、いい意味で(笑)。左利きって独特な部分があるじゃないですか。(練習でチームメイトの)GKに「そこで打ってくる?」とかタイミングを言われます。

今シーズンのプレーの出来はどうですか?

池尻–ゴール数が足りないです。やっぱりFWとして結果にこだわりを持ちたいと思っています。それがチームの勝ち点に繋がっていくので、満足していないです。貪欲さが足りないと思います。

 

ここからは、ご自身のキャリアを振り返っていただきます

池尻茉由選手は日ノ本学園高校を卒業後、2015年に吉備国際大学に進学。プレナスなでしこリーグの吉備国際大学Charme岡山高梁(2015年から2017年はプレナスなでしこリーグ2部。2018年はプレナスチャレンジリーグ)でプレー。2018年は9月から11月まで、岡山湯郷Belle(当時・プレナスなでしこリーグ2部)に短期間の期限付き移籍。2019年はWKリーグの水原WFCでプレーされています。そして。2020年シーズンからマイナビベガルタ仙台レディースでプレー。

吉備国際大学の社会科学部 スポーツ社会学科はいかがでしたか?

池尻–とても勉強になりました。在学中でもプレナスなでしこリーグでプレーしたい気持ちがあって進学しました。サッカーコーチング実習、サッカーコーチング論、日本サッカー協会公認C級コーチライセンスの取得もあり、セカンドキャリアにも役に立つと考えました。めちゃめちゃ楽しかったです。他の種目の選手とも交流がありました。話しているうちに、男女の考え方の違い、スポーツごとの考え方の違いを学べました。コミュニケーション能力も上がったと思うし、大学に行って良かったと思います。

岡山湯郷Belleでもプレーされましたね。

池尻–在学中に岡山湯郷Belleでも(期限付き移籍で)プレーしました。自分が通用するところが判ったし、より上を目指せると思いました。短い間でしたが、チームメイトに受け入れていただきました。特に、木龍(七瀬)さんから、たくさんアドバイスをいただきました。木龍さんには、本当に良くしてもらい支えていただきました。木龍さんも左利きなのですが、自分のことを生かしてくれたので、今までで一番伸び伸びプレーをきました。岡山湯郷Belleへ行って良かったと思います。

木龍選手と池尻選手が試合後にインタビューを受けている動画を拝見しましたが、木龍選手とのとても良い関係を感じました。その後で、韓国の水原に渡りますね。

直感で即決した進路「また頑張ろう」という気持ちにしてくれたあの旅の思い出写真

池尻–(水原へ行った理由は)環境を変えたいからでした。韓国(WKリーグの選手)は体格がめちゃくちゃ良いんですよ。それなのに、速い人はホントに速いし強さもある。「海外の人たちと(自分は)やっているんだなー」と(プレーしながら)思いました。球際も強いですし、良い経験をできました。(自分のプレーがメディア等に)強いと言われているのは、韓国に行ってプレーしたところからでもあると思います。

なでしこジャパンでプレーされたときに、水原でプレーした経験は生かされているのでは?

池尻–はい。でも、今の自分の強さ、スピードだけでは代表に定着にはまだまだ力が足りないと思っています。基礎技術も、もっと必要だと思います。FWなので、前を向く力をもっとつけていきたいです。課題を一つ一つ潰していかないと、まだまだだと思います。

 

人生の大きな岐路を選択する、ご自身の方法は何かありますか?

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