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森喜朗氏の発言を考える 「わきまえる」時代に「わきまえない」女子サッカーの人々 【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗氏の発言が問題となっています。日本全国、そして世界での大ニュースです。ただ、ちょっと考えていただきたいのは、この発言の「問題の核はどこにあるのか?」というところです。「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」という発言だけを見れば「男性は発言が少なすぎるのではないか?」という解釈も成り立ちます(が、なぜ発言が少ないのか会議に構造的な問題が潜んでいる可能性もありますね)。

やはり「問題になった核」は「私どもの組織委員会に女性は7人くらいか。7人くらいおりますが、みなさん、わきまえておられて」の「わきまえて(わきまえる)」だと思います。今回は、この「わきまえて」発言と、かつて森喜朗氏の面目を潰した中田英寿氏の事件を振り返り、PKど真ん中に蹴り込んでみようと思います。

今回から、女子サッカーと、その周辺を筆者が解説する本コーナーを「石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中」と命名します。

 「立場をわきまえる報道」から始まった

この問題は、当初、朝日新聞の記事から世間に広がり始めました。私は、朝日新聞の見出しにも問題があったと思っています。見出しは「女性がたくさん入っている会議は時間かかる」。論評抜きで森喜朗氏の発言内容だけが書かれた記事です。「問題になった核」に見出しで触れず、新聞社として森喜朗氏の発言を具体的に批判することもなく、遠回しな見出しからネットクチコミを誘発し森喜朗氏を追い詰めようとする記事でした。まさに、2020年東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャル新聞パートナーらしい「立場をわきまえる報道」だったと思います。

国立競技場

「わきまえる」時代が社会を萎縮させている

森喜朗氏の周囲には2つの意味の「わきまえて」があるように感じます。1つ目は森喜朗氏が上から押さえつけることで生じる「わきまえて」。今回でいえば「女性は、わきまえて発言の回数を減らしなさい」という圧力が該当します。2つ目は自分の立場と相手の立場に過剰に配慮する世相から生じる「わきまえて」。言い換えれば、下の立場からの「忖度」「誰も傷つけない発言」が該当します。

先の朝日新聞の見出しは「忖度」「誰も傷つけない発言」でネットクチコミに批判を委ねたと考えられます。また、日常生活でも「誰も傷つけない発言」を気遣うあまりに、新しいことが起きにくい、何を伝えたいのか解りにくいということがよくあります

かつて森喜朗氏の面目を潰した中田英寿氏

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