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大竹七未さんが考えるサッカー解説者の仕事 「テレビ局が監督」「私が選手」

トップ画像:ノジマステラ神奈川相模原vs日テレ・東京ヴェルディベレーザ テレビ神奈川のテレビ中継 赤井祐紀アナ

女子サッカーのサッカー解説の第一人者といえば大竹七未さんです。本人は謙遜し、そのポジションを否定されますが、筆者は、そう確信しています。揺るぎない事実をいえば、まだ日本の女子サッカーが世界のトップと対等に渡り合う以前、21世紀に入った頃に、当時としては珍しい女性解説者であったということです。おそらく、ゲストではなく解説者としてテレビ出演された女性は大竹七未さんが最初だったと思います(高倉麻子さんが現役時代に、テレビ中継以外の日本テレビの番組にレギュラー出演していましたが)。

現役時代は読売ベレーザ(現:日テレ)でLリーグ(現・プレナスなでしこリーグ)100得点第一号を記録した名選手。FIFA女子ワールドカップは2大会に出場。当時の日本女子代表の鈴木保監督によれば、積極的な「出場したいアピール」が猛烈な選手だったとのこと。1996年のAFC女子選手権では1試合6得点も記録しています。2001年に現役引退し、サッカー解説者としてデビューしています。

今回は大竹七未さんのお話をうかがいながら「WEリーグ時代に求められるサッカー解説者像」を探ります。1/28 WEリーグ理事会後メディアブリーフィングで、テレビ中継、ネット中継は、まだ決定していないことが明らかになりました。どのような方法で試合が中継されるか分かりません。しかし、いずれの方法の中継であっても大竹七未さんの約20年の経験は役立つことでしょう。そして、テレビ中継だけでは分からない大竹七未さんの凄さを現場で体験した筆者が、大竹七未さんの対応力に迫ります。

提供:大竹七未さん

みんなで女子サッカーを盛り上げていくために露出を増やす努力が必要

—WEリーグへの期待と不安は?

大竹–COVID―19(新型コロナウイルス感染症)で東京オリンピックの開催がどうなるか分からず、強化のために参加していたSheBelieves Cup(米国遠征)への参加を取りやめ。選手も女子サッカーを支える関係者も不安定な心理状況です。何しろ感染症ですから自分たちだけでどうにかできるわけではなく、この状況でプロ化がスタートするのは不安だと思います。本来ならば、東京オリンピックが開催されて、その結果の勢いでWEリーグへ流れるモチベーションに気持ちを向けていかれたと思いますが、現実は思うようにはいきません。

女子サッカーのニュースの認知が下がってきてしまっているのは、なでしこジャパンが世界で結果を出せていない(FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会はベスト16)ことも一因です。上がってきていない女子サッカー人気の中でWEリーグをスタートさせるのは賭けでもあるのだろうけれど、このタイミングを逃せないという理由もあると思うので、選手の皆さんには頑張ってもらいたいと思います。

—テレビ中継、ネット中継の役割は大きいですね。

大竹–日本の女子サッカーは、一番良いときと比べると低迷していると思います。そんな中でもテレビ中継があるのは、すごくありがたいことです。女子サッカーの選手や試合の認知を上げるためには、なでしこジャパンが結果を出すのが一番早いのですが、そこだけに頼るわけにはいきません。選手も、トレーニング等に差し支えない範囲でメディア露出を積極的にしていく必要があると思います。選手は、当たり前に、やるべきことをやった上で露出を増やしていくのは大変です。でも、みんなで女子サッカーを盛り上げていこうと考えたときに、選手の露出を増やす努力は必要だと思います。

—確かにそうですね。私も、昔、雑誌の見開きに大竹姉妹が掲載されていた記事で、大竹七未さんのことを知りました。そうやって、メディアに出ていくことは大変ですが重要なことでもありますね。

重要なのは「女子サッカーを盛んにするために」

大竹–当時は引退した後に、メディアで活動する女子サッカー選手がいませんでした現役生活の最後の方で「女子サッカーを盛んにするためには、メディアへの露出が必要」と、マネジメント事務所から声をかけていただきました。引退直後に解説をお願いされたのが、多分、最初のお仕事だったと思います。最初からリポーターではなく解説だったと思います。

女性解説者の先輩がおらず試行錯誤しながらお仕事を始めました。どうやれば良いのかわからなかったのですが「思うことを言ってくれれば良い」「自分の持っているサッカー観と選手視点を大切にしてください」とテレビ局の方に言っていただいたので、最初は、現役時代に把握していた選手の特徴を大切にして解説のお仕事をさせていただきました。

一所懸命に、そのときにできることをやっています。解説する前の準備、選手の最近のプレーの確認……全てやっているつもりです。いつも放送後に「こう言えばよかったな」とか「なんで、あそこでこれを言わなかったのだろう」「違う言い回しがあったな」と思っています。「これで良かったな」と満足したら、そこまでで成長が止まってしまいます。だから「これが最高だった」と思う放送は一つもないです。

—大竹七未さんのサッカー解説は、ご自分で満足されていなくて、進化し続けている印象です。

大竹–今のプレーに満足したら成長は止まる……私は選手のときからずっとそうです。ベストを尽くしているつもりですが、毎回、もっとできるという向上心の積み重ねでやってきました。プレーの場合は、監督の指示の範囲の中で、自分の思うようにやって、そこにチームメイトが合わせてくれる。けれど、解説はそうではないです。中心にあるのはピッチ上の選手のプレーです。プレーに合わせて話さなければなりません。

—現役時代のプレーに対する考え方の延長線上に解説のお仕事もあるのですね。

大竹–現役時代というよりも、何でもそうですが、努力を怠ったら終わりじゃないですか。満足してしまったら、そこで終わりです。ただサッカーと同じなのは同じ局面がないところです。「あの選手のプレーにこう言ってあげれば良かった」と思っても、タイミングを逃したら、そのシーンは流れていってしまいます。もう、同じシーンは2度と来ないです。そこは、解説の難しいところですね。

 

何を見せるのか? 求められる対応力

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