初の厳しい決断 プレナスなでしこリーグ1部とWEリーグ参入に挑む NGUラブリッジ名古屋 代表取締役 弁護士 堀田崇さん インタビュー
NGUラブリッジ名古屋の運営は2021年2月1日に、運営法人を特定非営利活動法人LOVELEDGEから株式会社LOVELEDGEに移管されました。2021年シーズンに、初めてプレナスなでしこリーグ1部で戦うNGUラブリッジ名古屋は25名の精鋭となりました(2021年3月1日現在)。一年前の選手数が32名ですから、かなりの減少です。なぜ、このような陣容になったのでしょうか。株式会社LOVELEDGE 代表取締役 弁護士の堀田崇さんに、クラブの方針や大きな決断について、お話をうかがいました。
とにかく、今、NGUラブリッジ名古屋は積極的な取り組みが目立ちます。大胆なエンブレム変更、ユニフォームのイメージ一新、さらに選手の素顔を見せる「ファンサロンアプリFANTS」の開設。練習の狙いや監督の考える方針も説明し、ファンだけではなく、指導者が見ても参考になるコンテンツを充実していく方針です。
名古屋グランパスジュニアレディースとしてジュニアチーム発足をルーツとして26年。地道に活動してきたNGUラブリッジ名古屋は、どのようなクラブなのでしょうか。まずは、そのあたりのお話からです。
堀田—当初のNGUラブリッジ名古屋は、任意団体の名古屋FCレディースとして活動。NPO法人LOVELEDGEに変更しプレナスチャレンジリーグに昇格。そして株式会社LOVELEDGEとなって、プレナスなでしこリーグに昇格することになりました。それぞれのステージに合わせてチームの形を変えてきました。
ここまでは地道に特定の企業に頼らず愛知県リーグから一歩ずつ着実に登ってきました。選手の育成に多くの力を注いできたクラブです。株式会社化しても、アカデミーには今まで通りに力点を置いて尽力。さらにトップチームにも力を入れていきます。
愛知県の女子サッカーの課題を解決してきたNGUラブリッジ名古屋
堀田—女子サッカーの競技人口が増えない根源は、小学生で一所懸命にプレーした選手が、中学生年代で所属クラブ・チームを見つけられずプレー環境を失うことでした。高校生年代になると有力な選手が愛知県外のより良い環境を目指して出て行ってしまうこともあります。NGUラブリッジ名古屋では、U-12、U-15、U−18、トップチームと一貫して選手を育成しています。それでも、正直なところ、なかなか愛知県内に女子サッカーが根付かない難しさがあります。
—愛知県内の高校年代の選手は県外のどこへ行ってしまうのでしょうか?
堀田—やはり、全日本高等学校女子サッカー選手権への憧れがとても強いですね。今年の決勝戦でも、NGUラブリッジ名古屋出身の選手がプレーしています。そういう姿を見ているので、愛知県内の女子中学生にも「全国大会に出場できる高校に進学したい」という気持ちが強いです。彼女たちには、藤枝順心高校、大商学園高校、常盤木学園高校等の強豪校に進学したいという希望があります。
—名古屋市は関西圏にも静岡県にも近いので選手を供給する地域になってしまいがちですね。しかし、プレナスチャレンジリーグからプレナスなでしこリーグ1部に昇格したことで、選手を引き止める大きな意味があると思いますが、いかがですか?
堀田—それでもなお、高校女子サッカーへの憧れは強いです。愛知県の高校にも強い学校も出てきていますし、ラブリッジのトップチームの選手として出場することを目指してほしいのですが。
—ジュニア年代のプレー環境を提供するという点では、NGUラブリッジ名古屋は長きに渡り愛知県内の穴を埋めてこられたのですが、高校生年代は、まだ穴を埋めきれていないのですね。
堀田—そうですね。現在、名古屋市内の高校との提携を進めています。高校の女子サッカー部としても、ラブリッジのU-18としても、ともに全国大会に出場し、勝てるチームを作ることを目指した提携です。
2021年シーズンからエンブレムを変更し気分一新
堀田—株式会社化に伴って変更しました。単色に近いデザインに簡素化することで判りやすく、そして展開をしやすくしました。デザインモチーフはラブリッジの「L」それに愛知県の「A」も取り入れています。愛知県の県鳥の「コノハズク」が羽を広げて羽ばたく形になっています。クラブ名には名古屋という名前がついていますが、愛知県に一つしかないプレナスなでしこリーグのクラブですし、クラブの持っている大きな可能性を踏まえでデザインました。大きな目標をイメージしています。もしプレナスなでしこリーグで優勝したら、傾きを変えてビクトリーの「V」にします。優勝の翌年は、このエンブレムを「V」に見える角度に変更して使用するつもりです。
ユニフォームも一新し、色使い、デザイン、形状に特徴あるものになっています。
—愛知県知事訪問、名古屋市長訪問をされていますが、これまでもされていますか?
堀田—トップチームの訪問は、私が関わるようになってからは初めてです。プレナスなでしこリーグ1部昇格の報告をする訪問で、好意的に受け止めていただきました。大村愛知県知事は事前に、これから対戦するプレナスなでしこリーグ1部のクラブを調べていただいていたようで、訪問したら「今年は厳しい戦いになりますね」と言われました(笑)。「おっしゃる通りです。」とお答えしました(笑)。関心を持っていただけているようでした。新聞にも訪問を掲載していただいたので記事を見たという反響を多くいただきました。
—SDGsへの取り組みもされていますね。
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