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「安藤先生」と呼ばれて 筑波大学体育系助教に就任された安藤梢さんインタビュー

筑波大学の卒業生で体育科学博士の安藤梢さんが2021年31日に、母校・筑波大学の助教に就任しました。2021WEリーグプレシーズンマッチ開幕を前に選手兼助教が誕生したのです。

安藤梢さんが就任されたのは、筑波大学体育系の助教。筑波大学体育専門学群では体育・スポーツ・健康に関する最新の科学的研究結果を生かしながら、指導力と活力に富む、豊かな人間性を持った指導者の養成を目指しています。

日本女子代表ではFIFA女子ワールドカップドイツ2011優勝メンバー、1.FFCフランクフルトではUEFA女子チャンピオンズリーグ優勝メンバー。競技者として世界の頂点を極めた安藤梢さんが、なぜ、研究者の立場で新たな挑戦をすることになったのか? それとも、これは新たな挑戦とは異なることなのか? 気になる疑問をぶつけてみました。赤いゲームシャツに身を包んだ安藤梢選手とは一味違う、スーツ姿の安藤梢さんのインタビューをご覧ください。

提供:安藤梢さん

小学生のときに目指したのは早稲田大学人間科学部助教授だった加藤久さん

インタビューの前に、もう一つ……加藤久さんをご存知でしょうか、京都サンガF.C.強化育成本部長です。Jリーグ以前の日本代表を最終ラインで支えた1980年代を代表するディフェンダーでした。読売クラブでプレーしながら1991年に早稲田大学人間科学部助教授に就任。加藤久さんは、プロ化され初の公式戦となった1992年のJリーグヤマザキナビスコカップをプロ選手兼助教授として迎えた文武両道の人です。

所属する浦和レッドダイヤモンズレディースが2020プレナスなでしこリーグで優勝。年が明けて助教になられた上でWEリーグに臨むというのが、見事に加藤久さんと重なりました。卒業された筑波大学、栃木県立宇都宮女子高等学校は名門校です。安藤さんは、なぜ、学問もサッカーも、そこまでできるのですか?

安藤(笑)「できる」とかではないのですが……小学生のときの文集が出てきました。自分でもびっくりしたのですが「カズみたいにドリブルで活躍できる選手になりたい」「世界で活躍する選手になりたい」と書いてあるのに加えて「加藤久さんのように勉強もしっかりとやって先生にもなりたい」と書いてありました。

私は、安藤梢さんが、偶然、加藤久さんと重なる道を歩むことになったのだと思い込んでいました。実は、それは小学生のときから安藤さんが意図して進んだ道だったのですね。

安藤小学生のときに、ちょうどJリーグが始まったので、加藤久さんのような文武両道の選手になりたいと思っていたようです。それと、当時は、女の子がサッカーをするのは珍しかったです。小学校でも中学校でも、校長先生に頼んで男子の部活に入れてもらっていました。自分が認められるためにも勉強ができなければならないと考えていたような気がします。

無意識のうちに「何でもできるようになろう」と思っていたのかもしれませんね。

安藤そのような気がします。周りに認められてプレーしたいという気持ちがありました。それと、負けず嫌いなところもあって、勉強でもサッカーでも一番になりたい、いっぱい宿題のできたシールをもらいたい、一番良い学校に行きたい、といった気持ちだったと思います。

目の前にぶら下がっているタイトルは全てとる、みたいな感じですね(笑)。

 

憧れの山口香先生みたいになりたい

安藤助教になるには、大学側に必要とされるポストがあるかというタイミングもあります。博士の学位を取得したのは2018年です。たまたまWEリーグの前に、助教になるタイミングがあったのです。このタイミングは狙って得られることではありません。教授から「安藤さんだからできることがあるから頑張れ」と言っていただいきました。若い先生から「一緒に頑張りましょう」と言っていただきました。良い先生ばかりでありがたい環境です。助教になるにあたって、最初は「自分でできるのだろうか」という不安がありましたが、そのような周りのあたたかい声のおかげで自分らしくやっていこうと思えるようになりました。

安藤さんの書かれた「サッカー戦術技能の達成度評価のためのコンピューター適応型テストの開発」は、どのような論文だったのですか?

安藤簡単にいうと。サッカー選手の戦術技能のものさしを作りました。戦術がどれだけできているかは、なかなか測れません。そこで、測定項目を作り、項目反応理論というものを用いたコンピュータ適応型テストを適用して戦術テストを開発しました。このように、自分の経験を研究に落とすことと、逆に、研究から学んだことをサッカーに生かす。その両方をやれていました。

 

安藤色々な先生に、多種多様なアドバイスをいただいて学んできました。たまたますれ違ったときに「頑張っているね、サッカー」と声をかけていただいて、はじまった会話の中でもらうアドバイス、ちょっとしたことでも……。

例えば200メートルの先生に「先生、200メートルのコツは何ですか?」と聞くと「最後の直線の前に『抜く』んだよ」とか言われます。「『抜く』って何ですか?」と話して、それを理解します。そういうことがサッカーのシュートに生かされます。100%のスピードでやっているのですが、ちょっと『抜く』みたいな感覚です。それをサッカーに取り入れると、自分も変われる。

自分の人生の中で響いてくる言葉が多いです。自分も、こういう人たちみたいになりたいと思いました。今は、近くに山口香先生(筑波大学大学院准教授、JOC理事、元柔道世界女王)がいます。会って話をするだけで人間の器の違いに圧倒されます。自分にとって山口香先生の存在は大きいです。山口香先生みたいになりたいという憧れがありました。とても素敵な方です。尊敬しています。

チームでは先輩選手、大学では新入生のような感じ

筑波大学の方とお話しすると安藤さんは「安藤先生」と呼ばれていているようで、敬称は「先生」なのですね。私が聞いても緊張します。

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