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ご出産、復帰、昇格、再びなでしこに挑む!  元なでしこジャパン 加藤(旧姓:川村)真理選手の #女子サカ旅

自己紹介をお願いすると「どういうふうに自己紹介すれば……。」と前置きした上で、加藤真理選手は「一度、サッカーをやめたのですが……。」と切り出しました。その自己紹介は、ご結婚、ご出産を軸にした、サッカーのキャリアの紹介でした。加藤真理選手……旧姓・川村真理選手とお伝えした方が、ご存知の方が多いかもしれません。

福岡J・アンクラスに所属していた2013年シーズンにアルガルベ杯で日本女子代表初出場。その年にジェフユナイテッド市原・千葉レディースへ移籍。3シーズンをプレーした後、2015年シーズンに引退。福岡県で、ご結婚され、ご出産されました。2018年シーズンに福岡J・アンクラス(当時:九州女子サッカーリーグ2部)で現役復帰。最短でプレナスなでしこリーグ2部に昇格を果たしたため、2021年シーズンは、久しぶりの「なでしこ」です。

米国女子代表のモーガン選手のように、欧米にはご出産後もプレーを続ける代表選手が多くいます。日本では、ご出産後に日本女子代表に復帰して話題となった宮本ともみ選手が、現役を引退してから9年が経ちました。その間、日本女子代表にご出産経験のある選手は、誰一人、登録されていません。プレナスなでしこリーグでは岩清水梓選手(日テレ)が復帰を目指してトレーニングされています。

加藤真理選手は、なぜ引退し、なぜ復帰し、次に何を目指しているのでしょうか。これまで明かされなかった心境、そして、このインタビュー取材を経て芽生えた、新たな気持ちを語っていただきました。引退直後の忘れられない不思議な旅の思い出も併せてご覧ください。

 

「今なのかな?」と思い引退しサッカーから離れた生活を2年間

加藤(出産して復帰したプレナスなでしこリーグの選手は)なかなかいないですね。自分がプレーできているのは、福岡J・アンクラスに関わってくださる皆さんが理解してくださっているからです。私は、こういうクラブが福岡にあるということを発信していきたいです。だから、いつも、初対面の方、久しぶりにお会いした方に福岡J・アンクラスと私のことを伝えるようにしています。

加藤さんが引退されたときは、日本女子代表入りして2年くらい……上り調子の時期だったので驚きました。

加藤(日本女子代表は)上手い選手がたくさんいる中で難しいと感じていました。引退に関してはタイミングですね。自分の中で「今かな?」という感じでした。小さいときからサッカーをやってきているので、サッカーをやめることを考えたことがありませんでした。でも、初めて「今なのかな?」と思いました。引退した後は、サッカーを全く見ませんでした。本当にサッカーから離れた生活を2年間もしていました。だから、復帰するまでルールが変わっていたことを知りませんでした(笑)。 

提供:福岡J・アンクラス

家族の理解があったから復帰できた

かつてはプレナスなでしこリーグ1部でプレーされていた加藤さんに復帰要請を出されたとき、福岡J・アンクラスはプレナスなでしこリーグから降格して九州女子サッカーリーグ2部でした。どのように受け止めたのでしょうか?

加藤あまり(ディビジョンが)どこというのは思わなかったです。「最短で昇格したいから」という話に目を向けていました。やるからには、上にあげないと、という気持ちでした。

サッカーを全く見ない毎日を送られていたのですから、福岡J・アンクラスからの復帰要請には驚いたのでは?

加藤そうですね。声がかかったときは、子供が1歳になる手前でした。私は妊娠中のつわりがひどくて、ほぼ横になっている生活をしていました。体力が落ちていたし体重も増えていたので、話を聞いてから悩みました。最初に監督に「身体が戻るか判りません」と言いました。

でも悩まれたということは、復帰を拒絶したわけではないのですね。

加藤そうですね。拒絶はしなかったかな。それでも一人ではなかったので、夫、夫の家族の了解、子供の面倒を見てもらわないといけないので……家族の理解が必要でした。ただ、了解は思ったよりもすんなり(笑)。私の両親は、何をやりたいと言っても解ってくれるかなと思っていましたが、夫の両親に伝えるときは、ちょっとどうかな?って(内心)思っていました。多分、夫に「どうやって(夫の両親に)言ったらいいかな?」って相談していたんじゃないかな。夫の両親に言ってみたら「頑張って!」みたいな反応でした。

 

ご出産後はサッカー観や視点が変化

加藤今思えばですが「(あのとき)やめて良かったのかな」と思うときもあります。あのとき、やめずに、ずっと現役を続けていたら「自分自身だけのサッカー」になってしまっていて、客観的に見たりできなかったかもしれません。一度、やめて、自分の身体を一から作ることで、今の自分があると感じます。

もしかすると、お子さんがいるから視点が変わったということはありますか?

加藤それはありますね。チームメイトには年齢が一回り違う子もいます。そういう選手を可愛いと思えるようになりました。「育てる」という感覚になることもあります。「(私が)これをしたら良い方向にいくのか、悪い方向にいくのか?」と思うときもあります。

サッカー観やサッカーとの関わりも変わりましたか?

加藤一度、やめる前は、ガムシャラに突っ走るプレーをしていました。今は、プレーしながら客観視できる自分があります。引退してインターバルがあったことがプラスになっていると思いたいです。復帰したことで、改めてサッカーが好きなのだと思えましたね。みんなでサッカーをするのは楽しいと思います。

提供:福岡J・アンクラス

コンデションが整う前に急遽の復帰戦へ

練習に復帰したときはどうでしたか? 

加藤ピッチレベルで、みんなが練習しているのを見たとき、久しぶりすぎてスピード感が「怖いな」と思いました。最初は5分も走れなかったです。体重が増えていたので、走ったら、何かを担いでいるような感じでした。それどころか、関節という関節が痛くて、ウォーキングから始めたといっても良いくらいです。「私、大丈夫かな?」からでした(笑)。

元々、九州女子サッカーリーグ2部への私の復帰は夏くらいを予定していました。ところが、チームメイトの怪我等があって、急遽、開幕戦に出場することになりました。それまで、対人プレーの練習もしていなくて、私はずっと別メニューの練習でした。だから「これならいける」みたいな練習での手応えもなく、いきなり試合がスタートしました。まだ身体が出来上がっていないので、対戦相手への対応ができません。「何のために私はピッチに立っているの?」という状態でした。印象に残っているのは……悪いことです。頭では「この子はこうする」と解っているけれど身体がついていかなかったことをよく覚えています。

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