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2021WEリーグプレシーズンマッチとは何なのか? 女子サッカーは何が変わり何を変えようとしているのか?【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】

4月29日(木・祝)にゼットエーオリプリスタジアムで開催されたジェフユナイテッド市原・千葉レディースと大宮アルディージャVENTUSの試合は、横殴りに雨が叩きつける中で開催され、0−1で大宮アルディージャVENTUSが初勝利を収めました。肌寒いほどの悪天候でした。それでも、ファン・サポーターは熱い眼差しでピッチを見つめ、拍手で選手を後押ししていました。得点は前半のアディショナルタイム。坂井優紀選手(大宮V)が、コーナーキックから高い打点のヘディングシュートを叩き込みました。これが決勝点となりました。

大宮アルディージャVENTUSが嬉しい初勝利

「前半のラストプレーで、あのコーナーキックを凌いでいれば全然違ったゲームになっていたと思うので、もったいなかったと思っています。」と、林香奈絵選手(千葉L)が悔やむ、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースにとっては痛恨の失点でした。確かに、90分を通じて、大宮アルディージャVENTUSに崩されてゴール前にボールを運ばれたことは一度もなかった試合です。「あの失点さえなければ」と振り返る気持ちは理解できます。

猿澤真治監督は「早く点が取りたいという焦りの中でボールがズレるなど、仕方がないと言えば仕方がないのですが、もう少し落ち着いてやれればと思います。」と、試合全体を振り返りました。高い位置でボールを奪った後、もう一呼吸だけでもボールを前に運んでシュートを打てば、という場面でも、早めにシュートを打ってしまうシーンが目立ちました。やはり、久しぶりの試合ですので試合勘が鈍っているところは、致し方がない気がします。

事実、別の試合でも(4月24日浦和駒場 浦和 1−1 マイ仙台)楠瀬直木監督(浦和)が「様子を見て入ったつもりでしたが、選手たちは仕掛けを早くし、早く点を取りたいと思っていたように感じました。」、(4月24日JG堺S1 I神戸 3−0 AC長野)星川敬監督(I神戸)が「公式戦という雰囲気が作られた試合運営の雰囲気で浮足立ってしまった選手もいた」と振り返ったように、久しぶりの試合では落ち着いて試合をコントロールすることができず、本来のクオリティの試合を、スタンドのファン・サポーターに提供できなくなってしまうことが見られます。9月のWEリーグ開幕がぶっつけ本番にならず、こうして4月から2021WEリーグプレシーズンマッチが開催されることは、試合勘の調整という意味で、一つの救いともいえます。

「自分が得意とするセットプレーで源間選手から良いボールが入ったので、合わせるだけでした」坂井優紀選手(大宮V)

仕掛けが早い千葉L

この試合で、特に目立ったのはジェフユナイテッド市原・千葉レディースの仕掛けの速さです。高い位置でパスをカットすると、ボールを止め持ち直すことなく、ダイレクトで前線の選手に長めの縦パスを付ける選手が多いです。これが、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの守から攻への切り替えの速さを生み出します。しかし、まだ、コンビネーション不足、そして、パスの受け手の選手が適切なポジションに走ることができないシーンが見られます。このダイレクトの縦パスが繋がるシーンが増えると、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースにとって大きな武器になると、筆者は予想します。

「内容でも課題の残る試合だった」と固い表情で語った林香奈絵選手

「内容でも課題の残る試合だった」と固い表情で語った林香奈絵選手(千葉L)

大敗のN相模原、初勝利の大宮V

さて、ここまで6試合の結果を振り返ってみましょう。

4月24日(土)JG堺S1
I神戸 3−0 AC長野

4月24日(土)浦和駒場
浦和 1−1 マイ仙台

4月25日(日)デンカS
新潟L 6−0 N相模原

4月29日(木・祝)オリプリ
千葉L 0−1 大宮V

4月29日(木・祝)佐久
AC長野 1−2 新潟L

4月29日(木・祝)ギオンス
N相模原 1−5 浦和

ノジマステラ神奈川相模原が2試合で合計11失点しているところが目を引きます。新チームである大宮アルディージャVENTUSは初戦で初勝利。アルビレックス新潟レディースは連勝しています。

課題、挑戦、兆し……2021WEリーグプレシーズンマッチとは?

まだ、全チームが試合を消化していませんが、2021WEリーグプレシーズンマッチとは何なのか?何が変わり何を変えようとしているのか?を筆者が探りました。

プレシーズンマッチならではの課題

タイトルマッチではなくプレシーズンマッチだということで、多くのチームは、全ての課題を練習で解決した上で試合に臨んだわけではなさそうです。監督が予想よりも課題の重さを感じたものもありそうです。

戦術の未徹底

先程のジェフユナイテッド市原・千葉レディースの試合でも見られるように、監督が選手に授けた戦術が、まだ徹底されておらず、試合を巧く進められていないシーンが散見します。例えば(4月24日 I神戸 3−0 AC長野)成宮唯選手(I神戸)は「ビルドアップの部分で相手が前からプレッシャーをかけてきた中で、状況が変わっても、いるべきところにしっかりとポジションを取り続けなければいけなかった。」と語っています。対戦相手の小笠原唯志監督(AC長野)も「(選手は)INAC神戸の選手の威圧感だったり、スピード感だったり、重量感を感じている。」と振り返りました。いわゆる「練習と試合では全然違う」というところです。練習では巧くとれていたポジションだけれど、試合で対戦相手のプレッシャー受けると、同じようにポジションをとれない。お互いに、まだ戦術の徹底が足りなかったことが、この試合で分かったようです。

コンディションの均一化

これは、特に、なでしこジャパン(日本女子代表)に招集された選手の多いチームで目立ちました。なでしこジャパン(日本女子代表)は、4月8日()にユアテックスタジアム仙台でパラグアイ女子代表戦、4月11日()に国立競技場でパナマ女子代表戦を行いました。また、それに先立ち、週間に及ぶ長期のトレーニングキャンプも行っています。招集された選手たちは、一足早く試合に臨むフィジカルコンディションを整えていました。

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