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WEリーグの目指す姿を大宮Vのファン・サポーターが示した一戦。大宮V0−1S広島R

2021WEリーグプレシーズンマッチで、筆者が最も取材に行きたかった一戦が5月8日(土)にNACK5スタジアム大宮で開催されました。対戦カードは大宮アルディージャVENTUSとサンフレッチェ広島レジーナ。いずれもJリーグの下部で結成された新チームです。どのようなチームなのか?どのような試合運営をされるのか?どのようなファン・サポーターが集まるのか?WEリーグが目指す未来が見つかるのか?……試合結果は0−1でサンフレッチェ広島レジーナが勝利しました。

試合前に立った鳥肌、これが大宮アルディージャVENTUS

それは、試合開始以前のことでした。いつものJリーグのように、いつもの時間帯に先発メンバーの紹介が始まったのです。かかった曲は「特攻野郎Aチーム」のテーマ曲。1980年代にアメリカで放送されたテレビドラマシリーズの勇壮でちょっとクラシカルな曲です。この曲は、大宮アルディージャのホームゲームがNACK5スタジアム大宮で開催されるようになって以来、ずっと選手紹介に使用されてきた曲です。それが当たり前のように大宮アルディージャVENTUSのホームゲームでも聞こえてきたのです。そして、これまた当たり前のように、イントロが始まると瞬時に大きな手拍子が始まりました。その瞬間、筆者は鳥肌に襲われる感動をしました。

NACK5スタジアム大宮では、ピッチ上でプレーする選手が男であろうと女であろうと関係なく、オレンジのユニフォームに袖を通せば大宮アルディージャ。ここには大宮アルディージャのサッカーが息づいているのです。

井上綾香選手(大宮V)、増矢理花選手(S広島R)

WEリーグが用意した最高のトリオ

WEリーグは、この試合に最高の審判トリオを用意しました。バックスタンド側副審は坊薗真琴さん、メインスタンド側副審は手代木直美さん。主審は山下良美さん。つまり東京オリンピックのサッカー競技を担当する審判員です。現在の日本の女子サッカーにおいて、最高の審判員を、この重要な一戦に用意していたのです。そして、試合では、その審判技術を見事に発揮。選手や観客にストレスが溜まりそうな場面は一つもありませんでした。山下良美さんが、やや危険なタックルに対する注意をしたところ、注意を受けた選手が大きな声で「ごめんなさい!」と謝り、スタンドがドット湧くシーンもありました。

状況に応じて選手の並びが変わる布陣

大宮アルディージャVENTUSは442の布陣ですが、攻撃時には424の並びになることもあり、前からのプレッシャーを心掛けるサッカーです。有吉佐織選手は中盤の左でスタートしましたが、後半には、やや重心を後ろに変更しました。

サンフレッチェ広島レジーナは登録上433の布陣です。しかし、小川愛選手をアンカーとした4141に近い選手の配置になることもあり、選手には、かなりハイレベルなミッションが与えられていることが見受けられます。また、プロ選手に対して基本的な話で恐縮なのですが、パスを受ける身体の向きがどの選手も適切で徹底されており、パス回しがとてもスムーズです。

両チームとも、これまで男子の指導をしてこられた監督が指導しているということもあって、プレナスなでしこリーグとは違う、おそらくWEリーグのサッカーが色濃く表現されていました。

有吉佐織選手「少し消極的な入り方をしてしまったことが敗因につながった反省がある。」

主導権を握ったのはサンフレッチェ広島レジーナ

前半の大宮アルディージャVENTUSはなかなかボールの奪いどころが作れませんでした。特に、小川愛選手への対応が曖昧だったため、小川愛選手経由で、サンフレッチェ広島レジーナは左右に大きくボールを動かしました。岡本武行監督(大宮V)は「前半は非常にもったいない試合をしてしまったので、私自身も反省しなければいけない」と振り返っています。

得点は35分に上野真実選手(S広島R)。松原志歩選手から放たれた右からの速いクロスを上手く合わせてダイレクトでゴールに打ち込みました。「プレッシャーの中でミスする回数も多く危ないシーンもあった」と、特に後半を振り返った上野真実選手は足を痛めて途中交代。ただ今後に問題となる怪我ではないとのことで、5月11日からなでしこジャパン(日本女子代表)候補 トレーニングキャンプ(Jヴィレッジ)に参加します。

上野真実選手「はがせる部分もあったので自信を持ってやっていきたい。」

筆者の目に留まった選手を紹介

スタンボー華選手(大宮V) この試合では、前への飛び出しの速さを2度、披露しました。悔しい失点でしたが、全体的にはサンフレッチェ広島レジーナを封じ込めた印象があります。ダイレクトでの大きなパスも見事。

大熊良奈選手(大宮V) 大きなサイズの選手なので、S広島Rは高さを警戒していたようです。しかし、実際のプレーは浦和レッドダイヤモンズレディースでプレーしていたときよりも裏に抜ける役割が増えた印象があります。強さよりも躍動感を感じます。前からプレッシャーをかける守備でも力を発揮しました。

中嶋淑乃選手S広島R) オルカ鴨川FCではドリブルを特徴として得点を量産していた選手です。この試合でもヌルヌルとしたドリブルからクロスを入れるプレーが多くありました。しかし、予想以上に、パスを受けるためのディフェンスラインの裏へ抜け出そうとする仕掛けが多いです。ポジションは、タッチライン際が多いです。

増矢理花選手S広島R) 長い距離のドリブルはほとんどありませんでしたが、後ろからのパスを急反転しながら受ける動きで、何度もスタンドを沸かせました。堅実で素晴らしいプレーをする選手が多いチームの中で、発想の面白さが光り輝いていました。

誰かが始めた、Jリーグで培った選手にとって心地よい空間作り

85分に、おそらく一人の大宮アルディージャVENTUSサポーターが始めたチャントのリズムの手拍子が徐々に広がり、87分にNACK5スタジアム大宮を包む大きなうねりとなりました。

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