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東京オリンピック 子育て中、アレックス・モーガン選手は来日できるのか? 【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは2021年5月7日に「大滝麻未選手 妊娠のお知らせ」を発表しました。ツイートでは「まずは元気に出産できるサポートをクラブで行って参ります」とクラブの姿勢を表明しました。多くの選手、関係者が、SNSで、大滝麻未選手の応援、お祝いのメッセージを発信しています。

筆者がなでしこリーグの冠スポンサーの担当者をしていた2006年〜2007年は、妊娠した選手は多くの人に知られることなく、祝福も目立たず、ひっそりと選手登録から姿を消していました。今、大滝麻未選手の妊娠のニュースには、あの頃が信じられないお祝いムードが生まれています。とはいえ、ご本人には葛藤があったようです。このようにコメントされています。

「昨年のシーズン中、『子どもが欲しいから来年は引退』と、当然のように決めていた私が、周りにいる沢山の理解者に、妊娠・出産をして復帰するという選択をしていいんだということに気づかせてもらうことができました。」

いつか、妊娠・出産をして復帰する選択が葛藤不要の当たり前になり、女子サッカー選手誰もが、大好きなサッカーをご出産後も続けられる社会になっていくことを筆者は願います。

大滝麻未選手 提供:ジェフユナイテッド市原・千葉レディース

WEリーグは世界に先駆けて、いわゆる「産休」の制度を取り入れました。そして、既にWEリーグは、各参加チームに対して、スタジアムでの「託児所の確保」を義務付けています。これは、ご出産された選手やスタッフの活躍を支援することを強く意識した取り組みです。ここ数年、企業内保育所のような従業員の子育て支援を導入する企業が増えています。しかし、その恩恵を受けられるのは、ごく一部の恵まれた企業で働く従業員のみ。多くの家庭は、子育てと仕事の両立に苦心されています。WEリーグの参加チームは、小さな企業規模ですが、率先して「託児所の確保」を実施することで、地域の子育て環境を改善するトップランナーになろうとしています。プロスポーツチームには、社会を動かす影響力があるのです。WEリーグを真似して、育児支援制度を整備する企業が現れれば、それはなんと素敵なことでしょう。

岩清水梓選手(東京NB)がピッチに戻ってきた

2020年月3日に第1子となる長男をご出産された岩清水梓選手(東京NB)が、2021年5月8日にピッチに戻ってきました。2021WEリーグプレシーズンマッチのジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦で先発出場したのです。約1年9カ月ぶりの試合で、まだ試合勘のところに課題。相手のスピードの見極めをできず自分の想定内のところで試合を運べないところもあったようですが「ピッチに立たせてもらって、まずは自分としては一つ収穫かな」とのこと。9月のWEリーグ開幕には十分に間に合いそうです。

加藤真理選手(福岡AN)は200試合出場

そして、一足早くご出産後に復帰されていたのは福岡J・アンクラスの加藤真理選手。2015年シーズンで引退したものの、ご出産後の2018年シーズンに現役復帰。200試合出場の節目となったつくばFCレディース戦(2021年5月2日)を、自らの得点で祝いました。

「試合中は、全員でタスクを声掛け合いながら、集中して戦うことができたと思います。その中で、2得点できたことは本当に嬉しく思いますし、今後も得点に絡むプレーを続けていきたいと思っています。」

加藤真理選手が牽引する福岡J・アンクラスはプレナスなでしこリーグ2部の首位を走っています。ただ、ここまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。インタビュー記事をご覧ください。

ご出産、復帰、昇格、再びなでしこに挑む!  元なでしこジャパン 加藤(旧姓:川村)真理選手の #女子サカ旅

子育て中、アレックス・モーガン選手は来日できるのか?

サッカー女子代表モーガン1歳娘の東京同行不可に抗議 母としての心境告白」という記事が日刊スポーツに掲載されました。ご存知の通り、日本政府、東京都、大会組織委員会は、東京2020大会(東京五輪)の海外からの観客受け入れを見送る方針を決めています。

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