【サッカー人気5位】ゲーム形式で対3バックチームに対する守…

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大宮Vに希望をつなげる86分の大拍手そして幻のオリンピックとカフェを追う 大宮V0−4東京NB【女子サカの街を訪ねて】

86分に植木理子選手(東京NB)が、得意のカットインから得点を決める。これで0−4。残り時間は4分しかない。諦めムードがスタンドに漂い、多くの人が、試合終了を待たずして席を立つ展開……のはずでしたが、この日のNack5スタジアムは全く違いました。ボールがセンターサークルに戻る前に湧き上がった大きな拍手。腐肉なことに、4失点を経験することで、選手の気持ちを奮い立たせる大宮アルディージャVENTUSサポーターの価値が顕在化することとなりました。この拍手に後押しされてから、迷いが吹っ切れたかのように、大宮アルディージャVENTUSの選手たちは、前がかりに攻撃を開始。日テレ・東京ヴェルディベレーザのゴール前に攻め入りました。アディショナルタイムは大宮アルディージャVENTUSの怒涛の連続攻撃となりました。

なぜ大宮Vは主導権を握れなかったのか?

しかし、予想以上の力の差を感じる0−4。試合後、スタンド前を一周する大宮アルディージャVENTUSの選手たちは悔しさを隠すことができませんでした。ただ、同時に、86分以降のようなアツい雰囲気の中でプレーできた喜びも、表情から漏れ伝わってきました。

20分までは、大宮アルディージャVENTUSが試合を支配しているように見えました。大宮アルディージャVENTUSの選手たちは、激しく体を寄せて、日テレ・東京ヴェルディベレーザのパスワークを封じました。中を絞り、ボールが外に出ると囲い込む守備です。なぜ、日テレ・東京ヴェルディベレーザにとって苦しい立ち上がりになったのか?そして、なぜ20分以降に日テレ・東京ヴェルディベレーザは支配を取り返したのか、中盤のキープレーヤーである北村菜々美選手(東京NB)に聞くと、意外な答えが返ってきました。「ベレーザ的にはポジションはあまり変わっていないと思います。」つまり、日テレ・東京ヴェルディベレーザは攻略のため、試合中に大きくやり方を変えることはありませんでした。ピッチで選手が状況を把握しながらプレーを続け、大宮アルディージャVENTUSが、それに対応しきれなくなったようです。

北村菜々美選手

対する小嶋ひかる選手(大宮V)は、このように語りました。「90分間、前からプレスを掛け続けることは体力的に厳しいです。つ止まる時間、つ下がる時間など状況に応じて話し合いながらチームで統一してやれているので、もっと上手くプレーで表現できたらと思います。」、右サイドの井上綾香選手は「最初は前から行こうと話をしていました、試合が進むと下がってしまいました。もっと前からチャレンジできれば……。」と悔しさを感じるコメント。

井上綾香選手

前半の途中で、一気に流れが変わり、日テレ・東京ヴェルディベレーザ30分の先制点の後は一方的な試合展開になったことから、大宮アルディージャVENTUSの戦術の成熟度、そして対戦相手へのピッチ上での対応力が、まだまだであることが露呈した感があります。9月のWEリーグ開幕までに解決すべき課題です。

ひときわ怖いストライカーになってWEリーグを迎える植木理子選手

FIFA女子ワールドカップ フランス2019の直前、そして2020年シーズン後半の度重なる怪我に泣かされてきた植木理子選手が、怖さを増して返ってきました。ゴールネットに突き刺すヘディングシュートを皮切りに3得点のハットトリック。「今年はWEリーグが始まるので、プレシーズンマッチでも去年の分まで結果を出したいという気持ちが強かったです。ゴールを決められたことは自信にも繋がりました。」と喜びを語ってくれました。会見の表情まで精悍に変身し、ひとまわり大きな選手になったように感じます。多くの先輩選手が移籍し、新生ベレーザを牽引する役割となった植木理子選手。WEリーグでさらに成長し、日本を代表するストライカーへの飛躍が期待されます。

植木理子選手

東京NBの強さは本物か?

竹本一彦監督は「代表合宿などがあってまだコンビネーションが徹底されてはいないので手探り状態」だと言います。左から、植木理子選手、小林里歌子選手、遠藤純選手の配置で始まったスリートップは、試合中のベンチからの指示で、何度も配置を入れ替えました。4バックでスタートした最終ラインは、岩清水梓選手が途中交代で入ってからは3バックに(といっても、清水梨紗選手が上がって最終ラインは2枚の時間が長かった)。まだ、ポジションが固定されていないようです。それゆえ、2021WEリーグプレシーズンマッチでは、まだチーム作りの途中経過を披露しているに過ぎないといえるでしょう。

竹本一彦監督

当初は、移籍選手が多くチームがどのように形成されるのだろう?と不安視する意見もありましたが、その心配はいらないようだ、ということまでは断言できそうです。特に、菅野奏音選手の成長著しいプレーは、スタンドのファン・サポーターの目を引きます。

もっとも日本らしさを感じられるスタジアム

皆さんは、外国人に1つだけ日本のスタジアムを見せるとしたら、どのスタジアムを見せますか?筆者は、迷わずNack5スタジアムを見せるでしょう。

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