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FC東京のルヴァンカップ プレーオフステージ進出で会場が変更 味フィ西でS世田谷が我慢の勝利

2021プレナスなでしこリーグ1部は前半の折り返しの第11節。これで対戦が一巡します。2021年6月5日に北区にある味の素フィールド西が丘で対戦したのはスフィーダ世田谷FCとNGUラブリッジ名古屋。ここまで共に、個性を発揮して上位に進出。注目を集めたチームです。

そして、この試合は、もう一つの理由で注目されました。当初の試合会場は、スフィーダ世田谷FCの地元・世田谷区にある駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場だったのですが、直前に変更になったのです。理由はFC東京がJリーグルヴァンカップ プレーオフステージ進出により駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場を同日に使用することを希望したからです。実際に、前述の通り試合会場は変更となり、当日は味の素フィールド西が丘でスフィーダ世田谷FCが試合を行い、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場でFC東京が試合を行いました。

今回は、この試合の結果と、試合会場の変更についてお伝えします。

スフィーダ世田谷FC

リーグ後半戦で伊賀FCくノ一三重に挑戦するのはチーム

ご存知の通り、2021プレナスなでしこリーグ1部の首位を走るのは伊賀FCくノ一三重です。8勝2敗で勝ち点24。得失点差は+20ですから、圧倒的な強さと言って良いでしょう。

折り返しの第11節で伊賀FCくノ一三重への挑戦権を持っているのは3チームに絞られました。2位の日体大FIELDS横浜は、豊富な運動量と団結力で躍進しています。3位はスフィーダ世田谷FC。4位のニッパツ横浜FCシーガルズは、緻密な監督采配に加えて強力なストライカーを2人要する陣容で接戦をモノにしてきました。スフィーダ世田谷FCは伊賀FCくノ一三重と勝ち点差4。ニッパツ横浜FCシーガルズは勝ち点差6。これ以上は、離されるわけにはいきません。 ※2021年6月5日現在

素晴らしいピッチコンディションで試合は行われた

スフィーダ世田谷FC1−0NGUラブリッジ名古屋

さて、話を戻して2021プレナスなでしこリーグ1部 第11節 スフィーダ世田谷FC NGUラブリッジ名古屋です。試合結果は1−0でスフィーダ世田谷FCが勝利しました。好チーム同士の対戦ということもあって、両チームともにコンパクトな陣形で試合を進め、中盤の凌ぎ合いが続きました。60分過ぎに、疲れからか、ややスペースが広がり、ディフェンスラインの押上げが遅れ始めたのを見計らって、スフィーダ世田谷FCは中山さつき選手を投入(63分)。78分に、中山さつき選手が、ディフェンスラインの裏に走り込み、弧を描いたスルーパスを受け、抜け出しました。見事なボールコントロールでした。ディフェンダーと競り合いながら、ゴールキーパーの動きをよく見て、ゴール右隅に流し込み、待望の先制点をゲットしました。

決勝点は、小柄だがパワフルなプレーで魅せる中山さつき選手

 神川明彦監督(S世田谷)は、試合をこのように振り返りました。

「苦しい試合展開の中、選手たちは持てる力を全て出し切り、戦い抜いてくれました。心から感謝しています。後半戦は、2週間後のホーム・セレッソ大阪堺レディース戦で幕を開けます。第3節で苦杯を喫した相手。チーム一丸となって、しっかりと準備してまいります。」

試合を終え、監督・コーチと勝利の喜びを分かち合うS世田谷の選手たち

観客数の面では少なからず影響があった味フィ西開催

この日の観客数は309人でした。昨年のプレナスなでしこリーグ1部で最も観客数が少なかった愛媛FCレディースの平均観客数が364人。それと比べて、23区内という条件を考えると、かなり淋しい数字です。同じ23区内とはいえ、世田谷区にある駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場から味の素フィールド西が丘へ地下鉄で移動する約時間15分を要します。やはり観客数の面では少なからず影響があったのではないでしょうか。

ユニフォームの着用比率が高いS世田谷サポーター

「譲ってあげて、結果的には良かったかな?」

当日、ユニフォームを着た3人のファン・サポーターに意見を聞いてみました。

「世田谷のチームとしては、できれば世田谷でやらせてあげたいです。最初は『FC東京なんで!?』という気持ちもありましたが、この間のAGFフィールドの試合でFC東京のサポーターさんが『スフィーダ世田谷FCに会場を譲ってもらったからお礼に応援に来た』という人がいました。それを見て『譲ってあげて、結果的には良かったかな?』って、今は思っています。FC東京のサポーターさんが『ありがとう』って思ってくれているならば良いのかな。」(佐藤さん)

「西が丘の方が(駒沢よりも)試合を見やすいので(笑)前向きに捉えています。言いたいこととしては、両チームが同時にリリースを出してほしかったです。お互いのチームが納得しているのであれば、持ちつ持たれつだと思います。協力関係でうまくやってほしいと思います。」(山崎さん)

「自転車で行けるか電車で行くかの違いですね。全然、気にしないです。試合を見られるなら良いです。中止や開催日変更は困るけれど……。でも、ここ、よく空いていたよね(笑)。」(関さんご夫妻)

一方、FC東京の試合が開催されていた駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場では、スフィーダ世田谷FCの試合のチラシが配布されていました。スフィーダ世田谷FCは、会場変更と引き換えに、新たな顧客候補と接触するチャンスを得られたようです。

試合をできる環境さえあればサッカーは成立する

この試合だけを見れば、観客数の伸び悩みの原因となったことは否めません。しかし、トータルで見れば、スフィーダ世田谷FCにとってプラスになったかもしれません。そして、あたたかな手拍子(ハリセン)のスフィーダ世田谷FCサポーターの応援を聞けば、会場がどこであろうと、試合をできる環境さえあればサッカーは成立する、ということを改めて感じました。もしかすると、また将来、似たような状況に陥る女子サッカーチームが現れるかもしれません。そのときは、今回の例を振り返って見習ってもらえれば良いのではないかと、筆者は思います。

(2021年6月6日 石井和裕)

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