元なでしこジャパンは、なぜプレナスなでしこリーグの首位を快走するのか? 杉田亜未選手(伊賀)の #女子サカ旅 は琵琶湖の絶景
杉田亜未選手は、神奈川県のご出身。大和シルフィードU-15でもプレーしています。高校時代までは年代別日本女子代表に選出経験がありませんでしたが、FC吉備国際大学Charmeでプレーすると、そのプレーに注目が集まり、2013年9月になでしこジャパン(日本女子代表)に初招集。ここから杉田亜未選手のサッカー人生が大きく変わり始めます。卒業後は伊賀FCくノ一三重に加入。なでしこジャパン(日本女子代表)での初出場は2014年5月の2014AFC女子アジアカップです。ここから、ご自分でも広がる可能性を感じ、一気に目標が大きくなりました。目指したのは「世界」です。最後に招集されたのは2017年6月の国際親善試合(オランダ女子代表/ベルギー女子代表)。しばらく、「世界」との接点が離れましたが、今でも、なでしこジャパン(日本女子代表)に選ばれたい、杉田亜未選手の気持ちは変わっていません。そして、今でも、その実力を有しています。現在は2021プレナスなでしこリーグ1部でプレー。第11節を終えて9勝2敗。首位を走っています。
ハードワークの伊賀FCくノ一三重でプレー
杉田—伊賀FCくノ一三重はハードワークをして、がむしゃらにプレーするスタイルです。パス回しをしているだけではなく、縦への速さが他のチームにはない面白いところだと思います。大嶽直人監督の考えは新しいというか……就任直後の練習は縦に速すぎて戸惑いました(笑)。今は、ゴールを決めることから逆算して考え、ボールをシンプルに運ぶことがベストだと考えてプレーしています。何年もやり続けることで、このサッカーの面白さを実感できています。魅力的なサッカーです。
—杉田亜未選手が、伊賀FCくノ一三重に加入する理由は何だったのでしょうか?
杉田—FC吉備国際大学Charme在学中にオファーをいただき、練習参加しました。既にFC吉備国際大学Charme時代に(当時も大嶽直人監督の)伊賀FCくノ一三重と対戦していて、ハードワーク、球際の強さを感じるチームでした。自分も、当時は、がむしゃらなプレーだったので、自分のプレースタイルに近いと感じました。
—当時のFC吉備国際大学Charmeは前へ前へというサッカーで大学日本一になりましたね。
杉田—ちょっと似ている部分があったと思います。
「自分はまだまだ」相手を圧倒できるようにしていきたい
—2021プレナスなでしこリーグ1部は、もうすぐ折り返し地点です。ここまでを振り返って、満足できる前半戦でしょうか?
杉田—まだまだ満足は出来ません。ファンの方は「余裕で勝っているよね」と言ってくださったりするのですが、余裕で勝てている試合はありません。相手も強い気持ちで戦っています。お互いに、バチバチとぶつかり合っています。局面の勝負どころで、相手の対策を打開しきれずに「自分はまだまだ」と思うことがあります。チームに対してよりも、自分に対して不満がありますね。
—リーグ戦は2巡目に入ると対戦相手が研究して臨んでくるので、対策を上回る必要がありますね。今シーズンは、縦への速さだけではなく、ポゼッションも、どうしても必要になってくると思うのですが、ここまでいかがですか?
杉田—自分はサイドで細かく繋ぎながらゴールを目指すことをやりながら模索しています。割と出来ていると感じていますが、課題は「最後の質」ですね。ゴール前での工夫はもっと必要です。
—確かにポゼションを出来てしまう試合が増えましたが、最後にゴールを奪うため、最後は、縦へのスピードアップが必要になりますね。
杉田—今年は、去年と対戦するチームが違います。対戦してみないと、相手のことがわからない部分がある。だか、自分たちのやりたいことを、いかに芯をブラすことなく出来るか、それが大切になります。
立ち上がりの時間帯は「相手はどのような感じでやってくるのだろう」と見ながらやることになりますが、この時間帯はどちらに転ぶか判らないところがあります。この時間帯で、自分たちが、いかに得点に繋げられるかは、良い流れを取るために重要だと思います。
—第5節の大和シルフィード戦で杉田亜未選手のアシストがありました。ダイレクトのパスですが、左右斜めに大きくボールが動きました。ゴール前で、あのような繋ぎをするサッカーを、今シーズンは目指しているのではないかと思いましたが、いかがですか?
杉田—あのようなディフェンスラインの裏への斜めのパスは得点に結びつきやすいです。自分がサイドのポジションのときも、ディフェンスラインの裏を狙って、味方に要求しています。
—逆に、上手くやれていないところはありますか?
杉田—最近は後半に得点を取れていません。疲れた時間帯に、プレーの質を上げて、もう一押しすることが重要です。後半で追加点を取って、相手を圧倒できるようにしていきたいです。チャンスで決め切れないと、試合は相手のペースになってしまいます。
—前半で複数得点を取れた場合は「無理に後半も攻めて、自分たちが疲れなくても良いのでは?」という見方もあるのですが、伊賀FCくノ一三重の選手の皆さんは、後半も得点を重ねていこうとする考えなのですか?
杉田—2−0で折り返したときは、まだ逆転される可能性がありますし、もう一押しが必要だと思います。後半の得点は大事なので、伊賀FCくノ一三重は追加点を取りにいきます。
今は三重県に貢献したい
—2021WEリーグプレシーズンマッチが行われています。一方で、以前にお聞きしたお話では、伊賀FCくノ一三重はWEリーグ参入を目指していますね。杉田亜未選手は、WEリーグについて、どのように感じていますか?
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