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「この選手が出たら何かが起こりそう」ラッキーガール塩越柚歩選手の軌跡と全発言

2021年6月18日、東京20202とMS&ADカップに臨む、なでしこジャパン(日本女子代表)メンバー18人が発表されました。一際注目を集めたのは塩越柚歩選手です。なでしこジャパン(日本女子代表)での出場は、わずかに2試合です。「ラッキーガール」と言う見出しが踊りました。

さて、塩越柚歩選手は、これまでどのように歩んできた選手なのでしょう。この記事では、前半で塩越柚歩選手のこれまでを振り返ります。そして、後半では「三菱重工浦和レッズレディース なでしこジャパン(日本女子代表)メンバー選出の会見」での発言を全文書き起こししました。ご自身を、どのように語ったのか、じっくりとご覧ください。

「技術の高い繋ぎ役」が「怖い選手」になるまで

塩越柚歩選手は浦和レッズレディースユースからトップチームに昇格した選手です。2016プレナスなでしこリーグ、2017プレナスなでしこリーグでは、コンスタントに出場しレ。特に大きな特徴を感じることのない「技術が高くどこでもできそうな繋ぎ役」という印象であったことを筆者は覚えています。足元のテクニックは、当時から素晴らしかった。しかし「自分の色を強く打ち出すことを躊躇していた」のかもしれません。

一躍、脚光を浴びたのは、左膝半月板損傷の手術後のリハビリ明け。2019年の皇后杯 JFA 第41回全日本女子サッカー選手権大会準決勝戦での大活躍でした。菅澤優衣香選手と、縦関係のツートップを組みます。スピードに乗ったドリブルを使い積極的にボールに絡み、激戦を勝利する立役者となりました。

明けて2020プレナスなでしこリーグでは18試合に出場し3得点。優勝を決めた第16節の愛媛FCレディースでは、22分に前へ運ぶドリブルから力強いミドルシュートをゴールに叩き込み、浦和駒場スタジアムのスタンドを熱狂させました。

磨きをかけたプレーはバイタルやディフェンスラインの裏のスペースで動きながら巧みにボールを受けるプレー。密集の中を運ぶドリブル、強烈なミドルシュート。2020プレナスなでしこリーグの塩越柚歩選手に、もはや「技術が高くどこでもできそうな繋ぎ役」の印象はありませんでした。むしろ、浦和レッドダイヤモンズレディースが「塩越柚歩選手ありきのサッカー」を採用したように感じます。基本のポジションは菅澤優衣香選手の下の左側。浦和レッドダイヤモンズレディースがボールを保持している時間は、中央の菅澤優衣香選手に近い位置からタッチライン際まで幅広く、ボールの位置に合わせてポジションを流動的に取ります。そして、もう一つのポジションとも言えるのは右の中盤ポジション。一つの試合の中で、何度か、左右……しかも高さも役割も違うポジションを取ることがあります。このポジション変更が、対戦相手の守備陣を苦しめました。「どこにでも顔を出せる怖い選手」の塩越柚歩選手を武器に、浦和レッドダイヤモンズレディースは圧倒的な強さで優勝しました。

 10月になでしこジャパン(日本女子代表)初招集

浦和レッドダイヤモンズレディースが優勝に向け前進する2020年10月19日に、塩越柚歩選手はなでしこジャパン(日本女子代表)候補トレーニングキャンプに招集されます。なでしこジャパン(日本女子代表)としては7ヶ月ぶりの活動再開です。もし、もっと早くトレーニングキャンプが開催されていたとしたら、おそらく塩越柚歩選手は招集されていたかもしれませんが、結果的に、東京2020メンバー発表の直前の秋になでしこジャパン(日本女子代表)に滑り込むことになりました。

以降、なでしこジャパン(日本女子代表)に名を連ねてきました。月の国際親善試合は2戦とも出番なし。2021年6月10日のウクライナ女子代表戦でなでしこジャパン(日本女子代表)初出場。2得点を記録しました。

ウクライナ女子代表戦後の高倉麻子監督は塩越柚歩選手について、このように評しています。

「去年から成長を見せていて、国内リーグではミドルシュート、中盤のプレーに非常に良いものを持っています。積極的にプレーするように伝えました。シュートを狙ってほしいということを伝えました。緊張感があったと思いますが、よく攻撃に絡んで得点という結果を出してくれました。彼女自身も良かったと思っていると思います。まだまだ積極性は物足りなさを感じます。受動的ではなく、自分で発信する強さを持っていないといけません。」

この試合の翌日、浦和レッドダイヤモンズレディースのチームメイトでもある菅澤優衣香選手は、塩越柚歩選手の得点について、このように振り返りました。

1点目のシーンでは、特に声がかかったわけではなかったのですが、塩越選手ならあのポジションに上がってきているだろうと思ってスルーして、そのとおりそこにいてくれました。柚歩のプレーはなんとなく分かるので、どのようなスペースを空けたら柚歩が使うか、どのタイミングでパスが来るのかが分かる、やりやすさがありました。」

いつも、一緒にやり慣れているからこその阿吽の呼吸からのスルー。今回、発表された東京20202とMS&ADカップに臨む、なでしこジャパン(日本女子代表)メンバー18人に、浦和レッドダイヤモンズレディースから4名の選手が選出されているのは、塩越柚歩選手にとって心強いところです。特別なことをせずとも、共通意識でボールを動かすことができるでしょう。ただ一方で、他の所属クラブの選手とのコンビネーション、ボールを要求するアピールは、高倉麻子監督の言う「まだまだ積極性は物足りなさを感じます」なのかもしれません。

菅澤優衣香選手、池田 咲紀子選手、南萌華選手、塩越柚歩選手の4名が浦和から選出された

 なでしこジャパン(日本女子代表)ではフォワードでのプレーも

2021年6月15日の記者会見で塩越柚歩選手はメキシコ女子代表戦を振り返りました。塩越柚歩選手は、フォワードのポジションでプレーしています。

「合宿を重ねるにつれてプレー一つ一つに余裕が出てきました。それで自分のプレーの幅が広がります。自分のプレーを出しやすくなりました。

メキシコ戦はツートップで入りました。ツートップといってもブチさん(岩渕真奈選手)と組んだので「ブチさんが動き回って、自分が真ん中で起点になるように」と言われました。普段、チーム(浦和)でやるときは(菅澤)優衣香さんが真ん中にいてくれて、自分が周りを動きて掻き乱すみたいな感じが多いです。メキシコ女子代表戦は慣れない立ち回りでした。けれども、こういうポジションも出来ると思って(監督に)やらせてもらっていると思うので、こういうプレーも期待されているという自信に繋がりました。これからの自分のオプションに繋がったと思います。

(監督に)求められたプレーを100%出来たかというと、そうではないですが、局面では自分らしさを出せたと思います。」

東京2020に向けて、喜びの声を全文書き起こし

ここまでの振り返りが長くなりました。お待たせしました。「三菱重工浦和レッズレディース なでしこジャパン(日本女子代表)メンバー選出の会見」で、塩越柚歩選手は何を語ったのでしょうか。ここから全文書き起こしでご紹介します。 ※他選手に関するコメントを除く。

「東京オリンピックのメンバーに選出していただきました。自分自身、ここまでこられると思っていなかったのでびっくりしていて時間が湧かないのですけれど、親も喜んでくれて、周りの方からのメッセージが来ている中で実感が湧いてきました。素直に嬉しい気持ちと、日本を背負って戦う責任と覚悟を持って頑張りたい気持ちです!

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