シティ・フットボール・グループ(CFG)パートナーシップ部門セールスマネージャーから見たWEリーグの溢れる魅力(前篇)そして「僕ら男性が変わらなければならない」
今回は、マンチェスター・シティFC率いるシティ・フットボール・グループ日本法人でパートナーシップ部門セールスマネージャーを務める西脇智洋さんにWEリーグの魅力、そして、これからのブランドのあり方について、お話をうかがいました。まず、初めに筆者から申し上げておきたいことは「ここまでのWEリーグの活動は素晴らしい」ということです。何が素晴らしいのかは、西脇さんのお言葉をお借りして説明していきます。
本題に入る前に、西脇さんが所属するシティ・フットボール・グループの紹介をしておきましょう。シティ・フットボール・グループは10つのクラブから成立している「マルチクラブ戦略」かつグローバルな企業グループです。
マンチェスター・シティFC(イングランド)*
ニューヨーク・シティFC(アメリカ)
メルボルン・シティFC(オーストラリア)*
横浜F・マリノス(日本)
モンテビデオ・シティ・トルケ(ウルグアイ)
ジローナFC(スペイン)*
四川九牛(中国)
ムンバイ・シティFC(インド)
ロンメルSK(ベルギー)
トロワAC(フランス)*
このうち4つのクラブ*が女子部門を持っています。近賀ゆかり選手と吉良千夏選手が、過去にメルボルン・シティFCでプレーしています。
今回のインタビューは前篇、後篇に分かれています。次回の後篇では、WEリーグが起こすと効果的な次の「アクションのアイデア」「プレナスなでしこリーグの営業にも役立つパートナーシップの構造」を西脇さんと筆者で話し合っています。最後までお楽しみください。
Yogibo、X-girl、DAZN
西脇–Yogibo(日本国内販売事業他を行う株式会社ウェブシャーク)がタイトルパートナーに就いてくださったのは、凄く良かったですね。WEリーグのビジネス側の骨格が見えてきた感じがします。YogiboとWEリーグは親和性があると思います。カラフルで女性向けの商品です。クッションはアクティベーションしやすそうですね。早速、選手がクッションに座って記者会見をしていました。ああいう演出は良いですよね。YogiboはSDGsと女性進出の問題に一緒に取り組める相手を探していたという話ですから、考え方がフィットする会社をWEリーグは迎えられたと思います。
—X-girlについてはいかがですか?
西脇–結構、凄いですよね。「そうきたか!」と新鮮な驚きを感じています。振り切っている感があるし、今後の展開が楽しみです。
WEリーグは、パートナー、サプライヤーの力を借りながら、彼らのアクティベーションによってWEリーグのブランドとしてのポジショニングを確立していくことが良いと思います。パートナー、サプライヤーの選定は大事ですね。Yogibo、X-girl、DAZNという選定は100点に近いと思います。DAZNとのパートナーシップを活かして、国際的なネットワークにも、WEリーグは入っていってほしいです。
Jリーグ、Bリーグとの違いをどのように出すか?
西脇–日本は女子サッカーの世界チャンピオンを生み出した国です。しかし、ビジネス観点で言うと、失礼な話と聞こえてしまうと申し訳ないのですが、僕自身は競技力がWEリーグのUSP(競合優位性)だと思っていないです。JリーグがありBリーグがあり、様々な娯楽コンテンツがある中で、WEリーグの一番の強みは「社会課題を解決すること(Women Empowerment)をビジョンとリーグ名称に置いている」ことです。
僕は、パートナーシップを販売するにあたって戦略を考えます。「組織としての戦略性・独自性があること」がパートナーシップの戦略に生かされます。マンチェスター・シティFC率いるシティ・フットボール・グループの例で言うと「マルチクラブ戦略」をとっています。グローバルなアイコンとしてのマンチェスター・シティFCも販売出来ますし、インドにローカライズしたアセットであるのムンバイ・シティFCの販売もできます。なおかつ、個人肖像の販売もできて、企業側のニーズに即したパートナシップ・パッケージを組むことが出来ます。これは、我々の組織上の戦略、マルチクラブ戦略によって可能となっています。ですから、レアル・マドリード、FCバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドのような伝統的な(単独)クラブとは違うポジショニングを取ることができます。組織としての独自性が、まずはWEリーグに大事で、今、それが上手く進みつつある印象です。
西脇–これから始まるであろう、タイトルパートナーのYogiboとのアクティベーションは重要だと思います。
Jリーグのタイトルパートナーの明治安田生命を見ると、日本全国でアクティベーションをされていますね。「健康」というキーワードでクリーンなイメージを作り出し、明治安田生命のブランドの認知が格段に上がったと思うのです。
—過去、生命保険会社は「生活設計」「お金」「人の生死」のイメージが強かったです。明治安田生命は「健康」という、全く違う切り口を前面に出してこられて、とても良いアクティベーションを組まれたと思います。Yogiboの場合は、ビジュアルに訴えられる取り組みを出来るのが特徴だと思います。
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