2021.08.27

ホームゲームは強い気持ちで勝たなきゃいけない林香奈絵選手（千葉Ｌキャプテン）の #女子サカ旅

2021年08月27日 8時00分　
カテゴリ：インタビュー • 選手インタビュー
タグ : WEリーグ • ジェフユナイテッド千葉 • ジェフユナイテッド市原・千葉レディース • 大学女子サッカー • 女子サッカー

Ｙｏｇｉｂｏ WEリーグ開幕直前。今回は、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースのキャプテンを務める林香奈絵選手のインタビューです。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースのＯＧや指導者のお話をうかがうと「努力の事例」として林選手のお話が出てくることが多いです。そのため、筆者は林選手のことが、ずっと気になっていました。遅咲きの林選手が、なぜプロ契約できたのか、どのようなキャプテンを目指しているのかをたっぷりと聞いています。最後まで、ぜひお読みください。

目標に向かって成長しジェフユナイテッド市原・千葉レディースへ

林–私は一言で「遅咲き」……まだ、今も咲いていないですけれど（笑）。中学、高校も名門の学校に行っていませんし、大学でちょっと頑張ってジェフ・レディースに出会うことができて加入しました。加入してからも苦労して、やっと今のキャプテンに辿り着きました。

—おそらく大学生でグーンと伸びたのだと思いますが、何が、その原因だと思いますか？

林–大学１年生のときにユニバーシアード代表の候補合宿に呼ばれました。私は最終選考で落ちてしまいました。でも、２年生、３年生のときに最終選考を突破することができました。ユニバーシアード代表という目指すものが明確にあったので、それに向かって、コツコツと努力を積み重ねたことが重要だったと思います。目標があることは大切ですね。好きなだけでは、なかなかやり続けられないです。

—大学からジェフユナイテッド市原・千葉レディースに加入してからは大変でしたか？

林–３年目までは、ベンチ入りはしても出場機会がない、もしくは負けている状況で出場するような選手でした。でも「ジェフ・レディースが好き」ということが変わらなかったので、腐らずにプレーし続けました。今考えると、凄く大事な期間でしたね。

ポジション変更が大きなきっかけでした。１年目はサイドバックやサイドハーフで出場しました。２年目はフォワードでも出場しました。ポジションを点々としていました。３年目の最初は、全く出場のチャンスがありませんでしたが、練習のときにサイドバックからセンターバックでプレーすることが多くなっていきました。最終ラインで全体を見るポジションなので、ここで頭の整理をしてサッカーの理解が進みました。心構えも変わりました。自信ついて強みを出せるようになりました。

大学のときはサイドでプレーしていたので「積極的な攻撃」が自分の良いところだと思っていました。それを、もっと打ち出していこうと思っていたときのセンターバック起用だったので「自分の強みをセンターバックで出せるのだろうか？」と当初は思っていました。でも、当時の監督に「ゴール前の壁になれると思う」と言われ、やっていくうちにシュートブロックやボール奪取を強みにしていけると思えるようになりました。自分は、人に言われたことを簡単に否定せずに受け入れるタイプだと思うので、攻撃したい気持ちを持ちつつも「センターバックで輝いてやる」という気持ちは、すぐに作れました。

以前は成宮唯選手（現：Ｉ神戸）とツートップを組んでベレーザと戦った試合もあったんですよ。今じゃ考えられないですけれど、本当に、そういう日があったんですよ（笑）。

—今は、センターバックへのコンバートを受け入れて良かったと思いますか？

林–良かったと思います。指導者のアドバイスを受け入れられる気持ちの部分が、私のストロングポイントですね。

—センターバックをやっていく上で、参考にしたプレー、選手はいましたか？

林–センターバックを始めて１年目はファールが多かったです。相手がボールを隠していても取りにいってファールしてしまうことが多かったのです。中澤佑二さん（元：横浜Ｆ・マリノス）は、ほとんどファールしないですね。中澤さんのプレー動画を見て、参考にさせていただきました。ヘディングや対人の強さはもちろん中澤さんの特徴です。でも、ボールを奪うときと、奪わないけれどゴールを守るときの守備の使い分けが特に上手いと思います。中澤さんの真似するようになってから、自分のディフェンスのやり方が変わりました。私には、中澤さんという目指す選手がいたので、それが、上手くなるのに、とても良かったのだと思います。

魅力あふれるジェフユナイテッド市原・千葉レディース

林–私がジェフ・レディースを好きになった理由ですか？ファミリーの雰囲気です。大学生のときにジェフ・レディースと練習試合をしました。これまでに練習試合をしたどのクラブよりも、ジェフ・レディースは雰囲気がアットホームだと思いました。厳しさの中に暖かさがあり、明るいファミリーの雰囲気がありました。それが理由です。

今シーズンは若い選手が多いのですが、ユース出身の選手を中心に、このチームの明るさがピッチ内外に現れていると思います。

—新体制発表会のときに、林選手が、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースのＯＧ、三上ＧＭとトークセッションをされていましたね。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの特徴的な取り組みだと思います。

林–今まで、あんな偉大なＯＧと話す機会は、ありませんでした。ジェフ・レディースだからこそ、あのようなトークセッションを実現できたのだと思います。

—ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは他のクラブに対して、オフザピッチの取り組みで一歩先を進もうとされているように感じます。

林–オフザピッチの取り組みに力を入れています。だいたい、週に１回くらいは、選手とクラブスタッフで地域に密着したイベントを行っています。公民館や幼稚園の教室に参加することもあります。大滝麻未選手からアドバイスを受けながら、ジェンダー問題に関する取り組みも積極的に行っています。自分たちが、地域の皆さんのところに出向くことで、地域貢献していけると思います。