8月末は無風のリスタート!?女子サッカーの魅力を伝える手段と切り口はどこに?【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】
東京2020のベスト8敗退。多くの女子サッカー関係者は大きく落胆しました。そして、多くの女子サッカー指導者が、日本の女子サッカーの一員として「何が足りなかったのか?」を自問自答しました。2021年8月27日に、日本サッカー協会は高倉麻子監督の退任を発表。2013年にU-16日本女子代表監督に就任以来、共に歩み続けた日本の女子サッカーが、どのように変化し、どこで変化に踏み切れなかったのかは、これから明らかになっていくことでしょう。トップレベルで指導される指導者・関係者の多くは、この敗退を代表チームだけの問題と捉えず、日本の女子サッカー全般の問題と捉えています。著しい成長曲線が一時停止した私たちは、リスタートを切る必要があります。
全国各地で2021プレナスなでしこリーグ1部がリスタート
リスタートといえば8月28日と29日は、国内女子サッカーのリスタートと言っても良い週末でした。
2021プレナスなでしこリーグ1部が再開しました。長く最下位で苦しむ大和シルフィードは2位の日体大FIELDS横浜に完封勝利。リモートマッチで残留争いに光明を見出しました。「目標はWEリーグ入り」と公言する大和シルフィードにとって、なでしこリーグ1部残留は、どうしても達成しなければならない目標です。
ラストプレーでスタンドが総立ちになったスフィーダ世田谷FCの大一番
スフィーダ世田谷FCは味の素フィールド西が丘に首位を快走する伊賀FCくノ一三重を迎える大一番でした。双方共にコンパクトな陣形で、相手に自由なプレーをさせない試合。中断期間中にWEリーグチームとのトレーニングマッチを行い、自信を深めたというスフィーダ世田谷FCが序盤は試合を支配して28分に先制しました。
対する伊賀FCくノ一三重も、あまりに美しい直線的な縦へのパスワークから西川明花選手がボーレーシュートを決めて同点(41分)。スタンドから大きなため息が漏れるほどのインパクトのある得点でした。このプレーが、なでしこジャパン(日本女子代表)に欲しかった!
56分にPKで逆転した伊賀FCくノ一三重でしたが落とし穴が待っていました。90分+3分に奈良美沙季選手のフリーキックをかろうじてコーナーキックに逃げるも、+4分に、そのコーナーキックから大竹麻友選手が同点ゴール。直後に試合終了のホイッスルが響き試合終了。2−2の引き分けに終わりました。
伊賀FCくノ一三重は2−1でリードした残り時間に攻めるのか時間を使うのか、意思統一が曖昧に見える時間帯がありました。最後のセットプレー時に選手交代があり采配に疑問が感じられました。大嶽直人監督が不在で真島幸生コーチが監督を代行していたこの試合で、もったいない勝ち点ロストです。
2位の日体大FIELDS横浜が敗れ、首位の伊賀FCくノ一三重が引き分けたため勝ち点の差は11。勝ちを逃したとはいえ、伊賀FCくノ一三重は優勝へ、半歩近づいたことになります。スフィーダ世田谷FCは日体大FIELDS横浜に勝ち点差4と迫る4位です。
どうなる静かなWEリーグ!?
なでしこジャパン(日本女子代表)の新監督が、すぐに発表されなくても、Yogibo WEリーグの開幕は迫ってきます。2021年9月12日は歴史に残る1日となるはずです。とはいえ、どのように歴史に残るかについては、関係者の間でも不安の声が聞こえてきます。もしかすると、WEリーグ事務局は東京2020の成功を前提に広報活動を立案していたのかもしれません。目立ったニュースは「WEリーガークレドを制定」「WEリーグアンセムは春畑道哉さんが作曲」の2つでした。
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