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どのチームにもある「伝説の試合」AC長野パルセイロ・レディースの場合……大逆転のINAC神戸レオネッサ戦

男女を問わず、どのチームにも語り草となる「伝説の試合」があります。AC長野パルセイロ・レディースのファン・サポーターに「思い出深い試合は何ですか?」と質問すると、大半の人が、この「伝説の試合」を筆者に紹介します。どれほど凄い試合だったのでしょう。筆者は、サポーターの証言から感じ取ることにしました。そして、同カードは今週末に復活します。

長野Uスタジアムの最寄駅・篠ノ井駅

2016年5月8日 2016プレナスなでしこリーグ1部 第8節

AC長野パルセイロ・レディース 3−2 INAC神戸レオネッサ

AC長野パルセイロ・レディースのコールリーダーを務めるサポーターの小林広通さんは、長野Uスタジアム(南長野運動公園総合球技場)全体の手拍子の音量が凄かったことを鮮明に覚えています。AC長野パルセイロ・レディースが後半に追いつき、逆転する勢いが出たとき、長野Uスタジアムには手拍子が自然発生しました。

今は、太鼓を叩いてゴール裏スタンドからスタジアム全体に手拍子を広げようと奮闘する小林さんですが、あの試合の応援が生み出したとてつもないパワーが、忘れられないと言います。

「あのときのような地面から湧き上がるような手拍子や拍手を再現するのが永遠の目標です。どうすれば、もう一度、あの日と同じような応援を出来るのか、常に試行錯誤しています。」

横山久美選手の右足シュートで同点、國澤志乃選手が逆転ゴール

FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011の世界一メンバー6名を擁するスター軍団のINAC神戸レオネッサ見たさに集まった観客数は6千733人。この年、初めてプレナスなでしこリーグ1部に昇格したAC長野パルセイロ・レディースが、どこまでやれるのか、興味津々に、長野Uスタジアムはオレンジ色へと染まりました。27分に中島依美選手、29分に大野忍選手が連続得点。INAC神戸レオネッサに力の差を見せつけられる前半となりました。

しかし、2失点で劣勢に立たされたAC長野パルセイロ・レディースを後半もファン・サポーターが諦めずに後押し。50分に田中菜実選手が1点を返し、息を吹き返したAC長野パルセイロ・レディースは70分にエースの横山久美選手の右足シュートで同点に。スタジアムは押せ押せムードとなり、81分に國澤志乃選手が3点目。AC長野パルセイロ・レディースが大逆転で3−2の勝利をおさめました。

今も忘れない大切な思い出の試合

お話を聞いた3人の女性サポーターにとっても大切な思い出の試合でした。2021―22Yogibo  WEリーグ第1節をデンカビッグスワンスタジアムにまで応援に行った、もっちさんは「伝説の試合」を詳細に覚えています。「2016年のINAC神戸レオネッサ戦のことだけれど……。」と問えば、間髪入れずに「観客数6千733人の!」と答えます。「あの試合が初観戦だった人は、その後も続けて来ちゃいますよね。」と言うほど、大きなインパクトを残した試合だったのです。

もっちさんと一緒に、2021―22Yogibo  WEリーグ開幕戦をデンカビッグスワンスタジアムにまで応援に行った、えみゅーさんも、この試合に魅了された一人です。今では、ホーム、アウェイを問わず、AC長野パルセイロ・レディースを追いかけています。「あの頃のAC長野パルセイロ・レディースの印象が強く、いまだに『横山』という名前だけが、今も長野市民に知られている面がありますね。」

Kyaorinさんは「伝説の試合」で生活が一変しました。以前は、テレビで日本代表やなでしこジャパン(日本女子代表)の試合を見る程度のサッカーとの関わりでした。ある日、なでしこジャパン(日本女子代表)の試合をテレビで見ていると、横山選手が出場しており、所属チームが「長野」と表示されました。そこで、初めて長野に女子サッカーチームがあることを知ったのでした。

その後、AC長野パルセイロ・レディースが岡山湯郷Belleと対戦した試合をテレビで見て、FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011の世界一メンバーの宮間あや選手が長野に来て試合をすることを知り、女子サッカー観戦に興味が沸きました。

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