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どうする集客!?WEリーグに解消してほしい「3つの不足」【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】

WEリーグが開幕し1ヶ月が経ちました。WEリーグ開幕は、社会にどのようなインパクトを与えたでしょう。関係者にとって期待通りだったのでしょうか。スタジアムの雰囲気はプロ化以前と変わりました。スタンドはポジティブな空気に包まれ、大きな手拍子が選手を後押ししています。

さまざまな意見があります。しかし、残念ながら、当初、サッカー界が期待したほどのインパクトを与えることができなかったと言う声に、残念ながら、筆者は強く反論する勇気を持ち得ていません。開幕戦を終えると、WEリーグは、新聞のスポーツ面では、小さく試合結果を掲載する程度の存在として扱われています。私たちは、この現実から目を背けるわけにはいきません。そこで、筆者は、改めて課題を整理してみました。そして、WEリーグには「3つの不足」が存在すると考えています。

WEリーグ開幕「3つの不足」

  • ①ターゲット層への情報リーチ不足
  • ②スタジアムのコンテンツ力不足
  • ③憧れのヒロイン不足

では、「3つの不足」を解決するために何が必要なのか?次に何をするべきなのか?……今後のWEリーグの発展のために考えてみました。何かのお役に立てばと思います。

①    ターゲット層への情報リーチ不足

WEリーグは若い女性層の来場増を狙っています。これまでの女子サッカーは高齢男性の固定客の比率が高いことが特徴でした。例えば、プレナスなでしこリーグ時代の三菱重工浦和レッズレディースの観客層は約90%がREX CLUB(浦和レッズのファン組織)会員。40~60歳の男性が多いといわれています。男女比率は8:2。それゆえに女子サッカーのスタンドには「高齢の男性ファンが集まる」イメージがあり、女性メディアが女子サッカー(国内リーグ)を取り上げることは、稀でした。

前例の踏襲にとらわれない広報・宣伝を

そのような前提に立つと、従来の広報・宣伝の方法をそのまま踏襲していては、不足している若い女性層に情報を届けることは難しい環境だと感じます。もちろん、東京2020が好成績で終われば、多くの女性メディアが女子サッカーを取り上げたでしょう。しかし、現実は思惑通りには進みません。女子サッカーを巡る環境は、東京2020の開幕前と何も変わっていないのです。

SNSは万能ではない

若い女性層はSNSの世代です。選手は懸命にSNSで発信を繰り返しました。WEリーグ事務局はマスメディアでの露出不足をSNSで補おうと考えていたように感じますが、狙い通りの大きな情報拡散を生み出せなかったように思います。

SNSは大変便利な発信手段で、うまく活用すれば爆発的に情報を拡散することができます。ターゲットをセグメントすることも可能です。しかし、拡散はネタ次第。ターゲット層がSNSで拡散したくなる魅力的なネタを仕掛け続ける必要があります。そして、拡散するSNSのネタ元の多くが、新聞社・雑誌社の発信するニュースやテレビ番組等、さらにはユーチューバーや特定のインフルエンサーからの発信となっています。逆に言えば、それらが取り上げない「魅力的なネタに欠けるSNS発信は、フォロワー間で情報伝達するだけに留まり外に拡散しない」といえます。

WEリーグはSNSを活用した情報発信に、もうひと工夫の仕掛けを加えてほしいです。例えば、選手を絡めて、女性メディアやパートナー企業とのタイアップを積極展開できれば、ターゲット層がSNSで拡散したくなるネタを開発でき、SNSでの広報・宣伝の効果がさらに高まるのではないでしょうか。リーグやクラブ単独での発信には限界があります。是非とも、WEリーグ事務局主導でアクションを起こしていただきたいと思います。

WE ACTION DAYを広報・宣伝に活用すべき

WEリーグは11チーム。試合がないチームは、その日をWE ACTION DAY(理念推進日)とし各チームで理念推進活動を行います(各クラブ年2回)。ホームタウンでの活動に加えて、メディアキャラバンを行ってはどうでしょうか。WEリーグ事務局主導で女性メディアやテレビへの出演交渉を行い、その日に集中的に選手を露出してゆくのです。番組改編期に新番組の宣伝のために、出演する俳優が朝から晩まであらゆる番組に出演するケースがあります。それと類似の手法です。

特に情報番組やスポーツ番組では、選手がスタジオ出演することで、WEリーグの試合結果を短く報じるだけではなく、より長い時間で伝えることができるようになります。このような取り組みは難易度の高い挑戦になりますが、挑む価値はあると思います。

②    スタジアムのコンテンツ力不足

WEリーグの一番の強みは「社会課題を解決すること(Women Empowerment)をビジョンとリーグ名称に置いている」ことです。その評価は高く、多くの人々、パートナー企業から共感を得られています。それは、ただ、お題目を唱えるだけではなく「センサリールーム」設置といった具体的なアクションに結びついています。

しかし一方で、WEリーグはプロスポーツというエンターテイメント産業に位置します。スタジアム内に魅力がなければ、来場者は増えず、ファン・サポーターは育ちません。

サッカーの競技性で勝負するよりも「コンテンツとしての魅力」を

FCバルセロナやMLS等のスポーツマネジメントの世界で活躍され、現在は米国を拠点に活躍されている中村武彦さん(ブルーユナイテッド)は、 #女子サカマガ のインタビューで、このように説明されていました。

「多分、サッカーの競技で勝負すると、女子サッカーは、男子のサッカーと『違うもの』になってしまいます。例えば、バスケットボールのBリーグは最初から『コンテンツとしての魅力』でリーグを発足させています。極論、良いバスケットボールを見たければテレビでNBAを見られます。でもアリーナに来てもらって楽しめるところにBリーグの成功要因があります。」

Bリーグは映像、音響、照明を駆使したアリーナ・エンターテイメントが魅力になっています。NHKで中継された開幕戦で全国のスポーツファンに強いインパクトを与えSNS等で口コミが広がっていきました。

かつてのJリーグにも画期的なコンテンツとしての魅力がありました。Jリーグが立ち上がった1990年代当時のプロスポーツの主役は大相撲とプロ野球。中年以上の男性が酒を飲み、座席に座って会話をしながらグループで楽しむ観戦スタイルが主流でした。ところが、新たに立ち上がったJリーグは、旧来からのスポーツ観戦とは異なる、サポーターによる90分間の応援スタイルを提供。そして、当時は斬新だったお揃いのタオルマフラーやユニフォームでスタジアムに足を運ぶ一体感が、目新しい「コンテンツとしての魅力」となりました。その結果、戦前・戦後から「男性のレジャー」だと思われていたスポーツ観戦を女性やカップルに開放しました。今まで、スポーツ観戦をしたことがなかった層が、大量にJリーグのスタジアムに流れ込み、プロスポーツ観戦に革命が起きたのです。

試合を終えて帰路につくJリーグのファン・サポーター

さて、WEリーグのスタジアムは、十分な「コンテンツとしての魅力」を用意することができているしょうか。「社会課題を解決すること(Women Empowerment)」と「コンテンツとしての魅力」はリンクしているでしょうか。これまでの女子サッカーのスタジアムとの違いを打ち出すことができたでしょうか。現地の様子、SNSでの口コミを見ると、残念ながら、来場者は十分な「コンテンツとしての魅力」を感じていないように見受けられます。

「コンテンツとしての魅力」とは何か?

・Jリーグ:休みなく応援し続け観客も主役になれる観戦スタイル

・bjリーグ:絶え間なく音楽が流れスポーツをエンターテイメント化する観戦スタイル

・Bリーグ:プレー、音響、映像、照明が融合したアリーナエンターテイメントを満喫する観戦スタイル

・Tリーグ:世界に通じるメジャー感

・Xスポーツ:難易度が高い目標への挑戦

いずれも、スポーツそのものと関係の深い切り口から「コンテンツとしての魅力」を増幅して生み出しています。では、WEリーグの良さを生かした切り口とは何か?これまで「女子サッカーの良さ」として多くの選手や関係者から語られてきたことを土台に考えると良いでしょう。

例えば、思いつく女子サッカーのキーワードとして「最後まで諦めない」「頑張る姿」「ポジティブ」といった単語が挙げられます。ただ、東京2020を経て「最後まで諦めない」「頑張る姿」は女子サッカーのイメージというよりも、卓球やバスケットボールのイメージとなりつつあります。そこで、さらにメッセージを強化し、以下のような「コンテンツとしての魅力」を創っていくことを検討してみてはどうでしょうか。

WEリーグ:感謝とポジティブな気持ちを拍手で送り続ける観戦スタイル

WEリーグの試合は、90分間、暖かな拍出、手拍子に包まれ続けています。これは素晴らしいことです。これをさらに拡大し、スタジアムに足を踏み入れたそのときから、ポジティブな気持ちに包まれる空間と時間を提供するのです。

地域の行政、企業、団体、学校等に働きかけ「各種の発表会」「感謝状の贈呈式」「表彰式」等を多数スタジアム内で開催。多くのファン・サポーターの前で実施できるようにします。発表をする人、表彰を受ける人にとっては、スタジアムという大舞台を得られるメリットがあります。ファン・サポーターにとっては、ポジティブな気持ちに包まれるメリットが、チームにとっては地域コミュニティと密接な関係を築くメリットが生まれます。

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