将来の夢は「元サッカー選手が撮るカメラマン」石川くららさんインタビュー
今回は、セカンドキャリアで女子サッカーの発展に貢献したいと考えている石川くららさんのインタビュー記事です。引退した選手は、元の所属チームを、どのように見つめているのでしょうか。
石川さんは、山梨県女子サッカーリーグ1部、FCふじざくら山梨の「第一期メンバー」です。十文字学園大学を中退し、2018年11月に立ち上がったFCふじざくら山梨に加入したのです。しかし、2020年シーズンで石川さんは引退されます。やむを得ぬ事情による短い現役生活でした。
今、石川さんの将来の夢は「元サッカー選手が撮るカメラマン」になることです。女子サッカーへの思いは、引退後の今も全く冷めません。
石川—FCふじざくら山梨は新しいロールモデルづくりをしているチームです。「競技でも一流、社会でも一流であれ」というプレイングワーカーを目指して、選手に、プレー以外でも色々なことを与えてくれました。私は現役時代にチームのSNSを活用するプロジェクトを担当していました。
—そのFCふじざくら山梨を、なぜ引退することになったのですか?
石川—練習中に過呼吸がひどくなり、一度、意識が飛んでしまうことがありました。運動誘発性喘息と血管迷走神経反射と診断されました。この病気のため高いレベルでサッカーをするのが難しくなったのが引退の理由です。今は、普通の会社員として不動産関連の会社に勤務しています。
—大学を中退してまで加入したチームですから、引退のショックは大きかったのではありませんか?
石川—引退直後は、サッカーを見られませんでした。未練や後悔があって、SNSを見るのも避けていました。サッカー以外にやりたいことが分からなくて、セカンドキャリアをどう歩めば良いのかを見つけられませんでした。ある日、セカンドキャリアで輝いている方と出会い、悩みを話して、どうすれば良いのかを教えていただきましたが、もし、一人だったら、どのように歩めば良いのかをずっと見つけられなかったと思います。
突然の一眼レフ撮影デビューから元所属チームの撮影が始まる
石川—2021年4月に、山梨県女子サッカーリーグ1部の開幕戦の試合会場へ行ったとき、サポーターの方が持っていたカメラを私に渡して「撮ってみなよ」と言ってくれました。軽い感じの会話でした。そこで撮ったのが、初めての一眼レフでの撮影です。
—初めて撮ってみて、感想はいかがでしたか?
石川—ワクワクしました。すごく楽しかったです。引退しても、カメラを通して選手やサポーターと繋がれることが嬉しかったです。でも、同じピッチにいるのに選手と私で立場が全然違うのが変な感じでした(笑)。
—撮れた写真はいかがでしたか?
石川—1枚目の写真は覚えていないです(笑)。noteで写真を初めて表に出したところ、ご覧になった方からとても褒められて、思いの外、反響が大きかったです。それが嬉しかったです。「カメラは楽しいな」という感覚を覚えました。
キャプテンの工藤麻未さんから「お金に変えられるよ」と言われました。自分の撮影した写真には価値があると思ってくれたことが嬉しかったです。
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