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新生なでしこカウンターに沈む 0−2敗戦も中盤のポジショニングに収穫あり

就任した池田太監督の掲げるキーワード「奪う(アグレッシブな守備)」が注目されたアイスランド女子代表戦が2021年11月25日にオランダのアルメレで行われました。結果は0−2の敗戦となり「奪う(アグレッシブな守備)」を披露することが出来ませんでした。ただし、良い展開や、これまでとは違うポジショニング(立ち位置・距離感)も存分に見え、収穫のある初陣となりました。

会場 はヤンマースタジアム。味の素フィールド西が丘に屋根をつけたような形状のバックスタンドを有し、メインスタンドから見て左側のゴール裏は仮設の立ち見スタンドに見えます。収容人数4千500人収容のコンパクトなスタジアムです。

注目の新キャプテンは池田咲紀子選手

当日まで明かされなかったゲーム・キャプテンは池田咲紀子選手。これまで長くキャプテンを務めた熊谷紗希選手の出場はありません。また、アイルランド女子代表のスベインディス・ジェーン・ヨンスドッティル選手に対応するために宝田沙織選手を左サイドバックで起用しました。池田監督は、選手のパフォーマンス、組み合わせを見たいと考えて国際試合経験が少ない選手を多く起用しました。

ボランチに長野風花選手と猶本光選手

筆者が注目したのは、これまで強度が課題だった中盤の底です。スタートポジションでは、このポジションを長野風花選手と猶本光選手が務めました。加えて、成宮唯選手、長谷川唯選手で中盤を構成します。

この試合では、FIFA女子ワールドカップフランス2019以前から高倉麻子監督が取り組んできたポジショナルな選手の位置どりが、より明確化されたように見えます。ポジションのバランスを大きく崩すことなく、人だけが入れ替わるイメージです。また、ボール保持時の選手の距離は広く、試合をより大きく展開しようとする意図を感じましました。

ポジションを崩さず、選手が入れ替わる

長谷川唯選手は、試合後に、中盤の選手のポジションについて、このように話しました。

「前半はアンカーの選手をフォワードが見るのかボランチが見るのかというのがありました。ボランチが前に出て自分がそのカバーをする方法になりました。特に(長野)風花とは昔から一緒にやっていてポジションの取り方を共有できている印象があります。どちらがどこのスペースに行くかは、今までの試合よりもできていたと思います。攻撃のところでも、誰が前に出ているのかということの把握は全体でできていたと思います。(これまでは)選手の特徴によっては、少し残っていてほしい場面で前に出て行ってしまって(遅れて)カバーに行くシーンが少しありました。今日はうまく行きました。」

最初ははまらなかった守備を試合中に修正し、なでしこジャパン(日本女子代表)は前半から主導権を握りました。中盤の選手は、見事に意思統一が取れていました。

長谷川唯選手

選手間のコミュニケーションで、精度やクオリティを上げていかなければならない(池田監督)

池田監督は、試合後、ポジションについて、このように説明しました。

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