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コロナ禍が収まったら新たに作ったチャントで選手の背中を押したい マイナビ仙台レディース・サポーター 岩松和徳さん

マイナビ仙台レディースは、WEリーグを快調にスタートダッシュしました。第7節を終えて4勝3分0敗。快調なピッチ上に引っ張られるようにスタンドから聞こえてくる太鼓と手拍子のリズムは聞き覚えのあるアップテンポのリズム。ベガルタ仙台の応援に使われているチャント(応援歌)のリズムでした。

2021年2月に、ベガルタ仙台レディースは譲渡され、マイナビ仙台レディースが生まれました。チームカラーは水色基調(マイナビブルー)に変わり、今、WEリーグを戦っています。クラブは変わった……でも、チャントはそのままなのでしょうか。そんな疑問から、今回のインタビュー取材は始まっています。お話ししてくださったのは、マイナビ仙台レディース・サポーターのコールリーダーの岩松和徳さんです。

岩松和徳さん

東日本大震災を契機に生まれたベガルタ仙台レディース

岩松さんが観戦を始めたのは2004年から2009年……J2時代のベガルタ仙台でした。2009年頃には、応援の中心部で活動するコアサポーターとして活躍し始めました。J1に昇格して2年目の2011年に東日本大震災が発生します。東北地方は未曾有の被害に見舞われました。幸い、岩松さんは大きな被害に見舞われることはありませんでした。

建築関係の仕事をしている岩松さんは、やがて、増え続ける復興関連の仕事に追われ、主に土曜日に開催されるJリーグへ応援に行くことができなくなります。

女子サッカーも東日本大震災の影響を大きく受けます。特に大きな影響を受けたのは福島県のJヴィレッジで活動してきた東京電力女子サッカー部マリーゼです。Jヴィレッジは福島第一原子力発電所に近く使用不能に。東京電力女子サッカー部マリーゼは休部に追い込まれます。

2012年2月1日、休部していた東京電力女子サッカー部マリーゼから所属選手18人を受け入れ、ベガルタ仙台レディースが正式発足しました。なでしこリーグ、チャレンジリーグの開催日は、ほとんどが日曜日です。幸い、日曜日なら休みを取ることができる岩松さんは、ベガルタ仙台レディースの応援を始めることになりました。そして、今、マイナビ仙台レディースの応援をしています。

横断幕「サッカーを続けてくれてありがとう」が応援の原点

ベガルタ仙台レディースはプレナス・チャレンジリーグ2012から始動しました。ホーム開幕戦で多くのサポーターが、選手たちを暖かく迎え入れました。

横断幕「サッカーを続けてくれてありがとう」が掲出された試合です。選手がピッチに入ってきて声を出してスタンドに頭を下げるとき、その姿に心を打たれ「本気で応援していこう」と思いました。下小鶴綾キャプテンの「よろしくお願いします!」の声は強く印象に残っています。

良いのか悪いのか分かりませんが、クラブの立ち上げに2度も立ち会っています。一つはベガルタ仙台レディースの立ち上げ。もう一つはマイナビ仙台レディースの立ち上げです。

ホームゲームでの苦戦も負けないマイナビ仙台レディース

—今シーズンのマイナビ仙台レディースの戦いぶりはどうですか?

岩松–正直……もうちょっとやれるんじゃないかな、と思う部分はあります。チームに親会社ができて、株式会社マイナビが「タイトルを取りに行く」と言いました。本気でタイトルを取りにいっていることが伝わります。大型補強がありました。アンダー年代の世界一経験者も集め、中長期を見据えてチームを作っていくのだと思いますが……ホームで勝てなすぎます。6試合を終えて3勝3分けは物足りないです(このインタビュー後に日テレ・東京ヴェルディベレーザにホームで勝利)。このメンバーならば、もっとやれます。全勝してもおかしくないメンバーだと思っています。

—マイナビ仙台レディースの試合運営はいかがですか?

岩松–サポーターの意見を聞いてくれる柔軟な体制だと思います。まだ始まったばかりなので、解らないこともあると思います。例えば「横断幕をクラブが所有して設置すると思っていた」なんてこともありました。自分は「横断幕は、サポーターが作りたいから自主的に作っているのですよ」と言いました。今は、コロナ禍でサポーターが声を出せません。太鼓とクラップ(拍手・手拍子)しか使えません。もう一つのメッセージ発信手段は横断幕を使ったスタジアムのデコレーションだと思います。ここを、いかにかっこよくして、選手たちを勇気づけるか……。サポーターには、ホームスタジアムの雰囲気を出すことができると思います。マイナビ仙台レディースのサポーターとして、自分が一番こだわっているところです。

フラッパーズ時代を知るサポーターも

—マイナビ仙台レディースのコアサポーターの年齢層を教えてください。

岩松–30代から、上は70代に近いくらいです。合計20人くらいです。他のクラブのサポーター集団と違うのは、最年長の方がずっとこのクラブを見てこられたというところです。YKK東北女子サッカー部フラッパーズ(2004年まで)、東京電力女子サッカー部マリーゼ(2012年まで)、ベガルタ仙台レディース(2021年まで)からマイナビ仙台レディースまで4つのクラブを応援されています。

YKK東北女子サッカー部フラッパーズから東京電力女子サッカー部マリーゼにクラブが継承されたときに応援をどうするのかが課題になったそうです。YKK東北女子サッカー部フラッパーズから応援しているサポーターと東京電力の職員で相談し、東京電力女子サッカー部マリーゼのライトブルーのユニフォームに合わせて川崎フロンターレを模範にして応援スタイルを決めたという話を聞いています。そのうち、サポーターが自分たちで考えてチャント(応援歌)を作って、東京電力女子サッカー部マリーゼの応援が自分たちの応援になったところで東日本大震災がやってきます。そして、ベガルタ仙台レディースが立ち上がります。

そんな経緯もあるので「サポーターが自分たちで考えて自分たちがやりたいことをやらないと選手に伝わらないぞ。」と言われています。その思いを大切に引き継いで応援していきたいと思っています。その最年長の方は「自分が手塩にかけて育てたクラブがどうなるのか、行く末を見たい」という思いで、今も一緒に応援されています。

—年齢が上の方が、どっしりと構えて、応援のスピリッツを伝えてくださるのは良いですね。

岩松–みんなから慕われています。ずっと仲間として応援したいと思っています。今も立って応援されています。今は、千葉県にお住まいなのですが、ホームゲームは、ほぼ毎試合、観戦されています。

ベガルタ仙台のチャントはベガルタ仙台サポーターが使うからこそ輝く

—応援スタイルの特徴を教えてください。

岩松–今は、ベガルタ仙台の応援を、そのまま引き継いでやっています。コロナ禍でなければ、クラブ立ち上げに合わせて自分たちでチャントを作りたかったです。

ベガルタ仙台のチャントはベガルタ仙台のものです。他のクラブが使って良いものではないと思います。クラブがマイナビ仙台レディースになったのだから、ベガルタ仙台のチャントは使えないと思っています。『ツイステッド』を聞いたら、これはもう、ベガルタ仙台の応援なのです。ベガルタ仙台のチャントはベガルタ仙台サポーターが使うからこそ輝くのです。

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