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ヴィッセル神戸×ASハリマアルビオン 男女ミックスタッグで感じたサッカー指導のコミュニケーション

Jリーグのヴィッセル神戸と、なでしこリーグ1部のASハリマアルビオンが提携し、兵庫県西部・播磨地域の小学校で児童向けのサッカー教室を開催しました。プレーの楽しさを伝え、サッカーの裾野を広げる取り組みは、2021年12月6日に高岡小学校、福崎小学校から始まり、今後は姫路市内の小学校を巡回していく予定です。

ヴィッセル神戸 副会長の三木谷研一さんは、この取り組みの意義について、このように話します。

「兵庫県全体のサッカーの底上げが重要です。男子においても中学生になるとサッカーを続けられない子どももいると聞いています。(この提携で)兵庫県内で埋もれている人材を発掘する横の広がりを作っていきます。」

サッカー教室は、ヴィッセル神戸の指導者(コーチ)とASハリマアルビオンの指導者(コーチ)、選手がタッグを組んで行っています。今回は、双方のお話をお聞きして、この新しい取り組みの可能性を探ります。

両チームの指導者と選手が並ぶ 提供:ASハリマアルビオン

まさか!?Jリーグのビッグクラブと一緒にサッカースクール

ASハリマアルビオンの千葉園子選手(元なでしこジャパン)は、2022年4月(予定)に『千葉園子×ASハリマアルビオンドリームプロジェクト』のNPO法人を設立しキッズサッカースクール等を事業化していく予定です。サッカーをしたくでもできない子どもたちに、まずは播磨地域でサッカーの楽しさを伝えていきたいと考えています。

そんな千葉選手も、ヴィッセル神戸とのサッカースクール開催が決定したと聞いたとき、とても驚いたと言います。

「まさか!?ヴィッセル!?INAC神戸レオネッサじゃなくてASハリマアルビオンでいいの!?みたいな感じでした。」

女子ブンデスリーガ1部のMSVデュイスブルクからASハリマアルビオンに加入した髙橋楓姫選手も驚きを隠せなかったと言います。

「びっくりしましたが、嬉しくもありましたね。Jリーグのビッグクラブと一緒にサッカー教室をできるが楽しみでした。」

髙橋楓姫選手とボールに悪戦苦闘する参加者 提供:ASハリマアルビオン

メニュー作りの方法が違ったASハリマアルビオンとヴィッセル神戸

これまでも、さまざまなサッカースクールで指導経験がある千葉選手ですが、ヴィッセル神戸の指導者から得るものは多かったと言います。

「一つ一つのプレーへのこだわりと、子どもの心を掴む声がけが上手で勉強になりました。指導の仕方、ポイントの作り方が私たちとは違いました。初心者の子どもに、どのようにボールの蹴り方を伝えるか……ボールのここを蹴る、足の入れ方、足の面の当て方を具体的に指導していて解りやすいと思いました。『優しく蹴る』だけではなく『どうやったら優しく蹴られるか』を説明していました。これまで私は、初心者が対象だと簡単なメニューしか考えてこなかったのですが、ある程度の難しいことも、指導によってはできるのだと気づきました。例えば、両側からドリブルしてきて近づいたら避けたり、コーンを一緒にドリブルで回ったりするメニューがありました。」

千葉園子選手 提供:ASハリマアルビオン

冒頭に子どもたちの心を掴むヴィッセル神戸の指導者

「ヴィッセル神戸のコーチは、まず、挨拶が段違いでしたね。」という千葉選手。高橋選手も同様に、まず、出だしの挨拶から驚かされたと言います。

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