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女子エル・クラシコで観客9万人の世界記録 コレオで描かれたFCバルセロナ「MORE THAN EMPOWERMENT」とは何か

UEFA女子チャンピオンズリーグの準々決勝セカンドレグが、ディフェンディングチャンピオン・FCバルセロナのホームスタジアム・カンプノウ(10万人収容)で開催されました。対戦するのはレアル・マドリード。女子エル・クラシコです。

この試合の観客数は9万人1千553人と発表されました。これは女子サッカーの試合の観客動員数世界最高記録となりました。スタンドは熱狂に包まれ、チャビ、プジョルらがスタンドで見守る中、FCバルセロナは5−2でレアル・マドリードを下し、準決勝進出を決めました。一時はリードを奪う大健闘を見せたレアル・マドリードですが、最後には力尽きました。

欧州女子最強FCバルセロナ

現在のFCバルセロナは欧州女子最強を誇り、UEFA女子チャンピオンズリーグ連覇に向け前進中です。残すところは準決勝と決勝のみになりました。

また、国内リーグを三連覇中で、昨シーズンは残り6節の段階で優勝を決めています。今シーズンも25節を終えて25連勝の勝ち点75。得点138、失点7(ただし、昨シーズンの総失点数をすでに超えており失点が多い)で、得失点差は実に131。2位のレアル・ソシエダードに勝ち点差17をつけて独走中です。そのポジショナルプレーの大きさ、速さが全世界から注目されています。

コレオグラフィで表現されたのは「MORE THAN EMPOWERMENT」

キックオフ前に男子の試合と同じようにクラブのアンセムが流れ、ファン・サポーターが「バルサ!バルサ!バールサ!」と叫び、選手たちは入場します。そのとき、スタジアムのバックスタンドとゴールスタンドの席が赤と青に染められました。メインスタンドにはカタルーニャ州のシンボルカラーの黄色と赤。そして、バックスタンドに黄色い文字で「MORE THAN EMPOWERMENT」が浮かび上がりました。今回は、このコレオグラフィ「MORE THAN EMPOWERMENT」について解説します。

FCバルセロナの哲学「クラブ以上の存在(MORE THAN A CLUB)」

FCバルセロナは世界で最も知られるクラブの一つです。その理由は強さだけではありません。クラブの独自性が世界で認められているのです。FCバルセロナが活動するバルセロナはスペインの都市ですが、カタルーニャ州の州都でもあります。カタルーニャ州は独自の言語、文化、習慣を持っており15世紀にスペインが統一されるまでは独立した国家でした。現在まで、何度も再び独立を願う運動が繰り返されてきています。FCバルセロナはサッカーを軸としたスポーツクラブですが、同時にカタルーニャ文化の象徴でもあります。そのため、FCバルセロナの哲学は「クラブ以上の存在(MORE THAN A CLUB)」と定められているのです。

「MORE THAN EMPOWERMENT」を理解するには「MORE THAN キャンペーン」を知ることが必要

FCバルセロナは2021年から新キャンペーンを開始しました。キャンペーン名称は「MORE THAN キャンペーン」です。このキャンペーンでFCバルセロナは、自らの存在を「MORE THAN VICTORY OR DEFEAT (勝つか負けるか以上のもの)」だと強調しています。「勝つか負けるか以上のもの」には様々な要素があり、FCバルセロナは、このキャンペーンの中で、様々は「MORE THAN」を掲げているのです。

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