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秋春制と夏のなでしこジャパン 次の舞台は東アジアの覇権を賭けたE―1

欧州遠征2試合を終えたなでしこジャパン(日本女子代表)は、次の照準をEAFF E―1 サッカー選手権 2022 決勝大会に定めます。欧州遠征で顕在化した課題の解決と、温めてきたプランに沿ったチーム戦術の熟成を目指します。 

5−1でフィンランド女子代表に完勝

なでしこジャパン(日本女子代表)の欧州遠征第2戦も5得点。5−1でフィンランド女子代表に完勝しました。前半は、やや苦戦しましたが、これはポジショニングが原因。試合前のミーティングでサイドからの攻撃を上手く使おうと池田太監督が話した結果、ピッチ上の選手がそれを強く意識しすぎ、両ワイドが外に開きすぎてしまったり、サイドバックの選手と中盤のワイドのポジションの選手の両方が同時に開いてしまうことが起きました。

池田監督は、それについて「後半は修正して今までやってきた関わり合いに改善でき得点につながった」と修正を評価しています。

今回の遠征では、守備の連動と強度、そして、連動性のスイッチを合わせていくことから、ピッチ上では良いコーチングが行われ、前線で相手ボールを奪うシーンを多く作ることができました。池田監督の示した「奪う」というコンセプトを選手が具体化し、前進できたのは成果です。

池田太監督

池田監督は手応えを語りました。

「チームづくりはステップバイステップで、距離感や攻撃のイメージ、形のイメージは課題が出ては積み上げている、というところ。ただ伝えようとしていることは浸透してきているし、伝えていることは積み上がってきていると感じている。順序立てて積み上がっているなと感じている。

前からボールを奪いに行っている中で全部がはまるわけではないので、相手に少し動かされたときの守備ブロックの作り方などは課題があるが、そのリスクを冒しても今は旨味を取っているという考え方。いまはその成果にフォーカスしている。」

高橋はな選手が悔やむ失点の原因

唯一の失点は、小さな判断ミスから生まれました。試合の翌日の会見で、ドリブルに対応した高橋はな選手は、このように語っています。

「相手選手がドリブルで運んできた時点で、寄せるなりしてコースを限定できていれば、他の選手が対応しやすかったと思います。ドリブルを遅らせる判断をしましたが下がりすぎてしまいました。自分がシュートコースにしっかりと入り、完全にファーを消してゴールキーパーが判断しやすい対応をすれば、あのようなシュートに持ち込まれることはなかったと思います。」

熊谷紗希選手との連携にミスが出ましたが、失点シーン以外で大きな破綻はなく、及第点以上のプレーをできたと思います。今回の遠征で、高橋選手は熊谷選手の声かけ、プレーの強度を日々学んでいます。対欧州の選手に発揮される予測は、WEリーグのプレーだけでは得られないものです。貴重な経験を積み重ねる遠征となりました。

高橋はな選手

「次に繋がるチャレンジができたと思う。」熊谷紗希選手

熊谷選手はフィンランド女子代表戦を、このように振り返りました。

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