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【解説】風間監督退任による主力選手の大量移籍の可能性はあるのか?


先日、川崎の来季のチーム編成について語る記事がある媒体に掲載された。風間八宏監督の退任を受け、主力選手の大量移籍の可能性について書いているのだ。記事中、「あるクラブの強化担当」の言葉として「風間さんが退任することで川崎の主力選手も動くと思っている」というものを紹介し、移籍の論拠としている。

いつもと違うJリーグストーブリーグ 風間監督退任で“草刈り場”は川崎F?
http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20161019/soc1610191140001-n1.htm

もちろん風間監督の退任は川崎にとっては大事件だが、それが直接大量移籍につながることはないと考える。実際のところ記事中、移籍について直接語られているのは今季で契約が切れる大久保嘉人のみだ。

ただし懸念が生じているのだとすれば、次期監督の人選と来季の強化方針ということになる。つまり、風間監督の特別な理論を次期監督が発展的に継承し、クラブが戦えるチーム編成を行えるのか。それは確かに大きな問題となる。

なお記事中、風間チルドレンの一例として筑波大学卒業の3選手の名前が上げられているが、ここからこぼれた4選手目の中野嘉大を含めて移籍に関してはまだ全く見えてこない。なお他クラブがリストアップした、とのことで一部報道で大久保に加え小林悠の移籍の話も多くの媒体で取り沙汰されているが、川崎の今季の得点源である彼ら二人がともに居なくなるのはまずく、それは強化部も理解しているはず。少なくとも二人とも移籍するようなことにはならないのではないかと考える。

■江藤高志(えとう たかし)
1972年12月生まれ。大分県中津市出身。99年にコパ・アメリカ観戦を機にライター業に転身し、04年シーズンからJ’sGOAL川崎F担当として取材を開始する。プロサッカー選手について書く以上サッカーを知るべきだと考え2007年にはJFA公認C級ライセンスを取得する。また、川崎F U-12を率いダノンカップ4連覇などの成績を残した髙﨑康嗣元監督の「『自ら考える』子どもの育て方」(東邦出版)の構成を担当した。現在「川崎フットボールアディクト」の編集長を務める。

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