大分トリニータ気鋭の「頭脳」が語るJ1再開と展望(J論)

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【無料】「久保くんフィーバー」をJ3視点で考える<前編>


※今回は宇都宮徹壱ウェブマガジン「宇都宮徹壱ウェブマガジン」で掲載された原稿を許可をいただき、掲載しております。

J1のレギュラーシーズンが終わっても、J2とJ3のクライマックスはこれからだ! ということで11月最初の週末は、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場へ。カードはJ3リーグ第28節、FC東京U-23対AC長野パルセイロである。

周知のとおり、この試合ではバルセロナ帰りの15歳、久保建英の「Jリーグデビュー戦」となることが確実視されていた。メディアやファンの注目度も高く、試合前日の小平の練習場には報道陣およそ30人が集まり、前売りチケットも前日の段階で5000枚が売れたそうだ(参照)。

FC東京U-23のホームゲームは、多い時で3584人が入った試合もあったが(ホーム開幕のFC琉球戦)、2000人も入れば上々。ところがこの試合では、何と7653人の観客を集めることとなった。さすがにJ3の今季最多(大分トリニータのホーム開幕戦で9189人)には及ばなかったものの、今季のクラブ最多記録の2倍超えはやはり尋常ではない。メディアの数も、番記者いわく「トップチームのホーム最終戦以上」であった。

私がこのカードを選んだのは、もちろんバルサ帰りの中3のプレーを間近で見てみたいという、いささかの好奇心があったのは事実だ。しかし同時に、久保建英という「キラーコンテンツ」が、J3にどのような影響を及ぼすのか、というのも大きな興味対象であった。結論から言えば、創設から3シーズン目のJ3にとっても、この日は「歴史的な日」となったのである。

この日、ベンチスタートだった久保がピッチに送り込まれたのは、後半のスタート時。中村忠監督は「試合の展開が0-2ということで、攻撃的な選手を入れてシステムを変えないと厳しいと判断した。最初から何分にどのポジションで(投入する)とは決めていなかった」と語っている。とはいえ、この日のサブメンバーはGK含めて3名のみ。久保の後半投入は、おそらく既定路線だったと思われる。

<後編へ続く>

宇都宮徹壱(うつのみや てついち)
1966年生まれ。東京出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て、97年にベオグラードで「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」をカメラで切り取る活動を展開中。旅先でのフットボールと酒をこよなく愛する。著書に『ディナモ・フットボール』(みすず書房)、『股旅フットボール』(東邦出版)。近著『フットボールの犬 欧羅巴1999?2009』(同)は第20回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。自身のWEBサイト『徹壱の部屋』でもコラム&写真を掲載中。また、有料ウェブマガジン「宇都宮徹壱WM」も配信中

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