Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「指導者を指導していく教育者を、もっと作っていかないといけない(松永アカデミーダイレクター)」Jリーグ育成事業に関するメディア説明会より(2)~


4月10日、JFAハウスにてJリーグの育成事業に関するメディア向け説明会が行われた。

Jリーグは2015年11月に、「JFA/J リーグ協働育成プロジェクト(JJP)」の一つとして、Jクラブがどのように選手を育成しているかを400項目余りにわたって調査・分析し、選手育成のサポートにつなげるシステム「FootPASS(フットパス)」を導入。
説明会では、フットパス導入の進捗や、調査を通じて見えてきたJリーグ全体の育成における課題、その他の育成における取り組みなどを、松永英機Jリーグアカデミーダイレクターが説明した。
今回は説明会での出席者のコメントをお届けしています。

※注:先日ご紹介した2017キックオフカンファレンスの第3部・リーグの各事業についてシンポジウムと内容が一部重複しております。あらかじめご了承ください。
JJP(JFA/J協働育成プログラム)について

Jリーグ育成事業に関するメディア説明会(1)

○松永英機アカデミーダイレクター

「昨年の2月から、JリーグのJJP(JFA/J協働育成プログラム)推進チームとして仕事をしています。原さんからもありましたが、組織の改編がありまして、この4月からJリーグのアカデミーダイレクターとして仕事をすることになりました。よろしくお願いします。

■U20、U17も前大会は出れなかった。本当に選手が育っているのかということで、議論を重ねた中でこのJJPというものが出てきた

今、原さんがほとんど言われたことなので、あまり言うこともないのかなと思いましたが、ひとつ一つ説明をしていきたいと思います。
Jリーグができて25年目となり、そしてJリーグへ入るためにはアカデミー組織、育成組織をしっかり持ちましょうということでクラブライセンスの中に盛り込まれていて、ずっと活動してまいりました。ところがアカデミーのところは本当にどうなんだろうと、2014年のブラジルワールドカップで負けた時から、村井さんや(当時JFAの会長だった)大仁さんが話をされていました。もっともっと個の強い選手たちを育てようということになりました。このままでいいのかという議論をされた中で、U20、U17も前大会は出れなかった。本当に選手が育っているのかということで、議論を重ねた中でこのJJPというものが出てきました。

だからと言って、今年U17とU20が世界大会に出れたかということはこれは別物だと思うんですけど、このアカデミーの選手たちがやはり評価されるのは、将来的なトップチームの選手としてどう活躍するのか、その延長線上に代表選手だとか、ヨーロッパで活躍する選手も出てくると思います。そういったところもっともっと目指していくことが必要だと思います。

指導者を指導していく教育者を、もっともっと作っていかないといけない

その中で指導者はどうなんだろうと。JFAが交付するS・A・B・Cライセンスを持っているだけで指導ができるのか。そうではないですよね。車を乗るのに軽トラックに乗るのか、フェラーリに乗るのか、乗る人の運転スキルが全く違ってきます。

そういった意味では、指導者がいい選手を発掘して育てて、そして送り出す。そういった指導者が重要じゃないかと、まず非常に大切だということを認識しています。
ではその指導者は、一人ひとりが自分の裁量だけでやっていればいいのか、そうじゃないですね。やはりクラブが目指すサッカーがあって、そのフィロソフィーのサッカーをするための指導する指導者が必要になります。

けれども、指導者は自分の裁量だけでなく、やはりクラブのいろいろな方針やビジョンに沿って指導していく。ではその管理を誰がするのか、アカデミーダイレクターです。
大きく分けると2つあります。全体を管理するマネージメントサイド、そして現場サイドの選手や指導者の部分。先ほどヘッド・オブ・コーチングという言葉がありましたが、指導者を指導していく教育者を、もっともっと作っていかないといけないなと思っています。

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