Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「1年1年に将来を念じて種を撒くことを続けていこうと思っています(Jリーグ・村井チェアマン)」~1月のリーグの理事会より(2)~

Q:任期2年は長いようで早いと思います。今おしゃった中でどんな種を撒いていきたいか、イメージしているものがあれば教えてください。

「サッカーの世界は、すべては人が織りなす世界です。選手・プレイヤーも経営者もそうですし、サッカー界には工場があるわけでもなく、特段の特許があるわけでもありません。人間が織りなす世界ですので、どれだけ人を育てていけるかが非常に重要な要素です。
Jリーグでは、経営人材育成を掲げ立ち上げたJリーグヒューマンキャピタルからはじまりSHC(スポーツヒューマンキャピタル)、独立法人化した現在と合わせて5期目に入りますが。育った人がすでにクラブの経営の現場で活躍するようなケースも見られるようになりました。将来チェアマンになりたいと宣言してくれる人もいます。今すぐに何かができるというわけではありませんが、確実にどこかで花を開くだろうな、という人もいます。
内側においても、公益社団法人のJリーグはその下に6つの関連会社がありました。それぞれ6通りの社長がいて6通りの人事制度があってプロパー社員がそれぞれいました。(各会社が)部分最適の中でやってきましたが、それを一つのホールディングスにまとめて全従業員の籍を移して、一つの評価基準に置き直したことは、ここで働く従業員のある種目線やベクトルを将来揃えることにつながり、将来必ず合ってくるものと感じています。物理的な社内のレイアウト変更もして、今はまだまだ混乱の極みですが、人に関わる部分は少し時間がかかると思っています。

また、重点施策に置いている選手育成も、日本はこれまで、選手育成を通じて結果を出したいと漠然と思っていましたが、世界と比べてどれくらいいけていないのかが明らかになっていませんでした。現在地のない地図に立っているような状況でした。
しかし、JFA・Jリーグ協働育成プログラム(JJP)で、まず初めに「フットパス」を通じてリーグやクラブの育成組織を客観的に評価し、世界と比較してみて、現状の課題が徐々に明らかになりました。ここからは、日本も早いと思います。そうした、選手であり、クラブ経営者であり、選手であり、組織であり、またチームスタッフであり、育成であり、という様々な人に関わる点で、少し一石を投じられましたし、これからもと思います」

2017年2月の理事会後の記者会見
「(Jリーグには)6人の社長がいて、6通りの人事制度があって、6通りのプロパー社員がいて、それぞれがタコ壺の中にいる状態でした」

前のページ

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ