Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「一定程度DAZNの視聴数については手応えを感じています(村井チェアマン)」~3月のリーグの理事会より(2)~

3月20日、JFAハウスにて3月のJリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われた。

今回も会見でのコメントをお届けしています。

(1)はこちら


○村井満チェアマン
「一方で、DAZNの視聴数ですが、今年は「明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ」と銘打ち、従来とは違う形での平日開幕となりました。J1年間306試合開催のうちDAZN視聴数ベスト10の数字が手元にありますが、第3節時点のベスト10のうち、8個が今シーズンの試合に塗り替えられています。
そういう意味では、全試合中の視聴者数ベスト10を開幕3節で8個塗り替えたことになりますので、DAZNの観戦者についてはいいトレンドとなっています。

開幕を分散した影響もあって、もしくは金曜日に開催したサガン鳥栖対ヴィッセル神戸の開幕戦「明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ」は、過去最高の視聴数を記録しています。そういうこともあり、一定程度DAZNの視聴数については手応えを感じています。

また広報の打ち手の中で、金曜日開催して、C大阪のたこ焼き食べ放題や鳥栖での防寒マントを配ったりとか個々のアクションを行っております。とにかくクイックでお客様の推移をリサーチしようということで、サンプル数300人程度で調査をしております。観戦経験0~2回の方が一定程度入場していたことがわかりました。そういう方々は「土日は行かないけど、金曜日だったらサッカーに行ってもいい」という方が、一定程度いらっしゃるのではないかとという仮説を裏付けるデータも出ました。本日はそのあたりを(理事会で)ご紹介させていただきました」

Q:「明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ」なんですが、例えば第2節は(金曜開催が)3~4試合固まっていますが、逆に開催されない節も見受けられます。今後もこのやり方は変わらないのでしょうか。また、「明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ」がこれだけ好調でDAZNの数字を塗り替えている話ですと、今後DAZNから「金曜だけじゃなくて他の平日にも拡大をしてください」という提案いただく可能性について教えてください。
また、柏の件は、そもそもそれが差別なのでしょうかという疑問が一つあります。(一部流れている情報では)欧米の人がアジアの人に対して行う差別行為だと思いますが、同じアジア人がアジア人に行うこともそもそも差別になるのかどうか。おそらくGKが気を悪くしていることはあるとは思いますが、そのあたりのJリーグの判断を教えてください。

「まず明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグですが、まずクラブが申請してやるというものではありません。あくまでJリーグが選定して行っています。なぜならば特定のクラブに金曜開催が集中しないように、またはアウェイで対戦するチームが金曜開催に集中しないよう、一定程度均等になるよう配慮する必要があり、クラブとのコミュニケーションがベースとなりますが、最終的にはJリーグが選定しているというのが前提です。
第2節に金曜開催が数試合ありましたが、ACLに出場するチームは、週の半ばに通常試合がありますので、火・水曜日の試合がある前節においては、土日開催ではなく、前倒しで金曜開催に試合をして、翌火・水曜日にACLを戦おうという形で日程を組んでおります。例年、日程上の集中を避け疲労を回避するために、ACL出場チームは金曜開催をしていました。ですので今年の施策に限らず、過去から金曜開催を行うクラブもありました。そのため第2節は金曜開催が多くなりました。

確かに金曜に開催してみて、一定程度の成果が当初の懸念に比べればありました。今年はワールドカップもあり、もともと日程が詰まっているのため、ウィークデーの水曜日にJリーグが入っている節もあります。金曜日に『明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ』ができるのは最大で12日程あります。全34節分の12節ということで、12日程は対戦が決まっていますが、34節すべてに広げるのは物理的、日程的に難しい状況です。ですので手応えは感じつつ、12日程の『明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ』をしっかりと準備していこうというのが現状のステータスで、それを拡大していくかどうかは来年以降のテーマになるのかなと思います。

また、柏における差別的な対応があったのではないかという懸案事項に関しては、現状差別的な行為が行われたかどうかは確定していません。日本人が同じアジア人に対して差別的行為をするか、それが差別に当たるかどうかについては、まず前提の事実があったかなかったかを確認中ですので、具体的に論評できるものではないと思っております。
ただ、差別的な行為は本当は態度だけではなく言葉や言動もありますので、実際には捕捉しきれているのかどうかという問題もあります。逆に言うと相手を挑発・侮蔑する行為も差別ではありませんが、我々の観戦ガイドラインからすると、相手を侮蔑するような行為や言動も問題だと思っております。本件の目を吊り上げている態度があったかなかったかという協議に関しては現在、申し上げることはできませんが、少なくとも相手を侮蔑する行為に関しては、あったとしたらそれは避けないといけないと思っています。

(3)へ続く

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