Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

社会連携について「具体的な活動がみなさまにお伝えできるような2019年になる(村井チェアマン)」~12月理事会後の記者会見より(2)~

12月12日、JFAハウスにてJリーグの理事会が行われ、理事会後に村井チェアマンによる記者会見が行われた。

今回は会見でのコメントをお届けします。

(1)はこちら

○村井満チェアマン
Q:今季はヴィッセル神戸にイニエスタ選手が来たり大物外国人選手が加入しました。来シーズンも外国籍枠が増える状況の中で、今季はJリーグにとって転機になりうる年であったのかという認識と、来シーズンの展望をお聞かせください。
「イニエスタ選手やトーレス選手が加入したことで、明確にクラブの入場者数やアウェイの来場者数に大きな影響があったことは事実だと思います。またこうした選手が来てくれたことで、新たなお客様に関心を持っていただけたと確信しています。2018年のJリーグにとって、やはりプロの興行ですから、そういった有名選手や一流のスター選手が来ることに関しては、本当に大きな意味があるなと再認識した次第です。2019シーズンの外国籍選手数の登録緩和や拡大などは、どういう戦略で活用するかはクラブの専権事項です。裁量の余地が大きく広がったということですので、新たな編成を検討するクラブが出てくるだろうと思っています。それについては私がとやかく言う立場ではないのですが、やはり育成と外国籍(選手)の緩和は、ある意味で私はコインの裏表のような面があると思っています。外国籍選手を制限することで日本人の出場機会を確保し、日本人に強くなってもらいたいという願いが過去の施策の背景にはあったのは事実です。今回は、間接的というよりももう直接的に、J1では自クラブで育てた選手の出場や登録を義務付けていくような直接的にコミットする方向に行きましたので、外国籍選手だけではなく、ホームグロウンの選手たちに、多くのホームタウンの方に関心を持って迎え入れてほしいなと思います」

Q:今季はチェアマンの肝いりで地域連携のプラットフォームに着手しました。2018年の取り組みの総括と来年度以降の思いをお聞かせください。
「今まで懸命にJクラブの選手やスタッフが地域に出ていっては様々なホームタウン活動を展開していくことを、この25年間行ってきました。それをリーグがもう少しモデルを磨き込みをしたり、大きく展開できるようなブラッシュアップをしたい、そこに資金が回っていくような援助をしたりと、これを一つのプラットフォームと位置づけて、個々のクラブの活動からリーグ全体のプラットフォームへということで、今シーズン社会連携という活動をスタートしました。

5月14日に配布された資料より

今は個別の活動ですが、相当手応えを感じております。5月14日に、300人くらいを招待して全体のセッションを行いましたが、個々のクラブの活動の中ではすでに、自走し始めているものも多々出てきています。来年の年明けには、これのブランディングを明確に、活動のマークや活動の共有をするメディア機能や、そうしたことを開幕のタイミングで今準備して発表できるようにしております。

5月14日に配布された資料より

コンセプトを提示した2018年、具体的な活動がみなさまにお伝えできるような2019年になると思います。今まで出会えなかったような様々なソーシャルワーカーの方や社会活動家の皆さん、ボランティアのみなさん、NPOのみなさん、スポーツが持っている可能性を最大限に生かしていただけるような座組み、徐々にコミュニティが形成されつつありますので、大変楽しみにしております。

(参考)
【記事一覧】Jリーグ25周年未来共創『Jリーグをつかおう!』ワークショップ

次のページ

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ