Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

5つの重点戦略と今後のビジョンをどうつなぐか。その議論の構造について。~J.LEAGUE PUB Report 2018発行報告会より~(1)

2018年12月19日、JリーグはJFAハウスにて、J.LEAGUE PUB Report 2018 発行報告会を開催した。

PUBとは・・・
「Participate」(参加して)
「Understand」(理解して)
「Build」(共につくる)
の頭文字で、さまざまな角度から眺めたオンザピッチやオフザピッチ客観的なデータや重要戦略の進捗を振り返り、それらの変化の兆しなどをまとめている。(PUBレポートサマリー資料より)

PUBレポートはこちら

今回から数回に分けて、村井満チェアマンの説明を追いながら、PUBレポートについて見ていきたい。


○村井満Jリーグチェアマン
「おかげさまでJリーグアウォーズで2018年を締めくくることができました。みなさんのご協力に感謝しています。今日は2018年全体を振り返るとともに、2019年以降について、少し方向感をご提示させていただければと思います。

恒例となりましたが、今年もPUBレポートを作成させていただきました。今年は全日程が終わったのが12月8日で、サーカスのようなウルトラCで10日に原稿を入稿しましたので、細かく読むと誤字脱字も実はあるので、今度ネット版で少し修正していきます。印刷してJリーグアウォーズに間に合えばというような段取りでやってきました。また皆さんに読んでいただいてご意見やご批判をいただければと思います。

ここから1時間程度、PUBレポートについて内容について見てまいります。このPUBレポートは改めてご説明するまでもありませんが、Jリーグを開いていき、良いことも悪いことも課題も全部、僕らが認識していることはそのまま伝えて認識していただき、皆さんに議論していただいて改善していこうという目的で作っています。

今回今まで申し上げている5つの重点戦略というところと今後のビジョンをどうつなぐかというところは一つのポイントとなりますので、私の就任のタイミングから少し振り返る中で、議論の構造を少し明らかにしていきたいと思います。

J1の平均入場者数でございますが、2008年に1万9千人台でした。ここからずっと入場数は低落傾向で、2011年の東日本大震災のタイミングでは、安定開催がままならない中で、日本全体がやはり興業ということよりもまずは震災への対応ということで、そこを除いたとしても入場者が長期低落傾向というのがJリーグの置かれている状況でした。

このタイミングで私なりに構造をどう捉えていたのか。JFAの方は、日本代表がブラジルワールドカップの予選を戦っている当時(2013年頃)でした。本田選手や香川選手のように有力チームで活躍する選手がいて、代表のブランド力を上げて、スタジアムはいつも満員で代表は収入があり、それがまたFIFAランクを上げていくというような良い正の循環にある一方で、裏側のJリーグでは人気選手がどんどん抜けていき、リーグのブランド力が低下していき収益力が悪化する。すると育成・強化に掛ける費用が減少していくとなると、次のサイクルを担うような有力選手の枯渇までするのではないかということで、ミッシングリンクという言い方をしていましたが、これを埋めないとJリーグが将来代表で活躍する選手を輩出すること、そのものもままならないという認識が、2014年の着任後のミーティングでみんなで議論した内容でした。

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