Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「(来場が)1回目のお客様、2回目のお客様、10回目のお客様、それぞれに違うご案内やサポートや情報提供ができるクラブは、しっかりと入場者数を増やしているなという実感を持っています(村井チェアマン)」~2019年11回目のJリーグの理事会より(1)~

12月10日、JFAハウスにて2019年11回目のJリーグの理事会が行われ、理事会後に記者会見が行われた。

今回も理事会後の会見を追いながら、その内容について見ていきます。


○村井満Jリーグチェアマン

「今年最終の、12月度の理事会を終えました。Jリーグの2019シーズンも、残すところJ1参入プレーオフの決定戦1試合のみとなっております。

1年間を振り返りますと、いろいろなことが去来しますが、詳細はPUBレポートでまとめてみますので、直接ご説明させていただく機会を頂戴できればと考えております。優勝が最終節までもつれ込み、最終節の(横浜F・マリノスvsFC東京)入場者数が6万3,854人という、創設以来の(1試合あたりの)最高入場者数(記録達成)が示すように、今シーズンも数多くのお客様に来場いただきました。

2007年にイレブンミリオンプロジェクトを当時の鬼武チェアマンがスタートさせて、2010年に大東チェアマン(当時)が引き継ぎ、今シーズンついに悲願の1,100万人という来場者数に達し、初めて花が開きました。昔の資料を開きますと、エアゴールという、キックターゲットのようなアイテムを全クラブに無償配布したり、世界中のクラブを回って集客の強化に関して現地視察をしてみたり。当時の懸命な努力がすべてのベースになっているなと感じております。

J1は(平均)2万人の入場数を超えることになりましたが、最終的には収容率の8割である2万4,000人まで持っていこうというのが我々の一つの夢であります。先輩たちが10年かけて築いたことを、我々が次の2030年に向けて、しっかりとプランを練ろうというふうに考えている次第です。

また、今シーズンは、労基問題であったり、ハラスメント問題であったり、リーグ運営で襟を正さなければいけない問題も数多くありました。具体的に手を打たなければいけない問題も多く、一歩一歩、積み上げていこうと改めて思うことも数多くありました。いずれにしても1年間、皆様にサポートをいただきましてありがとうございました。来年度もがんばっていきたいと考えております」

~質疑応答~

Q:入場者数が大幅に増えた要因について。浦和の集客率が減っていたり、ラグビーワールドカップの影響で横浜FMが日産スタジアムを使えない中で、その中でこれだけの数字を記録している要因は何でしょうか?

「J1を一つのケースとしてお話ししますと、確かにラグビーワールドカップで大型スタジアムが使えませんでした。例えば日産スタジアムや、味の素スタジアムなどが使えない中でしたが、実は昨年比を一番伸ばしたのは横浜F・マリノス、2番目がFC東京でした。
横浜F・マリノスは、平均で5,222名増やしています。平均入場者数が27,000人で昨年比が124%、そして FC東京は平均を5,018人増やし、昨年比119%の伸びでした。
横浜FMがリーグ制覇をしましたが、あの破壊力があり、いわゆる最多得点でリーグ制覇を成し遂げたのですが、攻撃的でワクワクするような、あのようなサッカーは人を惹きつけるんだなということを思いました。色々なハンディがあっても、攻撃的で魅力的なサッカーが何よりも大事だということを再認識した次第です。

その他、2桁の伸びをしているのは、ガンバ大阪、セレッソ大阪、名古屋グランパスです。名古屋は必ずしも順位とは相関しない-歴年の名古屋の順位と入場数の伸びの逆相関―言うとクラブに申し訳ないのですが―勝敗に頼らずに、集客をしていく仕組みやノウハウがクラブに身についてきました。

今、JリーグIDというお客様の顔が見えるデータ保有が150万人を越えました。(来場が)1回目のお客様、2回目のお客様、10回目のお客様、それぞれに違うご案内やサポートや情報提供ができるクラブは、しっかりと入場者数を増やしているなという実感を持っています。そういう意味では、まだまだリーグ自体に伸びしろがあると感じています。
ざっくりとした印象ですが、詳細はPUBレポートで展開したいと思います。

Jリーグ配布資料より

(2)へ続く

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