Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「今まで売れなかった時に招待するという考え方から、満員の空気を感じてもらうというクラブ側の戦略の発想がずいぶん変わってきたことが大きくて、データやツールを使いこなす人材がクラブに生まれ始めている(村井チェアマン)」~2019年11回目のJリーグの理事会より(2)~

12月10日、JFAハウスにて2019年11回目のJリーグの理事会が行われ、理事会後に記者会見が行われた。

今回も理事会後の会見を追いながら、その内容について見ていきます。

(1)はこちら


○村井満Jリーグチェアマン

Q:入場者数レビュー資料のデジタル施策の中で、 JリーグIDが50%増でリピート率が上がっているということですが、上がっている主な理由はメールマガジンの効果なのでしょうか?。他に何かあるのでしょうか。

「本当にクラブの努力の総和がここに表れています。打ち手はクラブの数だけ違いますし、JリーグIDの活用は全クラブで加速し始めています。
一言で申し上げるのはなかなか難しいのですが・・・、突き詰めて言えば今までよりも、お客様の状況や関心、行動履歴に基づいたパーソナルなサービスができるようになってきました。この裏側にある仕組みがデータであり、デジタルプラットフォームでありアプリであり、それをつなぐJリーグIDというインフラ基盤になるわけですが、その利用技術がクラブごとにとても磨かれてきたという印象です。

例えば名古屋のケースを見ると、満員の試合はなるべく招待をしないようにして、空席がある時に招待することが多いですが、初めての方を招待するときには、1万席くらいを満員の試合にわざと招待券を設定して、満員の空気を感じてもらう。今まで売れなかった時に招待するという考え方から、満員の空気を感じてもらうというクラブ側の戦略の発想がずいぶん変わってきたことが大きくて、データやツールを使いこなす人材がクラブに生まれ始めているという風に私は感じています」


※担当者が回答
「入場者数増に関しては、JリーグIDを取得することでお客様の見える化を推進しています。
見える化というのは、個人情報だけでなく、来場の回数、タイミング、そしてチケットを購入するタイミング。それから何人で来ているかとか、平均単価や、Jリーグオンラインストアでグッズを買ってきているかどうか、そういうところまですべて見えるようになっていて、そうした見える化したデータがたまってきた中でさらにかけ合わせることで、色々な手法、アプローチするパターン、形が増えてきたということがあります。
またJリーグで月に1回集合研修を行い、クラブのデジタルマーケティング担当にノウハウを吸収して持ち帰っていただき、またその事例を試す、それが成功したら横展開するということを年間を通じて繰り返したことで、このような成果が生まれたことにつながったと感じています。

Q:2020シーズンの追加登録期限について。ウインドー期間が2つあり、リーグ戦の追加登録期限の9月18日とありますが、若手の追加登録は1月1日から9月18日までできるということでしょうか。

※担当者が回答
「ウインドーはご存知の通り、移籍ができる期間のことです。1月~3月と夏にあります。追加登録期限は、登録自体が最後という期限になります。例えば2種からトップに登録したいということがよくありますが、リーグ戦に出場するためには9月18日以降、この日以降はできないというのが「追加登録期限」になります」

Q:第1登録期限と第2登録期限の間に、3ヵ月半から4か月間がありますが、その期間でも若手は登録できるのでしょうか。

※担当者が回答
「ウインドーの期間が第1登録期間と、第2登録期間があり、その間はウインドーが閉まっている状態ですが、ウインドーの適用例外というものにあてはまれば、2種からトップに上げることはできます。追加登録期限の9月18日以降(リーグ戦の場合)が全くいじれなくなる(追加で登録できなくなる)という考え方です」

Q:公式球について。『モルテンが提供してアディダスのボール(ツバサ)を使用する』とありますが、これはモルテンのボールなのでしょうか、アディダスのボールなのでしょうか。

※担当者が回答
「(日本国内ではアディダス社とのライセンス契約に基づき)アディダス社がデザインしたボールを製造しているのがモルテンさんですので、株式会社モルテンが製造・販売を行っています。これまでと変わりはありません」

○村井チェアマン
「表に出るブランドはアディダスで、モルテンの名前は表には出ていないですが、製造をモルテンさんががしているということになります」

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