Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「J2、J3の支えがあってJ1が大きく枝葉を伸ばしたシーズンでした(村井チェアマン)」J.LEAGUE PUB Report2019発行に関するメディアブリーフィングより(1)

2019年12月23日、JリーグはJFAハウスにて、J.LEAGUE PUB Report2019発行に関するメディアブリーフィングを開催した。
ブリーフィングでは、村井満Jリーグチェアマンが全体の総括を行ったほか、原博実副理事長がフットボールの分野を、木村正明専務理事が事業領域、米田恵美専務理事が財務と社会連携について、それぞれの分野別に振り返った。

今回から数回に分けてブリーフィングの様子を出席者のコメントを追いながらお届けします。

⇒2019年のPUBレポ―トはこちら

○村井満Jリーグチェアマン
「私の方から、少し大掴みで2019年を振り返ってまいります。
Jリーグを木で例えることが多いので、もう一度改めてこの図をご紹介します。


広域にわたって地下深く張った根を張るJ3。多くの水を吸い込むように、全国から若手のタレントが一つの登竜門としてJ3から上がってくることを願っていました。そして上と下を支える太い幹、これがJ2です。そして天高く枝葉を伸ばすJ1ということでございます。

今回、本当に攻撃的なサッカーで横浜F・マリノスの優勝でJリーグは幕を閉じましたが、人々を魅了するような伸び伸びしたサッカーでした。そしてACLでは3期連続でファイナリストをJリーグから輩出しました。これもJ1の一つの成果だったと思います。
また悲願でしたACLの出場枠を2+2から今シーズンの成績も含めて3+1を奪還しました(※3+1の出場枠は2021シーズンから)。そういう意味では、J2、J3の支えがあってJ1が大きく枝葉を伸ばしたシーズンでした。

またJ2に関しては1999年の発足でしたので今シーズンでちょうど20年目となりました。
この30年間で、延べ数ですが5千万人がJ2に来場し、そして7,000人を超える入場者数を世界で比較しますと、2部リーグの中ではブンデスリーガ(ドイツ)、プレミアリーグ(イングランド)、ラリーガ(スペイン)、リーグ・ドゥ(フランス)に次ぐセリエBを抜いて世界で5番目となりました。そして、22クラブ中12クラブがJ1を経験し高みを知っているクラブです。こういったことも太い幹の証左かなと思います。

そして今回J3は北九州が優勝しました。長野もそうですがJ3でも立派なスタジアムを持って、高い競技力の中で優勝を果たしました。またJFLからは今回八戸がJ3入りし、来年は今治が名乗りを上げています。そういう意味では、全体でしっかり根を張って太い幹でないと今年のような自然災害が来た時に倒れてしまわないように、まっすぐしっかりと伸びていれば何かあってもしっかり対応ができると信じてやってきたJ1、J2、J3でした。

別の角度から見ると、こうした樹木を育む土壌として、多くの人の支えがありました。

1000試合近い試合をDAZNで配信してくれました。こうしたおかげで、Jリーグの魅力を多くの方に触れていただきました。
またJクラブの売り上げの主な源は、広告料収入であったり、入場料収入であったり、マーチャンダイジングであったりします。全てのカテゴリーでクラブ合計で過去最高の売り上げを記録しています。こうした土台のところでは、多くの企業様に支えられた2019年でした。
そして何より一番大事なのが、太陽の光に例えられる、すべての価値の源泉であるファン・サポーター、そしてその周辺にある空気、これが社会の皆様です。悲願であった1100万人を記録して、J1で言えば2万人超えの平均入場者数となりましたが、これは多くの人々に支えられてきました。そしてシャレン(社会連携)という言葉がありますように、Jリーグを取り巻く空気も暖かく見守っていただいたと、全体を総括しています。

(2)へ続く

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