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【ニュース】Jリーグが3月15日までの試合を延期。「我々としては、この1~2週間が極めて重要であるならば、Jリーグとして協力していく必要があるだろうということで、延期の合意を得ました(村井チェアマン)」

2月25日、JFAハウスにて2020年2回目のJリーグの理事会が行われ、理事会後に記者会見が行われた。

2020明治安田生命JリーグおよびJリーグYBCルヴァンカップ開催延期が決定(Jリーグ.jp)

Jリーグは、本日午後、3月15日(日)までに開催予定の2020明治安田生命Jリーグおよび2020JリーグYBCルヴァンカップのすべての試合について、開催延期を決定したと発表した。

今回の対応のプロセスついて、Jリーグ・村井満チェアマンは次のように説明を行った。

○村井満チェアマン

「新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、Jリーグは本日一つの大きな意思決定を行いました。明日の開催予定だったYBCルヴァンカップから3月15日までのすべての公式試合を延期することを決定しました。
昨晩、政府の新型コロナウイルスの専門家会議の発表がありました。それを受ける形で本日11時から各クラブの責任者が集まる緊急会議を行いました。政府の専門家会議の中で『この1週~2週間が感染拡大を抑えることかできるかできないか瀬戸際である』という談話がありました。我々としては、この1~2週間が極めて重要であるならば、Jリーグとして協力していく必要があるだろうということで、延期の合意を得ました。
今回決定するプロセスに関しては、幾多の議論がありました。そのプロセスを少し振り返ってみたいと思います。

2月20日~25日の5日間に延べ3回に渡り、全クラブの社長との意見交換を行うビデオ会議を行いました。物理的にこちらへ集まることができないのでビデオ会議で行いました。

1回目は2月20日に、加藤厚生大臣がイベント等開催に関する談話の発表がありました。翌日、JフライデーナイトJリーグの開催がありましたので、20日の夜に1回目の会議を行いました。どうしても会議に入れない方は翌日21日朝に会議を行いました。我々はサッカーを通じて活力を与えていこう、社会の重要なインフラを担っている自負もあります。豊かなスポーツ文化を国民の健全な心身の発達をサッカー・スポーツを通じて実現していこうという理念がありますので、しっかり準備をして臨んでいこうという決意をしました。

具体的には、運営する側のすべての運営スタッフが感染拡大を担わないようにマスクをしよう。大型ビジョンで、くしゃみや咳エチケット等の啓発をしていこうと、それぞれ実施しました。その試合は、21日、22日、23日の3日間で、J1・J2の第1節を終えることができました。

2回目の会議は昨日24日、3回に分けて総括を行いました。ファンの声、地域や行政の声、その他選手や関係者の声など、フィードバックをもらいました。このビデオ会議ではたくさんの知見をいただきました。
運営に関して、例えば我々が気づかなかった、メディアの皆様とのミックスゾーンの距離やマスコットが子供たちと触れ合うことに関して、フードエリアでの反省としてはどんなことがあったのかなど、数多くの意見交換が行われました。これが半分です。
もう半分は、今後の開催についてのクラブの意向を確認しました。我々は今年の大きな指針として、オリンピック開催年ですので、自国開催を成功させるために、今我々はJ1・J2・J3のすべてのカテゴリーがオリンピック開催期間中は競技を行わないことを申し入れて、そういった形で国に協力していこうという事を決めておりました。

一方でもう一つの考え方では、初期段階で感染拡大を止めることで、逆に言えば(Jリーグの試合を)オリンピック期間中に行うことで、国に貢献できる考え方はないかという考え方はないだろうかという問題提起を行いました。ここに関しては随分意見が分かれました。競技(Jリーグの試合を)継続することが我々の使命であると。先般の政府の談話では一律の自粛を申し入れるものではないという考えが変わらない中で、我々として試合をストップするタイミングではないという意見もありました。一方で、日々感染拡大が深刻度を増している中では慎重に対応した方がいいという意見もあって、24日のビデオ会議では一つの結論を見出すことはありませんでした。

そうした中、24日の夜半に、専門家会議の中で『この1週間~2週間が極めて重要だ』と談話が専門家から発表されたことを受けて、今日の11時に緊急で第3回目の全クラブ会議を行いました。
その場では、昨日から一つステージが変わっているという認識を全クラブを共有した結果、極めてイレギュラーで緊急な意思決定でしたが、明日のルヴァンカップから中断して日程を変更し、政府の取り組みにサッカー界・Jリーグとして協力しようということを全会一致で確認しました。
すでに選手の移動等が始まっている可能性があったのと、多くのファン・サポーターの皆様がアウェイ観戦へ移動を始めていたことが考えられます。そのような熱心のファンの皆さまには大変申し訳ない思いでありました。

また理事会の決議を経ずに、チェアマンの判断で先にルヴァンカップの延期を決めたことをクラブの承認を得て、Jリーグの規定によればチェアマンが決定できるという一文があるものですから、理事会には事後報告させていただく前提で、本日午後に(ルヴァンカップ延期の)リリースを出させていただいた次第です。そして今日理事会で、残りの3月15日までの延期の決定をすることをお伝えします。

前提としては我々としては万全の体制を組んで第1節を終えましたので、2節以降も十分に対応できる自負と準備もしていました。一方で繰り返すようですが『1~2週間が重要だ』ということでしたので、少し余裕を見て3週間の延期と意思決定しました。15日まで延期しますが、18日から再開するべく、この3週間十分な準備をして臨んでいきたいと思っています。

本当にサッカーを楽しみにされている皆さまには大変申し訳ない思いもありますが、ある種の国難とも言ってもいい状況の中で、ここは協力する趣旨を関係の皆様にもお伝えしていくつもりです」

その他、本日Jリーグから決議事項・報告事項がリリースされています。

詳細はこちら

※会見でのコメントは後日掲載する予定です。

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