Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】第2回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。18日の再開について「このタイミングで行うことに関しては延長することが望ましいというご助言をいただきました(村井チェアマン)」


○三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)
「先ほど賀来教授がおっしゃった通りですが、国民的な2大スポーツであるプロ野球とJリーグの中止を勧告することが我々専門家としては一番簡単でしたが、そういった安易な結論ではなくて、どうしらたより安全に開催できるか、こういったことを検討してまいりました。

その結果、やはり1つはチームの選手コーチ監督そしてそのご家族ですよね。みなさんご存じの通り、新型コロナウイルス感染症は、クラスター感染と言って家族内での感染も多数報告されています。そういった意味で、選手を守るためには、選手コーチ監督、その家族への教育・啓発活動に時間を各球団やクラブで持っていただきたい。18日や20日というのは日程的に厳しいのではないかと思いました。それがたとえ無観客試合で開催したとしても足りないであろうと申し上げました。

もう1つ、実際に運営するにあたって、このウイルスは飛沫感染が一番クローズアップされていますが、やはり接触感染が極めて大きなファクターであります。実際の研究によりますと、48時間は余裕でウイルスが生存すると報告されています。そういった意味で不特定多数の方が来場するの中で環境ですよね。トイレや観客席などをしっかりと清掃しないといけません。実際に球団(クラブ)とスタジアムの運営が別のところもありますし、折衝の時間も必要です。選手を守るために、選手のベンチやロッカーなども、清掃手順もしっかりしないといけません。こういった準備をするにはどうしても時間が足りないと申し上げました。

そして皆さんご存じの通り、実際(予防する)物品を準備することが大変になっています。マスクだけではなく、消毒薬も実際不足しています。ですがスタジアムには3~5万人がご来場されるわけです。その方々のアルコール消毒を全員分準備するのは大変です。実際プロ野球は連戦となります。そういったものを準備するのは大変で、今物資が少ない中でこれを18日や20日までに準備できるのか。こういったことも我々の中で考えさせていただきました。

国民的2大スポーツであるプロ野球とJリーグには実施していただきたいと思っています。実際国民は経済不況になりつつありますし、暗いニュースしかありません。ですからそういった中で明るいニュースをお届けしたいと強く思っています。ただし18日や20日では時間がたりない。賀来教授がおっしゃったサーモビーター(サーモグラフィ)にしても、球場やスタジアムの何カ所にも用意しなくてはいけないし、おそらく台数も限られています。少なくとも18日と20については延期が望ましいと中間報告させていただきました。皆さんの中には、『観客の間を取ってやればいいのでは?』とか『大声を出さなければいいのでは?』という意見もあるかと思いますし、そういったことは提言の中にも含めさせていただきますが、準備が十分ではないと思います。

この感染症について我々は、例えばプロ野球やJリーグで、感染が下火になって試合を再開しました。だけど、これがまた観客からの観戦者から(観戦者が)出ない、ゼロだとは思いません。やはりリスクがあります。ただ、しっかりと対応をした上でそのリスクを限りなく低くしていきたい、そういった見地から助言させていただきました」


○舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)
「お二人の先生が言われた通りですが、我々感染症の専門家としては、観客を守ることが一番大事ですし、チーム・選手、スタッフを守る。そして日本のスポーツ文化を守る。これを柱に検討させていただきました。
皆様方もご承知の通り、新型コロナウイルス感染症に関しては、日々刻々と日本だけではなくて世界中から新しい情報が入ってきています。ウイルスの特徴だけでなく治療に関する新しい情報が入ってきています。どういう状況になるのかわからない状況の中で、今予定通り開催するのは危険が大きいという、そういったコンセンサスに達しました。1週間、2週間、もう少し先になるのかもしれませんが、より良い対策を方向性が見えてくるんじゃないかと期待しているところです。

また、先ほどもお話した通り、環境に対する消毒、マンパワー、感染症をそこで起きない準備の期間が必要になってきます。
コロナウイルス感染症に関しましては、インフルエンザのように暖かくなれば消えていく感染症ではおそらくありません。しばらくの間、数カ月なのか半年なのか1年なのか。もう少し続くのか、もう少し長いタイムスパンで考えていく必要があります。我々が試せれているようなものですけど、いかに賢く対応、限りなくゼロに抑える対策が取れるか。球団(クラブ)やJリーグ、感染症の専門家が連携をしながら考えていかないといけないと思います」

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