Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】全クラブ参加の臨時実行委員会をWEB上で開催。4/3再開の再延期とJ3からの先行開催など、5つの内容について合意。

本日の10時から全クラブ参加の第2回臨時実行委員会がWEB上で行われ、午後にWEBでメディアブリーフィングが行われ、合意した5つの内容について発表した。

 

今回の決定の経緯について、Jリーグ・村井満チェアマンは次のように説明を行った。
(※コメントは一部聞き取りにくい部分などがり、内容を要約している部分もあります)

写真=3月12日撮影。

○村井満Jリーグチェアマン
「本日10時から2時間かけて、全56クラブの実行委員との意見交換会を行いました。大きく分けて5つの合意点がありましたので報告させていただきます。

前提として3月19日に政府の専門会議の提言があり、23日にはNPBとの新型コロナウイルス合同連絡会議の場で専門家3名の方々から今後のイベント開催についてのご助言をいただきました。
そうした専門家の提言を含めて、改めて新型コロナウイルスの感染拡大を阻止していこう。そして国や行政・自治体の方針にしっかりと協力していこうという事を申し合わせています。それから従前から申し上げている我々の持っているスポーツの価値を国民の皆様に提供する努力を重ねていこうという前提で、5つの合意をしました。

1点目は、当初4/3の再開を掲げていましたが、延期することとしました。
いくつかの背景があるのですが、お客様を守るための装備や準備がありました。一つは体温を測定するサーモメータ―等の備品の調達が、全クラブで450個ほど必要と見ています。これはJ1・J2・J3それぞれのゲートやVIP入場ゲートなどを試算した数です。
入手は段階的に計画されていて、第1弾が4/3になります。おおむね揃うのが 4/18と見ています。ですので4月3日の再開は断念せざるを得ないと判断しました。

その他、マスク等は7万枚(14節分)、消毒関係は300リットル(10万人相当分)確保できています。そういう意味では、大きなボトルネックとなったサーモメータ―ですが、これも4/18には調達できる見通しです。
国民の皆様にとっても、こうした物資が重要になっている中で、先行して確保することが非常に難しい状況でした。無理のないように一方で必要性を訴えて準備を進めてきました。そういった観点から4月3日の再開を断念しました。

Jリーグに設置されていたサーモメータ―(3月12日撮影)

2つ目の合意点は、再開のメドのタイミングです。4/18までにサーモメータ―は概ね入手できるのですが、このサーモメータ―の運用には習熟したスキルが必要だと思われます。外気に触れる中での測定になりますので、風や温度や日陰等々、様々な要素を考慮しながら測定する必要があります。18日に揃えたからと言ってもすぐにスタートできるものではなく、一定期間の準備が必要と見ています。

のちに述べますが、収容率などを鑑みて、J3の先行公式試合再開を想定しています。J3の開催を4月25日(土)に予定しています。このJ3を先行する中で、J1・J2、Jリーグの全面的なバックアップ、J3での実地で導入してJ1・J2も協力することで、J1・J2での利用レベルの習熟度も上げていこうということです。J2に関しては5月2日の再開を想定しています。そしてGWを挟む形で、J1は5月9日の再開に向けて準備を進めていこうと申し合わせています。

段階的に導入することにとって、一番規模の大きいJ1が習熟する期間を設けること、GWと重ねてJ1を実施することで国民の皆さんに迷惑をおかけしないように、J1はGWを外そうということで5月9日になりました。入念な準備を重ねて、段階的に開催をしていこうという事に合意しています。

3点目以降は、専門家の皆様からイベント開催についての提言からの丹念に判断しての意思決定となります。
いわゆる大規模イベントの留意事項は、密閉した場で、密集というのはお客様が全国から集まることです。そして手の届く範囲で大きな声を出すことが、新型コロナウイルスの感染拡大する可能性があるものです。
その3要素のうち、密閉についてはJリーグは多くの場合回避されていますので、多くの時間を密集と密接に関して議論を重ねてきました。

密集に関しては、大型イベントは全国各地から集まることが懸念されています。クラスターが拡大する際も、全国各地から集まることによって、イベント終了後全国各地に(感染が)広がることが懸念されています。Jリーグ再開後2ヵ月を目途に、遠距離から観戦するお客様の自粛をお願いすることを想定しています。ホームのお客様でも遠距離から来られる場合もありますし、アウェイのお客様でも近くにお住まいの方がいらっしゃると思うのでルール作りの難易度は高いのですが、アウェイ観戦の席を設けないことを中心に詳細を詰めていくことになります。これが密集に関する我々の姿勢です。

4点目は密接に関することです。
原則として観客席の前後左右を空けることを想定しています。お客様の席割で想定すると、収容率が仮に100%だとすると、ざっくり見積もっても50%以下になると思われます。入場者数は50%以下を目指すことで、密接度合いを軽減することを申し合わせています。

5点目ですが、一旦上記の日付で再開を想定して準備にしますが、新型コロナウイルスの状況は刻々と変化していて、予断を許さない状況が続いています。今後例えば政府やホームタウンの行政から自粛の要請があれば、即座にそれに従って当該ゲームは無観客で行ったり日程変更をするなどを考えるように、柔軟な対応をしていこうという事を申し合わせています。

以上、今回5点について新たに申し合わせています。

それ以外では、様々な応援スタイル、大声を出したりハイタッチしたり肩を組んだりする応援スタイルは控えようとか、新たなスタイルを申し合わせようという議論も始まっています。そういった観戦スタイルについては、引き続き詳細を詰めていくつもりです。

多く出た意見としては、選手たちも延期が重なることで、メンタル面やフィジカル面のコントロールが非常に難しい状況にきているという意見が届いています。
先般では、政府見解が2週間おきに出てくることを鑑みて、4月18日、5月2日と2週間刻みでの判断を想定していました。2週間インターバル(で決めていく)という意見もあったのですが、今後については(再開日の)ターゲットを決めることで、選手もコンディショニングや時間もあるので休息を取ってもらって、再開に向けて仕上げていただく準備してほしいという事を申し上げました。私の方からは以上です」

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