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【ニュース】第20回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。柏の感染事例についても共有。「特に有症者の初期症状にフォーカスした迅速な対応が、感染拡大を阻止する上では極めて重要であると。基本の基本ではあるのですが、改めてご指摘いただきました(村井チェアマン)」

11月16日(月)、JリーグとNPB合同の「第20回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)とNPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、村井満Jリーグ チェアマンが出席した。

今回は会見での専門家のコメント(抜粋)をお届けしています。


○賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)※所要により途中で退席
「まず今日は感染が急拡大していることについて、データをお示ししました。北海道、宮城、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、特に主要都市で急増しています。またヨーロッパではロックダウンが行われていることをお話しました。
そういった中で、感染が急拡大した7月と8月で、プロ野球とJリーグが試合開催を感染症対策をしながら続けてきたことは非常に大きな意義があるとお伝えしました。来年に向けて、横浜スタジアムと東京ドームでの実証実験のいろいろなデータを拝見させていただきました。
また柏レイソルでの感染事例を私たちにも共有化させていただいて、どのような点について注意していかなければいけないのかについても、先ほどの全体会議でもいろいろな議論させていただきました。
来年に向けて観客数を上げていくための対応について、非常に意義深いと思います。後ほど話があると思いますが、いろいろな実証データが出てきました。そういった見える化したデータの中で、安全にやっていくためには何が必要なのか。しっかりとみんなでやっていく、観客も含めて協力してやっていくことが非常に重要であると再認識しました」


○村井満チェアマン
「賀来先生からも話がありますが、ここのところ感染が拡大している状況です。そういった意味でも今回の連絡会議は大変重要な位置づけになりました。

NPBは日本シリーズを残すのみとなりました。またJリーグはリーグ戦の終盤戦、そしてルヴァンカップは1月4日に変更となりましたが、Jリーグも終盤戦を迎える状況となりました。
今日の会議では、NPB側から大変貴重なデータ、いわゆる技術実証についての詳細なエビデンスをご披露いただきました。NPB・Jリーグ共に、こうした知見を世の中にどう還元していくのか詰めていきたいと思います。
また柏レイソルの感染事例を共有させていただきながら、特に有症状者の初期症状にフォーカスした迅速な対応が、感染拡大を阻止する上では極めて重要であると、基本の基本ではあるのですが、改めてご指摘いただきました」

○斉藤惇コミッショナー(NPB・日本プロ野球組織)
「おかげさまで、我々プロ野球の方は、いろいろありましたが乗り切りまして、日本シリーズを残すのみとなりました。
世界を見ますと、けた違いの感染者が出ています。そしてスポーツ関係を見ても、アメリカの野球もそうですが完全に無観客でしたし、ワールドシリーズでは少し観客を入れていましたが、ヨーロッパではロックダウン等々で、一気にスポーツを止めてしまう事も行われていました。世界を見ると、日本だけ満員単位でお客様を入れて、継続的にスポーツをやれたことは、これは大変意義のあることと思います。これを遂行することができたのも、先生方のたゆまぬアドバイスやご注意をいただいて、それを真摯に受けて改善、対応してきたからです。
もうすぐ春季キャンプが始まりますので、来年どうするのか。2月まで今までのルールという話もありますので、今日は横浜スタジアムや東京ドームの検証の報告も受けましたし、私は大変前向きの結果だと捉えています。ある意味では、このウイルスに正しく恐れて対処していかなければいけないと考えています」


○三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授
「本日の会議では有意義な情報を提供いただき、有意義な議論ができたと思います。
国は第3波という言葉は決して使っていませんが、いくつかの首長さんは、『第3波』と発しており、今まさに第3波の中に入ってきたという状況にあると思います。その中で、NPBもJリーグもマイナートラブルはあったにせよ、ここまでできたことは(良かった)。本日(IOCの)バッハ会長も来日して、これから政府の要人と話をされるようですが、来年の2020+1の開催に向けた、一つのデータや見本を提供できていると思います。
前回の会議でも話をしましたが、この会議でも科学的なデータを元に進んでいくこととなり、議論の方向性がここ1ヵ月くらいで大きく変わってきています。
これまでは、我々の知識と経験に基づいた我々の助言でしたが、今はNPB側もJリーグ側も、エビデンスにも基づいてデータ解析を元に、我々に助言を求めていくスタイルに変わりつつあります。そういった中で、スポーツは当然来年再来年と続いていくので、今年の経験とあらたなデータを元に、今後実施していくことになると思います。そういった意味で、今日はいい議論ができたと思います。


○舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)
「特に今三鴨先生がおっしゃったことが大事だと思います。ここまで我々はいろいろなことを経験して反省してさらに進めてきています。また検証したデータを自分たちで出してさらに備えていく形で進んで生きています。どういう風なデータが出てくるかにもよりますが、それによってらさに安全に正常に近いスポーツ活動ができるような形にしていかなければいけないというメッセージです。

これは、行政も非常に注目しているデータです。それを元に、来年の東京五輪・パラリンピックの準備になるわけで、気持ちを引き締めて対応していかなくてはいけないと思います。
皆さんお感じになっている通り、感染のフェーズが変わってきています。クラスターだけではなくて、発生事例がどこで起きてもおかしくないし、誰が感染させてもおかしくない状況となっています。その中でスポーツ観戦に来られる一人一人が、感染リスクを考えて、それを防いでいくという意識を共有していかなければいけないと感じているところです。そういった意味では、ここからが本当に大事なステージになってくると思っています。

質疑応答では、柏レイソルでの感染事例についての質問もあった。

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