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【ニュース】緊急事案での試合前のオンサイト検査の実施を実行委員会で合意。「感染者を出したクラブ側もそうですが、対戦する選手にとっても一定程度の安心感がプロのクオリティを守るためにも極めて必要なものと考えています(村井チェアマン)」

3月22日、Jリーグの第4回臨時実行委員会が行われ、その後WEB上で記者会見が行われた。

今回の会見では、Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン改定に伴う試合開催方針の変更について説明が行われた後、実行委員会で合意が得られたJリーグ独自で実施するオンサイト検査(抗原定性検査)について、Jリーグ窪田慎二氏が説明を行った。

オンサイト検査を実施するのは、あくまで試合前に保健所の濃厚接触者の特定が間に合わない場合といった緊急事案に限られるため、現状の検査の流れが変わるわけではない。
「例えば(Jリーグの)PCR検査をして陽性者が出た場合、スクリーニング検査をクラブ独自に実施したり、保健所と協力して濃厚接触者を特定したり、それが間に合わない場合にはJリーグ独自の濃厚接触疑いを特定していく作業を、試合前までに最大限やっていきます。それにプラスアルファして、例えば陽性者や判定保留者が3名以上出た場合には、抗原定性検査をやろうということ(窪田氏)」と、オンサイト検査の実施についての流れについて説明を行った。

今回採用する抗原定性検査については、約15分で判定結果がわかるイムノクロマト法と呼ばれるもので、現在Jリーグで新規入国者に対する追加的防疫措置である『Jリーグバブル』でも使用されており「約50件程度実施していますが、検査結果はすべて陰性でPCR検査の結果と全て一致しています(窪田氏)」としている。

今回オンサイト検査を新たに追加した背景について、Jリーグの村井チェアマンは変異株が増え感染力が増している状況を踏まえながら「G大阪vs名古屋戦はキックオフ150分を割った段階でに中止判断したケースのように、コロナの陽性判定はいつどのタイミングで出てくるかわからない」と現状認識をした上で「感染拡大防止と共に機動的な対応策が必要に迫られています。専門家の皆さんのご助言をいただきながら最終的にはJリーグが決めることになります。検査キットも日々技術革新があるようですので、アップデートされる情報も踏まえながら今回判断に踏み切りました」としている。

また抗原定性検査で発生する偽陽性のリスクがあることをクラブと共有しながらも「感染者を出したクラブ側もそうですが、対戦する選手にとっても一定程度の安心感がプロのクオリティを守るためにも極めて必要なものと考えています。一定の感染リスクを少しでも低くすることと、選手の安心感を維持しながら、ただ一方で同時に存在する偽陽性の課題も飲み込みながら対応していこう」と今回の意思決定した背景について説明した。

今回実行委員会の合意を得られたことで、今後は「Jリーグ規約やガイドラインに可及的速やかに実施に向けた準備を進めていきたい(窪田氏)」としている。

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