Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「一番大事なのは、リーグが介入・調査する以前に、クラブが自分たちの力できちんとガバナンスを管理していく方に舵を切っていかなくてはいけない(Jリーグ・萩原氏)」~2021年度第9回の理事会より(3)~

9月28日、Jリーグの2021年度第9回の理事会が行われ、理事会後WEB上で記者会見が行われた。

今回は記者会見での質疑応答をお届けしています。

(2)はこちら

~質疑応答~

Q:ハラスメント案件について。まず東京Vから報告書が出ましたが、内容が非常に玉虫色というか、これで世の中の方が納得していただけるのか、Jリーグ大丈夫なのか、これで終わりでいいのかという受け止めをせざるを得ない非常に中途半端な発表でしたが、リーグとしてはこれでいいと思っているのでしょうか?追加で何かを求めるのか、どういう見解なのか教えてください。またサガン鳥栖の件については、リーグとしての立ち位置や考え方に変化があれば教えてください。

9/21東京Vリリース:『トップチーム運営状況に関するコンプライアンス委員会』からの調査結果を受けて 東京ヴェルディ株式会社としての処分及び再発防止について

※内部監査・コンプライアンスを担当する萩原和之氏が回答。

「東京Vの件ですが、私も広報を長くやっていましたので、どういう報道発表をすればどういった反応になるのか容易に想像できるわけですが、我々もクラブさんも非公開企業で、その中でいかに情報を最大限努力して公表していくのか、社会の納得を醸成していくことが非常に重要になります。例えばハラスメントの件に関しては、一般予防効果であったり再発防止に資するならば、それが非常に重要になることが基本になるんだと思います。一方でハラスメントの事案ですと非常にデリケートな話が多くて、私も携わっていて常々よく思うことが、1件1件似ている事例でも事情が違うことばかりで、その都度判断しなくてはいけないことが多いです。

今回は公開することのメリット・デメリットがあるんだと思うんですが、一般の上場企業であれば、いわゆる適時開示基準というのがあるので発表しなくてはいけないのですが、我々はその都度(開示するのか・しないのか)判断していかなくてはいけません。今回東京Vさんともずいぶん話をさせていただきました。この事案の性質上、当事者や通報者の保護についてかなり報道が先行した中で、クラブ内でも結構大変だったようです。東京Vさんも私が先ほど申し上げた能書きはある程度ご理解いただいていますが、そういったことを比較・考慮した場合、公表することのメリットよりもデメリットが上回る判断をされました。私は最終的にそれを尊重させていただく形にしました。

この発表を経てメディアさんの方から東京Vにどれだけ質問が行ったのかわからないですけど、『結構大変になると思うので、それ相応のきちんとした対応をされてください』と最後の最後までさせていただきました。最終的に東京Vさんの思いというのは、中村社長のコメントに書かれているということなので、そういうことなのかなと思いますが、基本的に情報公開のあり方は、冒頭に申し上げたようなアカウンタビリティ(説明責任)を最大限発揮するということは、我々も公益社団法人でもありますから非常に重要なことだという考えは全く動かない理念です。私の方から東京Vさんに関してお話できることは以上です。

それから鳥栖に関してはその後進捗がありまして、私どもの方で改めてリーグの方で直接の調査をするということで、昨日クラブさんに通知して、実際に調査に向けた動きをプランニングしているところです」

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