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【ニュース】第41回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。ACLウズベキスタン遠征での感染事例の最終報告。「トイレが絶対危ないというよりも、リスクが高い場所であるという認識してほしいという報告でした(賀来座長)」

10月18日(月)、JリーグとNPB合同の「第41回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)、舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)、NPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、村井満Jリーグ チェアマンが出席した。

会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。

※画像は10月4日のもの

〇斉藤惇NPBコミッショナー
「今日も先生方からアドバイスをいただきました。野球の方はおかげさまで、先生方のサポートのおかげであまり大過なく11月の日本シリーズに向かって順調に進んでいます。143試合完了するんではないかと思います。

今日は先般の名古屋グランパスでのワクチン・検査パッケージの実証検証やJFAのワールドカップ最終予選での技術実証の報告を非常に詳しくいただきました。NPBでは巨人が先日少しだけやりましたが、今週から本格的に各球団で技術実証に取り組んでいきますので大変参考になりました。いろいろなことをヒントにしながら進めていきたいと思います。そういった意味では今日の会議は我々にとって非常に有意義なものでした」

政府の技術実証における大規模イベントの感染予防のための調査-10月6日 YBCルヴァンカップ準決勝における調査結果速報-(産総研HPより)

〇村井満Jリーグ チェアマン
「現在感染状況が全国的に鎮静化している中で、新たなJリーグやJFAで取り組んだ実証検証について報告させていただきました。また何度がご報告申し上げていますが、AFCチャンピオンズリーグでのチャーター機で帰国した際の発症事例についても、詳細なゲノム解析の報告もいただきました。我々にとっては落とし穴とも言えるようないくつかの知見をいただきました。実証検証と合わせまして感謝申し上げます」

〇賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)
「今日は私の方から、現在の感染状況について説明させていただきました。日本では非常に落ち着いてきているということで各地のデータをお示ししました。
またワクチン接種が進んでいて、ワクチンの効果がかなりあると。厚生労働省のアドバイザリーボードでも報告がありましたが、約65万人の感染が予防され、亡くなった方も約7200人ほど減少しているというデータも合わせてさせていただきました。
先ほどコミッショナーやチェアマンから話がありましたが、ワクチン検査パッケージの技術実証について、どういう状況でどう行っているのか詳細をお示しいただきました。マスクの着用率や観戦状況や行動、実際のワクチン検査の証明をどのようにオペレーションしているのか、あるいは陰性証明をどのようにおこなっていくのか報告がありました。AIを使いながら、しっかりとしたオペレーションの中で、そういった実証をおこなっていました。データの解析をさらに進めながら、プロ野球でも今後行っていくので、我々もそれをしっかりと支援していきたいと思います」

 

〇三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)
「すでに世の中がワクチン検査パッケージを用いた緩和に向かっています。それについてNPB・Jリーグもどのようにしていくのか、今までの実証研究の中間報告を我々に示していただいて、意見交換させていただきました。
それと同時に、AFCチャンピオンズリーグのウズベキスタン遠征の帰国時に感染者が出た、ゲノム解析の最終報告がありました。それによると現地でのトイレが一つ大きな問題だったかもしれないというようなデータ解析が出ています。それと同時に意見交換の中では、飛行機の中でのトイレには気を付けないといけないのではないかとか、そういった意見も出てきました。今後こういった海外遠征や国際大会については非常に気を付けないといけないと思います。もちろん日本国内での移動についても、大変参考になる解析を示していただけたと理解しています。
世の中は緩和の方向に向かっています。ただこれを一気に緩和するのではなくて、サイエンスに立脚した緩和策と言うのを示していくのを、NPBとJリーグに求めらていると思いますので、今日の会議でも非常に有益であったと思います」

〇舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)
「今日の会議の中では非常に大事な情報の共有がなされました。技術実証が進行中という事実ともう一つはシミュレーションによって、どのくらいリスクがあるのか評価するそういった方法に関して共有されました。まさにリアルワールドでの成績とシミュレーションをうまく活用しながら、厳しくやっていくフェーズでは今はなくなってきていますが、一気に緩んでいくことも許されないので、安全安心に段階的に進めていくようなエビデンスを、今まさにNPBとJリーグが一緒になってデータを取って蓄積していることが確認されました。そういう意味では11月のどこかでワクチン・検査パッケージそして緩和が進んでいくわけですが、その時に向けての大事な情報になると思います。
もう一つ最後にワクチンの効果が大きいことが確認されたわけですが、それと同時にワクチンを打っている人も打っていない人も基本的な感染対策を徹底していくんだというメッセージを、NPBとJリーグから出していく必要性を感じています」

(残り 2410文字/全文: 4753文字)

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