Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】第47回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。「会食を契機としたクラスターがデルタ株の時よりもさらに起こりやすいので特に注意していただきたい(賀来座長)」「オミクロン株は感染性が非常に高いことがわかっていますが、基本的な感染の『場』というのは今までと変わらないということが大事(舘田氏)」

1月24日(月)、JリーグとNPB合同の「第47回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)、舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)、NPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、村井満Jリーグ チェアマンが出席した。
会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。

○斉藤惇コミッショナー
「今日の会議では、オミクロン株の感染者が急増している事と、プロ野球やJリーグでもかなりの数の選手や関係者が発症している報告と共に、オミクロン株とデルタ株の差は十分理解できていませんが、いずれにしても感染率は非常に高いという状況(が報告されました)。症状はある程度重症化は少ないようですが、しかしながら感染してしまうと濃厚接触者になってしまいますし観客の方にそういった問題が出てはいけないということもあり、オミクロン株に焦点を合わせてルールの見直しをしています。その内容を専門家の先生方へ相談をさせていただき、先生方から細かいアドバイスをいただいています。
今日いただいたご意見をベースにしてさらに深堀して、野球の場合はNPBとしてのガイダンスを出して各球団が自主的にそれをベースにルールを作っていきたいと思っています。今後とも引き続き検討を続けていく事になると思います」


○村井満チェアマン
「野球界に先立ってJリーグの方では、すでに先にキャンプインしています。多くのクラブで陽性事例の報告がされていますが、改めて会議でも概況の報告をさせていただきました。また27日と2月1日にはワールドカップの最終予選があります。また2月12日にはFUJI FILM スーパーカップという主要試合が控えています。ちょうどまん延防止期間中ということもあり、厳格な感染対策をしながら進めていくわけですが留意点を確認しています。野球界と同様に連携を取りながら進めていきたいと思います」


○賀来満夫 座長
「私の方からは毎回疫学的な情報をお伝えしています、現在世界的にどういった状況なのか、そして日本全国での感染状況について説明させていただきました。
オミクロン株についてのアメリカやヨーロッパ諸国の感染状況でもそうですが、2年前に比べると致死率自体は低下している傾向にあります。昨日も全国すべての都道府県で(オミクロン株が)検出されていますが、重症化されている方の数は比較的低く抑えられています。ただ基礎疾患を抱えている方は当然重傷化するリスクがあります。また年末年始や成人式も含めて何らかの会食から感染しているケースが非常に多く報告されています。そういった点での注意点や、子供の感染例が多いのでそういったとこでの注意点についてご報告申し上げました。
また、ヨーロッパ諸国やアメリカでは3回目入院や重症化を防ぐ効果も高いことが知られています。ただしオミクロン株に対する感染予防効果が高くないので、そういった意味でも3回目のワクチン接種が重要になると思います。そういった話をさせていただきました」


○三鴨廣繁 氏
「非常に難しい局面になってきています。報道やデータ等でも示されていますが、重症度は今までの株と比較すると低いが感染力は強いと。その証拠にスポーツ界や芸能界、そして我々の医療界でもスタッフが感染しています。デルタ株の時は重傷者が増えて大変だったのですが、今はスタッフの感染があって人手が足りずに大変だという現実があります。

その中でJリーグはキャンプインしていて野球もこれからキャンプインしていくわけですが、キャンプを過ごさなければシーズンも戦えないわけで、感染者をゼロにすることは難しいですけどいかにキャンプで感染者を少なくして何とかできないのか、各球団やチームが模索している段階です。今日はその方法について、それぞれの団体からガイドライン等の案が示されたので、それに対して意見を述べる形で会議が進みました。
本当に(キャンプは)必要不可欠なもので、NPBやJリーグといった国民に希望を与えてくれするスポーツでもありますので、何とか実行できるように、我々も意見を述べていって、できるだけ感染者を少なくすることに協力していきたいと思っています。

ただ脅威は続いています。いろいろなシミュレーションがありますが、ちょうどキャンプ期間中の2月の中旬以降まではこのピークが続くというのが大方の予想ですので、その中でのキャンプということで各球団やチームは相当の覚悟をしなくてはいけなということを皆さん理解されていると感じました」


○舘田一博 氏
「報道されている通り、オミクロン株の真っ只中に入ってきています。スポーツ界においてもキャンプや自主練習の中での感染事例が多数報告されるような状況となっています。なんとかこれを乗り越えて、そして今シーズンをスタートさせなくてはいけないわけですが、オミクロン株の特徴をよく理解した上で、オミクロン株の流行に対して効果的な対策を取っていく事が必要になってきています。
それは今までのガイドラインをオミクロンの特徴を踏まえて変えていくこともやっていかなくてはいけないことが共有されたと思います。
オミクロン株は感染の広がりは強く早いわけですが、基礎疾患が無い人などの重症化の頻度は低いことが明らかになっています。もちろん高齢者が基礎疾患をお持ちの方は注意しなくてはいけないわけですが、感染制御の効果を最大限にし、社会経済のダメージを最低限にする対策としては、我々としてはNPBやJリーグの活動ができるだけ通常通りできるような仕組みや検査体制、あるいは行動変容を考えていく必要があると思います。

今日ガイドラインという形ではすぐには出てこないのかもしれませんが、いかに私たちがリスクを減りながら選手たちが安心してプレーできるのか、そして観客の皆さんが安心してスポーツを見ることができるのか考えていきたいと思います」

(残り 2020文字/全文: 4517文字)

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