Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「こうしたトップの選考プロセスそのものが日本社会に一石を投じる事となれば(村井チェアマン)」「より良いサッカーという作品をどうやったら多くの人に届けていくかを一番のポイントにして進めていきたい(野々村氏)」~2022年度第1回Jリーグ理事会後の会見より~

会見の最後、村井チェアマンと野々村次期チェアマン候補者による2ショットの時間が設けられた

1月31日、Jリーグの2022年度第1回の理事会が行われ、理事会後WEB上で記者会見が行われた。

この中で、次期チェアマン候補者として野々村芳和氏、業務執行理事として4名(窪田慎二氏、高田春奈氏、並木裕太氏、馬場浩史氏)が答申され、理事会で承認された。
選考過程については、役員候補者選定委員会・野宮拓委員長が説明を行なった。

今回は、次期チェアマン候補者が決まったことについての村井満チェアマンのコメント、野々村芳和氏に対する質疑応答を中心にお届けしています。


○村井満チェアマン
「野宮委員長からの話の中でもありましたが、実に1年半にもおよぶ歳月を経て400名を超える母集団の中からしっかりとした議論をしていただき、今回チェアマンとして野村さんを答申していただきました。
野々村さんに関しては改めて申し上げることもないですが、この30年のJリーグの歴史の中でJリーグでのプレー経験者が実行委員や理事を経てそして今回チェアマンとなりました。そういう意味では、30周年を迎えるタイミングにふさわしいチェアマンだろうと思っています。
私自身もコロナ禍がはじまる2年前、忘れもしない2月21日の湘南vs浦和でした。翌22日に柏vs札幌の試合を柏へ観戦しに行きました。その時に駐車場で(会いました)。自分のクラブの試合をリアルで見ることができず車の中で配信を見ていて、試合後にこの後のコロナの対応について1~2時間彼とじっくりと話をしました。それがその後の4か月の中断につながる意思決定となりました。当時札幌の感染状況が非常に厳しい状況だったということも当然あったと思いますが、野々村さんの現状に対する洞察の深さ、今後の展望に対する見識の高さをその時点で再認識したことを覚えています。
フットボールのプレーヤーでありながらクラブ経営の舵取りに必要な深い洞察・考察の力を併せ持つという点については、先ほどの野宮委員長の説明にもありましたが、私も全く同感です。今後、野々村さんらしい大改革を私は歓迎しますし、心から応援したいと思っています。

今回の検討プロセスにおいては、31日の理事会で初めてチェアマン候補者と業務執行理事の候補者の名前をお聞きしました。当然、我々Jリーグの役員も1人もこれを認識することなく今日を待っていました。斯様に我々サイドから独立した形で自由闊達な議論をしていただけたことが私の誇りでもありますし、こうしたトップの選考プロセスそのものが日本社会に一石を投じる事となればと願っています。

私の方からは以上ですが、今回このタイミングで原さん、木村さん、佐伯さんも業務執行理事を離れます。私自身がここまでやって来れたのも、こうした脇を支えてくださった方々のサポート無くして語ることはできません。野々村さんにも脇を固めるいいチームを作っていただいて、チームで困難を克服していただくことを願っています。野々村さん頑張ってください!よろしくお願いします」

※野々村氏の挨拶は以下に掲載しています。

【ニュース】2022年度第1回の理事会を開催。次期チェアマン候補者として野々村芳和氏が内定。「いろいろな難しい決断をしなくてはいけない中で、それぞれの時代に感じた気持ちを大切にして、より良いサッカー界にしていけるように頑張っていきたい」

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