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【解説】上場も考慮した資本流動性の研究_株式異動に関わるルール・規則の改定について。「市場にさらすことによってクラブの本当の価値がわかる可能性があると思っています(木村専務理事)」

2月28日、Jリーグの2022年度第2回の理事会が行われ、理事会後WEB上で記者会見が行われた。

今回の理事会の決議の中で「上場も考慮した資本流動性の研究_株式異動に関わるルール・規則の改定について(リリース)」これまでの経緯について、担当した木村正明専務理事が説明を行った。


○木村正明専務理事
「昨年一年かけて議論してきたリプラインニング、経営計画の見直しの中で唯一残っていたアジェンダになります。
結論から申し上げると、クラブの上場を今後認めることとなります。
昨年末に申し上げました資本の流動性に関してですが、ここに関してこのような決定をさせていただきました。

2021年4月に行われあ、第4回実行委員会後のメディアブリーフィングで発表された、現在のJリーグの中計・ビジョンの方向性を表した模式図。

リプランニングには13の打ち手がある(上記)とさせていただきましたが、世界では可能となっていますが現状Jリーグの中では実質不可能となっているのがクラブの上場でした。規則・ルールの整備は簡単ではなく、半年以上かけて理事会や様々な場で議論してきましたが、今日の理事会で決定することができました。

これは今クラブが(コロナ禍の影響もある)資本増強に入る中で、1つの出口として増資してくださる方から望まれている形でもありますし、またいろいろな方々にクラブの出資に興味を持っていただく意味でも、今後活用するクラブが出てくることを期待しています。
特にクラブの『非財務価値』というものがあります。これは当時鹿島アントラーズが同時いくらで買ったというニュース(※)がありましたが、その時に価値が高い・安いという議論もありましたが、市場にさらすことによってクラブの本当の価値がわかる可能性があると思っています。決議した事項については鈴木さんから補足をしていただきます」

※2019年7月、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの株式を日本製鉄およびその子会社が保有する発行済株式72.5%のうち61.6%をメルカリが約16億円で取得した。

【ニュース】鹿島の筆頭株主がメルカリに。「チームが大事にしてきたこれまでの伝統を大事にしつつ、ビジネスにおいては進化したテクノロジーで変革を起こしながら、アントラーズを真のグローバルでNo.1のチームにしていきたい(メルカリ・小泉社長)」

画像は2021年5月のものです。

○鈴木徳昭 Jリーグライセンスマネージャー
「私の方からは本日決議した事項について簡単に説明させていただきます。

この10か月にわたるプロジェクトの検討結果として、クラブの公共性や透明性、企業価値の向上に資するもので、リーグの理念や思想が揺らぐことが無い中で、資本流動性が高まることにより、クラブ・リーグ全体の成長に期待できるということで、株式上場が可能のようなルール規則を改定しました。

具体的には株式移動に係る規則の改定と併せてインテグリティの観点からクラブ株式の保有禁止対象を拡大し定義するというものです。
先ほどメディア向けにもリリースさせていただきましたが、具体的な情報としてはJリーグ規約第29条、第30条、それから百年構想クラブの第4条が主なものです。また改めて今回方針としてリーグ職員・審判員・選手・監督等の株式保有の規制を新規で確認させていただいて、これに関しては1年間かけて関係者に説明をした上で最終的には来年の1月までに落とし込みをして施行を目指すという形で考えています。

今後なんですが、今申し上げた通り、きちっとした形で投資家に対しても発信していく事と説明していくことをさせていただきたいと思います」

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