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【ニュース】第50回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。「1週間に1回PCR検査をするよりも1週間に2回抗原定性検査をやった方が、同一組織内でのクラスター発生率が低いというデータが示されました(村井チェアマン)」

3月7日(月)、JリーグとNPB合同の「第50回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)、NPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、村井満Jリーグ チェアマンが出席した。※舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は学会出席のため欠席。
会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。


○村井満 Jリーグチェアマン
「連絡会議も数えて50回目となりました。2年に渡るNPBとJリーグの連絡会議ですが、1年間が約50週ですので隔週で行ってきましたので、2年間歩みを共同してまいりました。実は今日の会議を持ってご報告をさせていただきました。後任のチェアマンが3月15日付で就任しますので、次回からは野々村が参加するということで、皆様にもご紹介をさせていただきました。
改めてメディアの皆様にも、この2年間ご助言や問題提起などをいただきました。連絡会議の活動の場でも、メディアにどのように説明していくのかとか社会にどのように伝えていくのかという視点をいただきましたことを、誠にありがたく感じていました。

今日は主に検査の今後の体制について、オミクロン株を想定した時に検査感度・検査頻度を再シュミレーションした内容を共有いただきました。正確には2週間後に最終確定となりますが、今日も大変貴重な情報を共有していただきました」


○斉藤惇NPBコミッショナー
「今話がありました通り、村井チェアマンと一昨年の3月3日に第1回の連絡会議を開きました。その時に科学的なマスデータがしっかり取って分析して科学的な対応をしていこうというと話して(スタートしました)。また東京五輪もあるので1つの“試験”ということも考えてスタートしました。本当に村井チェアマンにご指導ご支援をいただいたことを感謝しています。

NPBは25日からペナントレースが開幕します。これまでの経験で教訓は、『しっかりマスク、しっかりワクチン、しっかり検査』、この3つをやるしかないと。これをしっかりやれば後は社会的対応を拡大しなくてはいけないという考えを持っています。したがって、できれば制限の無い観客をお招きしてスタートしたいと思っています」


○賀来満夫 座長
「今回で50回を迎えたということで、いろいろなことを議論してきたことが、東京五輪もそうでしたがマスイベントの開催でもいろいろなエビデンスが出てきて、わからなかったことがだんだんわかってきたということがあります。今日の記者の方から貴重な意見が質問をいただいて、上手くお答えできなかった部分もありましたが、記者会見を開いていただくことは私たちにとってもありがたいことでした。村井チェアマン、ありがとうございました。お疲れさまでした。

私の方からは、現在の世界や全国の感染状況について説明させていただいています。皆様もご存じの通り、感染が次第に減少傾向ですが、高齢者の方や10歳未満の方々の感染が抑えきれていないところが、感染が高止まっている原因となっています。また地域によっては感染者が増えていることもあります。
ただ3回目のワクチン接種が行われている中で、やはり重症化の予防効果がはっきりと認められてきています。ワクチン接種が世界的な戦略でもありますが、ワクチン接種の3回目接種が終わったヨーロッパやアメリカでも規制緩和が行われてきています。

齋藤コミッショナーがおっしゃったように今後規制緩和が行われてきているわけですが、『マスク、ワクチン、検査』という感染対策を行いながら規制緩和に向かっていくということで、我々の専門家グループもご支援させていただきたいというような話をさせていただきました。

また検査についても、産総研の先生方やアドバイザーの先生方にも関与していただいて、抗原検査の頻度を高めていく事が非常に有用であろうというデータをお示ししていただきました。
今後また2週間でもう少ししっかりと確定してまたお示しできると思いますが、抗原検査の有用性を共有できたと思います」


○三鴨廣繁 氏
「今日の議論ですが賀来先生がおっしゃられた通りですが、ご存じの通り、現在抗原定性検査が市場では不足していると言われています。それだけ利用されている裏返しでもあるわけですが、政府が国産の増産体制を指示していますので、いずれ充足してくる流れの中で、やはり経済的な問題があります。PCR検査がいいことに変わりはありません。PCR検査は値段が高いとか判定までにちょっと時間がかかることが欠点です。

私は以前から『感度より頻度』と申し上げていましたが、抗原定性検査の感度のやや低い所を頻度で補うことができるということを、専門家チームの村上先生や井本先生、産総研の方々がデータとして検証していただき、その発表もありました。その一方で取り入れるかどうかは今後きちっと判断していただくことになると思います。

例えば野球では、抗原定性検査で一度調べて1人だけ陽性が出た場合に、もう一回全員PCR検査をやり直さないといけないという事態になると、いろいろな不平不満というわけではないですが選手からいろいろな意見が出ることも実際に起こってきています。皆さんに納得して検査をやっていただくかが極めて重要だということで、次回の会議までに揉んでいただいて最終的なフローチャートを作っていただくことに、今日の会議では落ち着きました。

いずれにしても、冒頭に斎藤コミッショナーがおっしゃいましたが、要は何をやっていくか。『マスク、ワクチン、検査、この3つに尽きる』と強調されていました。斉藤コミッショナーの発言を聞いて、我々がメッセージの使い方が下手だなと改めて思いましたが、さすがだなと思ったのが、わかりやすい言葉で国民に伝えることも重要です。いわゆるマスク、ワクチン、そして検査。こういったことを国民の皆様と共にやっていく事が重要ですし、それがNPB・Jリーグの発展につながり、引いては観客の皆様を全員お迎えしてやることにつながると、今日改めて確信しました。
いずれにせよ検査については2週間後にフローチャートの原案が出来上がることを期待しています。私からは以上です」

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