Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】第51回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。NPB・Jリーグ共に独自の濃厚接触者の定義を維持する方向性を確認。応援スタイル見直しについては「見通しについては全く立っていないが、今後どんな準備やエビデンスがあったらコロナ前のように戻るのか、そのデータをしっかり蓄積する準備はしたい(野々村チェアマン)」

3月22日(火)、JリーグとNPB合同の「第51回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、NPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、野々村芳和Jリーグ チェアマンが出席した。※なお、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)と舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は都合により欠席した。

本日の会議では、まん延防止重点措置が解除され、政府が職場での濃厚接触者の特定を不要にするという方針について、NPB・Jリーグ共に独自の濃厚接触者の定義を維持する方向性を確認されている。

会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。


○斉藤惇NPBコミッショナー
「プロ野球はあと3日で開幕を迎えます。今日から全国的にまん延防止重点措置が解除されるということで、おかげさまで入場制限なしでお客様をお迎えすることができそうです。しっかり準備をして開幕を迎えたいと思います。

今日の会議の焦点は、今回の政府の前向きの緩和策、これを大変歓迎させていただくわけですが、非常に大きく緩和された中で、現場では少し調整をしていった方がいいのかなという問題があります。

1つは濃厚接触者の処置です。家庭内での家族の陽性についてはかなりしっかりとした対策が必要で、これまでの7~8日の待機期間が4~5日に短縮されましたが、しっかりと濃厚接触者を認定するということです。ただNPB・Jリーグが提出した要望書には『今までのような一律の強制的な行動制限を求めません』という言葉が入っています。我々はこの問題は2年半にわたって続いていて、濃厚接触者の判定には非常に重要な関係がありました。
野球の場合は、チーム内の選手をほぼ総入れ替えに近いことをしたこともありましたし、非常に関心が高いわけです。果たして、行動制限無しだから濃厚接触者も認定しなくていいというわけではなくて、実際クラスターが発生した場合には興行ができなくなるわけですから、我々としては今まで経験してきたことをより良い方へマイナーチェンジしていこうと。厚生労働省の指導も受け入れながら、我々自身のルールを作っていこうということで、専門家の先生方からのアドバイスをいただきました。
この後の代表者会議で喧々諤々やりながら新しいガイドラインを仕上げていきたいと思います」


○野々村芳和Jリーグ チェアマン
「JリーグはJ1からJ3まで全てのリーグが開幕しましたが、依然としてコロナの陽性者が10人近くいるクラブもあり、その中でも今までの経験を活かしながら、ゲームに挑むクラブが増えてきています。継続してサッカーの内容も担保できているのは、これまでの積み重ねのおかげだと思っています。また入場制限なしでお客様をお迎えできるようになったのも、この会議での積み重ねのおかげだと思っています。

少し気の早い話になりますが、会議の冒頭では次のフェーズにどう進んでいくのか、要は応援スタイル見直しについて、この先リーグでエビデンスを取るなどしながら専門家の先生方の意見を聞きながら考えていきたいとコメントさせていただきました。
会議の内容については先ほどコミッショナーがおっしゃっていただいた通りで、濃厚接触者の特定をしないという次のステップへ進もうという政府の対応に対して、クラブ・リーグではどうしていくのかというところです。
58クラブあって検査体制も地域によって様々な中で、リーグでガイドラインを設けなくてはいけないと思っていますが、1つ設けて多少それが前よりも緩和されたとしても、コロナ感染者を多く出したクラブー要はかなりアラートな態勢で臨んでいるクラブは―おそらくそれ以上の対応を取ったりすると思います。実際に陽性者を出さないために、クラブは相当気を使って対応すると思うので、それもこの2~3年間コロナへ対応するために得た経験だと思います。一方でリーグとして多少緩和して前へ進んでいこうとい姿勢が見せられるようにガイドラインの改定(への議論)になったんじゃないかと思っています。


○賀来満夫 座長
「今日の会議では、濃厚接触者のいろいろな考え方について、プロ野球・Jリーグからいろいろな緩和についての話をしていただきました。
私の方からは、現在の感染状況について説明させていただきました。日本では感染者数が減少してきていますが、世界的にはヨーロッパやアジア、韓国などで感染が拡大してきて、BA2という変異株の影響もあるという話をさせていただきました。
また、チェアマンとコミッショナーからも話がありましたが、職場での濃厚接触者を特定しないという方針を政府が発表しましたが、社会や経済活動を回していくためには大切なことだと思います。

一方で3年間の蓄積の中で、NPBとJリーグはこれまでリスク管理をされてきました。やはりチームがしっかりと対戦するチーム同士がお互いに危機管理をしっかり行っていかなければいけないので、完全に緩和することは今の段階ではなかなか難しいと思います。これからの経験を活かしながら少しずつ緩和していくと。(待期期間の)日数の問題など両機構から様々なことがお示しいただき、専門家からいろいろな意見を述べさせていただきました。
Jリーグはすでに開幕していますしプロ野球も今週開幕しますので、選手・スタッフが感染しないようにして、お客様に楽しんでいただけるようにしていければと思います」

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