Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】第52回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。NPB・Jリーグの新型コロナウイルスの検査戦略について「オミクロン株以降感染力が強くなっている状況においてもかなり低く抑えられている可能性が示されています(産総研・保高氏)」

4月4日(月)、JリーグとNPB合同の「第52回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)と舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)NPB(日本プロ野球組織)、斉藤惇NPBコミッショナー、野々村芳和Jリーグ チェアマンが出席した。

本日の会議では、新型コロナウイルスの検査戦略(これまでの検査体制)の評価について産総研・保高氏が説明を行った。

会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。


○野々村芳和Jリーグ チェアマン
「プロ野球も開幕して沢山お客さんが入っている姿をメディアを通して見ることができて非常に良かったなと思います。ただチームやクラブではそれなりの数の陽性者が出てしまって、何試合か試合が中止になってしまいましたが、大変な中でも少しずつでも前に進んでいるなと実感した次第です。
先生方やクラブ・球団関係者の努力に加えて、ファン・サポーターの皆さんにも協力していただいて、スポーツすることができていることにあらためて感謝したい思いで、ここ数週間サッカーや野球を見ています。

今日の会議の中ではこの後コミッショナーからも話があると思いますが、プロ野球では2球団の陽性事例があったこと、それからJリーグでは産総研にお願いしていた検査戦略の説明などが会議の中で説明していただきました。
前回も少しお伝えしましたが、応援スタイルをどうしていくのか、当然今は難しい状況であることを理解していて、今後前に進んでいく中でどんなことが必要なのかリーグの中で考えています。政府、スポーツ庁、産総研さんと一緒に勉強会を開いたりするような検討を開始することを皆さんにもお伝えしておきたいと思います」

○斉藤惇コミッショナー
「NPBも1週間前に始まりまして、各球場ほとんど満員に近い状況でスタートさせていただいています。
こういう環境ですが、桜と共に野球も見たいという気持ちが表れて、今までいろいろやってきたことがある程度できて嬉しく思っています。あくまでコロナとの闘い・ウィズコロナの中という特殊な環境下でできる方法を考えています。残念ながらやむを得ないのですが、楽天とロッテ(で陽性者が出ました)、特に楽天さんの場合はPCR検査をするたびに罹患者が出る状況で、総数も十数名という形になりましたので、定められたルールで緊急理事会を開いて12球団了承の下で2試合中止させていただきました。ファンの方々には大変申し訳なく思っています。
我々としては、選手の検査を繰り返していまして、幸いこれ以上陽性者が出ていない状況です。おそらく明日から元に戻れると思います。昨年もこういったことがありましたが、コロナウイルスと戦いながら、現実の生活や経済をできるだけ戻していかないといけないと思っていますので、対策を打ちながらやっていく。罹患者がいないことが一番いいですけどある程度やむを得ないと思います。
今後もしっかりと連絡を取り合いながらこういった形でお客さんをお招きしたいと思います。先ほどチェアマンからも話があったように、最終的にはマスクを着けてかもしれませんが、声も出せるようになったらなと思います」


○賀来満夫 座長
「私の方からは世界的な感染状況、そしてわが国での状況について説明させていただきました。
日本ではリバウンドの傾向が厚生省の専門家部会でも指摘されています。その原因の1つとしてBA1からBA2に置き換わり、東京では先週の段階では(置き換わる率が)50%を超えています、BA2はBA1に比べて1.2~1.5倍の感染力があり、人から人へ移す期間が短いという特徴があります。デルタ株よりも多少落ちますが、ワクチン接種率が高メルと同時に合わせて感染対策をしっかり取ることで防いでいけるという事をお話させていただきました。
今日もNPB・Jリーグからいろいろなことをお示しいただきましたが、どういうふうに感染対策を行っていく必要があるのか、あるいは今後の応援のスタイルについて、マスクの着用率のデータを見せていただいて、あるいはまん延防止重点措置や緊急事態宣言下の方がマスク着用率が高いデータも改めて示していただきましたが、今後とも感染対策をしっかりしながらクラスターをどう防いでいくのか話し合っていきたいと思います」


○三鴨廣繁 氏
「賀来先生の話されたことに付け加えさせていただきます。日本は世界的に見れば、感染者数は少ないですし、今リバウンドが起こりかけていますが、世界のレベルとは全然桁が違います。その中で本当に医療関係者は第6波では苦労してきて皆さんにご協力をいただきましたが、その一方で社会経済活動も含めたプロスポーツが、心に光をともしてくれますし感動も与えてくれます。これをいかに実行していくか。当初この専門家会議が設置された目的の一つに、スポーツ文化を守るという目的がありますが、それにのっとって十分にやって来れたと思っています。
その中でいろいろと課題が出ます。感染者が関係者の中にも当然出てきますが、その確率をいかに減らしていくのか。そして通常の試合をして感動を洗得られるかが極めて求められています。粛々とやっていく事になると思います。
その中で諸外国ではマスクを外す国が出てきています。よくいつまでと聞かれるのですが、なかなか明言しずらいですが、いましばらくの間はスポーツ文化を守る、プロスポーツを実行していくためには、当然選手スタッフは努力しているわけですが、観客側もマスクをしっかり着けて観戦していただくという事が重要だと納得していただくしかないと思います。
日本のやり方をしっかりやっていけば(クラスターを予防できると)、世界にも示すことができているので、科学的な知見に基づいてプロ野球やJリーグはやっているという事を皆さんにご理解いただきながら我々もサポートしていきたいと思います」


○舘田一博 氏
「第6波の後再増加の兆候が見られます。1日10万の感染者が出て大変なことになりましたが、BA2に置き換わり、感染者が20万人~40万人(と推定される中)、状況を考えながら国も含めて対策を取ろうとしています。Jリーグ・プロ野球においても大事なポイントは、感染者数が増えることはある意味で覚悟していかなくてはいけないわけですが、そんな中でワクチンが進みや治療薬が開発されていますし、重症や入院、死亡例が減らせるようになってきています。そういった状況の中でいかにJリーグ・プロ野球はしっかりと観客を入れながら安全に行うことができるか。その戦略や方法を考えることが新しい年度になっても一番大事だと思います。
ここで油断をしてしまって全部ガードを下げてしまうと、欧米のような状況になってしまう。今まで2年間かけてきたエビデンスを積み重ねながら安全を担保しながら少しずつ広めていくことをやってきたわけです。いろいろな情報がまた出てきていますから、BA2が流行する状況の中でも安全にスポーツ観戦するためにはどういうことが必要なのか、改めてエビデンスを元に議論していく事を今日確認しました」

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