Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】第57回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。「今の政府の対処方針の中で前に進めていくのであれば、みんなに協力してもらわないとクラブの経営の事を考えても(声出し応援エリアは)50%(それ以外は)100%を実現できない可能性もあります。改めて、サポーターにもクラブにも前に進めていけるような対応を取っていただきたいと強く言っておきたい(野々村チェアマン)」

7月4日(月)、JリーグとNPB合同の「第56回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)と舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)、NPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、野々村芳和Jリーグ チェアマンが出席した。

会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。


○野々村芳和Jリーグ チェアマン
今日もいつも通り感染状況について勉強されてもらいながら、会議全体としての僕の印象ですが今国内ではコロナの新規感染者数が増えていますが、世の中の緩和の流れがある中で、多少増えていることは想定しながらどう対策を取っていくのか。今までの対策の継続と自分たちでわかっていないようなことがまだあるんじゃないかということも勉強しながら、前に進めていこうという会議でした。
サッカーでは、週末に国立競技場で56,131人の方を観客が入っての清水と横浜FMのゲームがありました。ガイドラインに沿った中で5万人以上のお客様に入っていただき素晴らしい空気を作っていただきました。一方で進めている声出しお応援の検証ステップ2の試合を2日の土曜日に3試合行いましました。そちらもガイドラインに沿った運営ができていて、こちらもサポーターの皆さんに協力していただいて上手く進めることができました。あくまでも速報値ですが、1週間後くらいには細かい点についてもお伝えできるのかなと思っています。

それからステップ1での事後アンケートも含めて、体調の変化なども含めて特に大きな問題もなくステップ1は終えられたのかなとお伝えしておきたいです」

○NPB斉藤惇コミッショナー
NPBの場合は、ほとんどの球団においてコロナの発症者は収まってきていますが、珍しくというか、福岡ソフトバンクホークスで3日間に渡って合計18名、選手のみならずスタッフやコーチが感染してしまいまして、試合を2日休みがありましたから実際は3日間ホークスとして止まりました。我々としてはスケジュール上心配しています。10月の日本尻^図にどう影響するのか心配しています。

ただ数が数だったので、今日の会議では専門家の先生方のご意見やアドバイスもあり、またアドバイスもありまして、徹底的な疫学調査をしていただくことになります。ホークス側でも先生方の調査を受けたいということであります。どうもエアゾールというか、マスクを外すことによるリスクを感じられないこともないという事で、今後のこともあるのでしっかりフォローアップ調査をしていただければと思います。18人出た割には3日くらいで一応隔離していた人以外は全員陰性になっているので、試合も再開させていただいたので不幸中の幸いだったかと思います」

○賀来満夫 座長
「今日も現在の世界と日本の感染状況について説明させていただきました。BA2というタイプの変異株からBA4、BA5という変異株の感染が増えています。日本でも東京で25%くらい大阪でも8.6%くらい新たな変異株による感染が再び広がってきています。一方で重症者の割合は少なくて、そういった意味で医療のひっ迫が起こるかどうかはもう少し状況を見ていかなくてはいけないと思います。
ワクチン接種率は若者から高齢者を含めて63%位いっていますが、いわゆる60歳以上に比べると若い方や20~40代の方々のワクチン接種率が低いので、そういったことも感染の拡大に影響を与えているかもしれません。
また、これから夏休みになりますが、人との接触が多くなることも感染の拡大に影響を与えていますし、あるいは免疫自体も3回目の接種から5か月以上経過していますので、重症化は防げていますが感染は見受けられていますので注意しなくてはいけません。
それからJリーグでは、声出し応援に関しての検証が行われていますが、いろいろな評価がなされています。プロ野球については18名という新規陽性者が出ていますので、どういうふうに広がっていったのか、現地へ疫学の専門家の先生方に行っていただいて、ホークスの皆さんとディスカッションしながら解析していきたいと思います」

○三鴨廣繁 氏
今、どうしても世の中は緩和の方向に向かっていて行政もそういう方向に向かっているわけですが、当然の流れだと思います。その中でいくつかの感染事例が出てきています。つい最近ではNPBではホークスの感染事例について、これから詳しく調べていくことになりますが、特に私からお願いを申し上げたのは、ホークスさんが濃厚接触者の指定しましたが、濃厚接触者以外の方から感染が発覚してきているので、どこが原因だったのか明日以降調査する先生方にしっかりと調査をしてきてほしいとお願いをさせていただきました。今後NPB・Jリーグがより安全により感染を意識しながら対応していく1つの事例・教訓になるということで、1つ1つこれまで通りやっていく事が重要になると思います。
その一方で、Jリーグでは声出し応援の実証検証が行われています。前回舘田先生が強調されましたが、日本人は本当にしっかりマスクをしてルールの中で応援をしていることに感動していると同時に昨今感染事例が増えています。東京ではBA5が感染者の25%、愛知では11%、大阪では8.6%となっていますが、いかに広げないか、我々の意識も重要になると改めて考えさせられています。感染事例を事細かに分析しながらそれを生かしていくのと同時に、感染をいかに制御していくのかを考えていく事が、我々に求められていると感じました」

○舘田一博 氏
「報道されている通り、第6波の下げ止まりの状況から再増加の兆候が全国的に見られています。特にBA5を中心に増加が見られていると。今までの経験からすると、この変異株が数週間の間にドミナント(支配的、優勢的)になってほとんどを占めてしまうような状況を考えていかなくてはいけません。一方でそれがどのくらいのインパクトとして波として形成するのか、Jリーグやプロ野球にどういう影響を与えるのか考えなくてはいけないというのが大事なポイントです。
ただ、感染者数の増加に一喜一憂するのではなく、我々はこの2年半感染症と向き合ってきた中で、どうやったら安全・安心に観客を入れながらできるのかを検討してきたわけで、感染者数はできるだけ少なく維持していかなくてはいけないですけど、ここから先はできるだけ観客を入れながら安全・安心にできるかがポイントになると思います」

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