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【J3開幕直前!】鹿児島ユナイテッドFC登尾顕徳ゼネラルマネージャー独占インタビュー

J3開幕直前!】鹿児島ユナイテッドFC登尾顕徳ゼネラルマネージャー独占インタビュー

 

藤枝MYFC、テゲバジャーロ宮崎とのトレーニングマッチに複数得点で勝利するなど好調な鹿児島。12人の新加入選手、大嶽直人氏を新監督に迎えて臨む今シーズンに「最高のスタッフ、メンバーがそろった」と登尾GMは自信を持つ。「三度目の正直」でJ2復帰を目指す1年の展望や目標達成へのポイントを聞いた。

 

――今シーズン目標達成のために重要となるポイントを教えて下さい。

 

J3優勝、J2復帰が最大の目標です。その上で、目標だけを見すぎると良くない、ということをみんな理解しています。まずは目の前の1試合1試合に、どういう気持ち、思いで臨むかが大事だと思っています。その積み重ねで目標達成ができるということを、チーム認識としています。

 

――J2復帰を目指して3年目になりますね。クラブにとってこの2年間の意義はどう捉えていますか?

 

悔しいし、苦しい。結果が出ない中で、もがき苦しんでいるのが正直なところです。J3に落ちて、監督も体制も環境も変わり、適応しながら改善点に真摯に向き合っています。何よりも、同じミスを繰り返さないことが大事だと感じています。

 

――監督が変わり、選手も入れ替わっています。悔しさや想いの継承は難しいですよね。

 

今シーズン始動の前に、クラブ内で意見を出し合う時間を作りました。鹿児島が何を大切にしているのか、どういう戦いをするのか、どうチームに落とし込んでいくのか。まずは監督に話し、選手一人一人、スタッフ含め、アカデミーにも我々の存在意義、価値観を共有しました。

 

プロスポーツクラブとして、まずは勝つことが大前提です。もちろんサッカーのシステムや戦い方も大事ですが、それは一つ先の話。鹿児島を背負って、代表して戦っている。(鹿児島や鹿児島の人にとって)どういう存在でいなければならないか、サッカーとはかけ離れているかもしれませんが、そこが重要です。サッカーはチームスポーツ。もちろんシュートなど個人の技術が大事なところはありますが、チームとしてどう戦うのか、チーム力の土台づくりから今シーズンは着手しました。

 

――補強で意識されたことはありますか?

 

正直、みんな鹿児島のために戦ってくれるという想いや、組織力になってくれるかは精査して選びましたね。そこは重要かなと思いました。もちろん限られた予算の中で、能力とクラブに合う選手をコミットできたと思っています。

 

――センターラインを中心に、「個」の力がある選手も豊富だと感じました。

 

カウンター対策を含め、もちろん個人の性質だったり能力だったりを見て選びましたが、特化して選んだか、というと、そういうわけではありません。チームの中でどういう存在になっていくのか、全体的にサッカー以外の面でも貢献してほしいし、試合に出ていないときにどういうプラス要素をクラブ、チームに与えてくれるかを考えたところもありましたね。

 

――監督の人選も「鹿児島のために」という想いと、リーダーシップを重視したとおっしゃっていましたね。

 

チームのパワーは、目に見えないところもあります。なので、パワーを与えられる人選をしていきたかったところは本音です。難しいけど、チームスポーツであり、個にもフォーカスされる。最終的には鹿児島のために何が出来るか、というのを重点的に判断しました。「鹿児島のために」という思いが、最終的にはサッカーの面でも出てくると思います。選手は体を張って守るとか、チームのために走るとか。そこの気持ちは、少なからずプレーにも出てくると思うので。

 

――トレーニングマッチは藤枝、宮崎ともに勝利でした。手応えを感じたのでは?

 

去年より、味方が走っていたらそこにボールが入るなど、意思疎通はできているのかな、と思います。「攻撃的」と表現していますが、守備もどれだけ高い位置でボールを奪いにいき、それをどう攻撃につなげるのか、というのが攻撃的で主導権を握るということです。

 

前からのプレスやハイラインで相手を押し込んで、相手のクリアボールをマイボールにし、波状攻撃に繋げるということが、今できてきています。我々が言っている「攻撃的」というのは、攻撃だけやればいい、ということではありません。1試合90分間主導権を握るというのは、シーズン通して1試合あるか、ないくらいなので。「主導権」というのは、メンタル的な要素もあります。今はボールを回させているんだ、とか我慢している時間なんだ、という共通認識を持つことが大事になってくると思います。

 

――今季上位に入ってきそうなチーム、警戒しているチームはありますか?

 

他のチームが、今どういうサッカーをしているか見抜けないので、選手を見てですが、岐阜は経験のある選手も多いです。愛媛も良い補強ができているので、どういうサッカーをするのかな、と思います。J1やJ2ほど、予算規模が順位に比例するとは限らないのがJ3なので、チーム力が試されるリーグだと思っています。うちは、スカウトも強化部も自信を持てた布陣になっています。

 

――開幕に向けて、スタメン起用、メンバー選考はどのように決めるのですか?

 

最終的に監督の判断です。そこに関してGMの立場から言うことはありません。共通認識として持っているのは、チームのために戦える選手を選んでいくのではないかな、と思っています。

 

――今季のスローガン、「ONE TEAM, ONE GAME」に込めた思いを教えて下さい。

 

何よりもチーム力がないと目標達成は難しいと思いますし、いかに目の前の一試合一試合に全力で臨めるかが重要だと考えています。ちなみに、アカデミーのスローガンもONE TEAM。鹿児島全体が一体となって戦う、という意味を込めました。

 

(取材・文 平田美優)

 

 

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